Samsungの最新スマートフォン、Galaxy S25シリーズは、ハードウェアの大幅な変更は見られないものの、カメラソフトウェアに新たなフィルター機能を導入した。この新機能により、ユーザーは撮影前にフィルターを適用し、写真の雰囲気を自在に調整できる。一方、AppleのiPhone 16シリーズでは、フォトグラフィックスタイルと呼ばれる機能が提供されており、トーンや暖かみを調整して写真のスタイルをカスタマイズできる。両者の機能は似ているが、どちらがより優れているのだろうか。

Galaxy S25のカメラフィルターは、10種類のプリセットが用意されており、ユーザーは「強度」「色温度」「彩度」「フィルム粒子(疑似ISO)」を個別に調整できる。さらに、既存の画像から新しいフィルターを生成することも可能で、Galaxy AIがそのプロセスを支援する。一方、Appleのフォトグラフィックスタイルは、「リッチなコントラスト」「鮮やか」「暖かい」「冷たい」などのプリセットがあり、トーンと暖かみの値を調整して写真のスタイルを設定できる。ただし、撮影後にスタイルを変更するには、写真をHEIC形式で保存する必要がある。

Samsungのフィルターはカスタマイズ性が高く、ユーザーの好みに応じて細かく調整できる点が魅力だ。しかし、一部のフィルターは似たような仕上がりになることがあり、どのフィルターを選ぶべきか迷う場合もある。一方、Appleのフォトグラフィックスタイルは、各スタイルの特徴が明確で、直感的に使いやすい。最終的には、ユーザーのニーズや好みによって、どちらの機能が適しているかが決まるだろう。

写真の仕上がりにこだわり、細部まで自分のスタイルを反映させたいユーザーには、Samsungのカメラフィルターのカスタマイズ性が魅力的に映るかもしれない。一方、手軽さや直感的な操作を重視するユーザーには、Appleのフォトグラフィックスタイルが適しているだろう。どちらの機能も、それぞれの強みを持っており、ユーザーの撮影体験を豊かにすることは間違いない。

Galaxy S25のAIフィルター生成機能はどこまで実用的か

Galaxy S25シリーズの新しいカメラフィルター機能の中でも、特に注目すべきなのが「AIフィルター生成」だ。これは、既存の写真からフィルターを作成し、オリジナルのカラースタイルを適用できる機能である。Samsungは、この技術に「Galaxy AI」を活用し、個々のユーザーに最適化されたフィルター体験を提供しようとしている。

この機能のポイントは、単なる色調補正ではなく、写真の雰囲気をそのままフィルターとして再現できることだ。例えば、暖かみのある夕焼けの写真からフィルターを作成すれば、他の写真にも同様の温かみを加えることができる。また、モノクロ調やフィルム風の質感を含めたフィルターも作成可能で、写真の一貫性を維持しやすくなっている。

一方で、すべての写真がフィルター作成に適しているわけではない。例えば、特定の光源や影の影響を強く受けた写真から生成したフィルターは、異なる環境で適用すると不自然に見えることがある。また、AIによる色補正が意図しない方向に働く可能性もあり、微調整が必要になる場合がある。こうした点を考慮すると、Galaxy S25のAIフィルター機能は強力なツールであるが、万能ではなく、使いこなしが求められる機能といえるだろう。

Samsungのフィルターは「撮影後」の編集にも対応

Samsungのカメラフィルターの大きな特徴の一つが、撮影後でもフィルターの適用や変更が可能な点だ。従来のスマートフォンでは、撮影時にフィルターを適用すると、そのスタイルが固定されてしまうことが多かった。しかし、Galaxy S25では、撮影後にSamsungの「ギャラリー」アプリを通じてフィルターを自由に変更できる。

これは、フィルターを適用する際にオリジナルの画像データを保持することで実現している。例えば、ある写真を「Amber(琥珀)」のフィルターで撮影した後に、「Chill(冷静)」に変更することもできる。この柔軟性は、撮影後に最適な仕上がりを選びたいユーザーにとって大きなメリットとなるだろう。

一方で、Appleのフォトグラフィックスタイルは撮影後の変更には対応しておらず、適用時にHEIC形式で保存する必要がある。これは、よりオリジナルの色表現を保つという意図があるものの、ユーザーにとっては制約となる場合がある。Samsungのフィルター編集機能が、どれだけ直感的に操作できるかが、実際の使い勝手を左右するポイントとなるだろう。

写真編集の自由度を求めるならSamsung、シンプルさならApple

ここまで見てきたように、SamsungのGalaxy S25シリーズのカメラフィルターは、高いカスタマイズ性と編集の自由度を提供する。一方、Appleのフォトグラフィックスタイルは、シンプルで直感的なスタイル選択が可能である。では、どちらのアプローチが優れているのか。

Samsungのカメラフィルターの強みは、ユーザーが自分好みの写真スタイルを作成し、それを自在に適用・編集できる点にある。特に、AIを活用したフィルター生成機能や撮影後のフィルター変更機能は、写真編集を細かく調整したい人にとって魅力的な要素だ。

対照的に、Appleのフォトグラフィックスタイルは、シンプルなプリセットを提供し、ユーザーが迷うことなく最適なスタイルを選べるようになっている。特に、写真の雰囲気を統一したい場合や、フィルター選択に時間をかけたくない場合には、Appleのアプローチが適しているといえるだろう。

最終的には、どちらを選ぶかは個々のスタイルや好みによる。写真の自由度と細かい調整を求めるならGalaxy S25、シンプルで使いやすさを重視するならiPhoneが適している。Samsungの新しいカメラフィルターが、今後のスマートフォン写真編集のあり方をどう変えていくのか、引き続き注目していきたい。

Source:Android Authority