Appleのデバイス購入者がストレージ容量をどのように選択しているのかが明らかになった。最新の調査によると、特にiPhone 15 ProおよびPro Maxでは、購入者の64%が標準以上のストレージモデルを選択しており、大容量化の傾向が顕著である。
この傾向は他のiPhoneモデルでも見られ、iPhone 15および15 Plusでは49%、旧モデルでは48%のユーザーがストレージを増やしている。同様に、iPadでもハイエンドモデルほど追加ストレージを選択する割合が高く、iPad Proでは49%のユーザーがより大きな容量を選んでいる。
特筆すべき点は、用途が異なるiPhoneとiPadでストレージ選択の傾向が似通っていることである。Wi-FiモデルのiPadユーザーはオフライン利用を前提にするケースが多いものの、ストレージの選択率はiPhoneと大差がない。これらのデータから、Appleユーザーは用途よりも将来的な拡張性や安心感を優先してストレージを選択している可能性が高いと考えられる。
iPhoneとiPadのストレージ選択に見られる共通点とは
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Appleのデバイスにおけるストレージ選択の傾向には、興味深い共通点が見られる。特に、iPhoneとiPadの異なる使用用途にもかかわらず、ユーザーが選ぶストレージの増量率が類似している点は注目に値する。
iPhone 15 ProおよびPro Maxでは、64%のユーザーが標準以上のストレージを選択した。対して、iPad Proの購入者も49%が追加ストレージを選択しており、両者の比率は非常に近い。通常、スマートフォンとタブレットでは用途が異なるため、ストレージの選択基準も変わると考えられるが、データを見る限り、その差は小さい。
また、iPadではWi-Fiモデルの購入比率が高く、約半数がセルラーモデルを選ばなかった。このことから、iPadのユーザーは自宅やオフィスなどのWi-Fi環境を想定しつつ、オフライン時のデータ保存のためにストレージ容量を増やす傾向があると考えられる。一方、iPhoneはモバイルデバイスとしての特性が強く、ストリーミングやクラウドストレージの利用が進んでいるものの、大容量モデルが選ばれやすい背景には、動画撮影やゲームなどの用途が関係している可能性がある。
このように、デバイスの形態にかかわらず、Appleユーザーの多くはストレージを拡張する選択をしており、その選択基準には共通する要素があることがわかる。
ストレージの選択を左右する要因 動画とアプリの影響は大きいのか
では、なぜAppleユーザーはストレージの大容量化を選ぶのか。その要因の一つとして、動画コンテンツの増加が挙げられる。特に、iPhone 15 ProおよびPro MaxはProRes動画の撮影が可能であり、高解像度の動画データは膨大な容量を必要とする。このため、動画撮影を頻繁に行うユーザーにとって、ストレージの拡張は不可欠な選択となる。
また、アプリのサイズも近年増大している。ゲームアプリでは数GBを超えるものも珍しくなく、特に高性能なiPad ProやiPhone 15 Proシリーズのユーザーは、処理能力を活かした重いアプリを使う機会が多い。このことが、追加ストレージを選択する理由の一つになっていると考えられる。
一方で、ストリーミングサービスの普及により、音楽や動画を端末内に保存する必要性は減少している。それにもかかわらず、ストレージの大容量化が進んでいるのは、オフライン環境での使用や、クラウドへの依存を避ける意図があるのかもしれない。特に、iPadユーザーはWi-Fiモデルを選ぶ割合が高いことからも、安定したインターネット接続がない環境でのデータ保持を重視している可能性がある。
こうした状況を踏まえると、Appleユーザーのストレージ選択は、単に「多ければ安心」という理由だけでなく、動画やアプリといった具体的な要因が大きく関係していると考えられる。
今後のAppleデバイスのストレージ戦略 拡張性はどうなるのか
ストレージの選択傾向が明らかになったことで、今後のAppleデバイスにおけるストレージ戦略がどうなるのかも注目される。現在、iPhoneやiPadには外部ストレージスロットが存在せず、購入時のストレージ選択がその後の利用環境を大きく左右する。しかし、データの大容量化が進む中で、今後の製品展開に変化が生じる可能性はあるだろう。
特に、iPhone 15 ProシリーズではUSB-Cポートが導入され、外付けSSDとの互換性が向上した。これにより、動画撮影時に外部ストレージへ直接記録することが可能になり、ストレージ選択の重要性が若干薄れる可能性もある。ただし、スマートフォンを日常的に持ち歩く中で外付けストレージを頻繁に利用するのは現実的ではなく、やはり内蔵ストレージの大容量化が求められるだろう。
また、クラウドストレージの活用が進むことで、ローカルストレージの必要性が相対的に低下する可能性もある。iCloudの容量が拡張され、よりシームレスなデータ管理が可能になれば、ユーザーがデバイス本体のストレージを増やす理由は少なくなるかもしれない。しかし、オフライン環境でのデータ利用や、クラウドへの依存を避けたいというニーズは依然として根強く、当面は大容量ストレージモデルの需要が続くと考えられる。
Appleが今後どのようなストレージ戦略を打ち出すのかは不明だが、現状を見る限り、ユーザーのストレージ選択傾向が変わらない限り、より大容量の選択肢が用意される可能性が高い。今後の新モデルでは、さらなる容量アップや、より柔軟なデータ管理機能の搭載が期待される。
Source:The Mac Observer