サムスンはGalaxy S25 Edgeの開発において、2つの異なるプロトタイプを試作していたと報じられている。1つはトリプルカメラを搭載した6.4mm厚のモデル、もう1つは極限まで薄さを追求したデザインのモデルだ。最終的に選ばれたのは後者で、厚さ5.84mmに抑えられた。しかし、この決定により望遠レンズが削除され、バッテリー容量も3,900mAhと小型化される結果となった。
この極薄デザインはGalaxy Unpackedイベントで披露されたが、来場者が実際にデバイスを手にすることはできなかった。当初のリーク情報ではトリプルカメラが搭載されると見られていたが、発表されたモデルには2つのカメラしかない。著名リーカーの情報によると、サムスンは最終的に薄型デザインを優先し、機能面でのトレードオフを選択したという。
バッテリー削減の影響を最小限に抑えるため、サムスンは新型Snapdragon 8 Eliteの電力効率に頼る構えだ。しかし、有線充電は25Wに据え置かれ、ワイヤレス充電の仕様も不明な点が多い。極薄デザインという魅力の裏で、実用面での影響がどこまで及ぶのか、今後の情報に注目が集まる。
極薄デザインがもたらすメリットと犠牲
![](https://tech-gadget.reinforz.co.jp/wp-content/uploads/2024/11/29388533_s.jpg)
Galaxy S25 Edgeの厚さは5.84mmに抑えられ、フラッグシップモデルとしては異例の薄さを実現した。このデザインの最大の利点は、持ちやすさと軽量化にある。手に持った際のフィット感が向上し、ポケットにも収まりやすい。また、金属フレームとガラスパネルを組み合わせたことで、薄型ながら高級感のある仕上がりになっている。
一方で、この極薄デザインの影響でいくつかの機能が削減された。まず、バッテリー容量が3,900mAhに縮小され、長時間の使用に影響を与える可能性がある。特に、6.7インチの120Hz OLEDディスプレイを駆動するには十分な電力管理が求められる。さらに、従来モデルに搭載されていた望遠レンズが削除され、カメラ性能にも影響が出ることが予想される。
サムスンは、新型Snapdragon 8 Eliteの省電力性能を活かすことで、バッテリー持続時間の影響を最小限に抑えようとしている。しかし、近年のスマートフォン市場では、薄型化とバッテリー性能の両立が求められており、ユーザーがどちらを優先するかが今後の評価の分かれ目となるだろう。
望遠レンズの削除が与えるカメラ性能への影響
Galaxy S25 Edgeの最終デザインでは、望遠レンズが削除され、デュアルカメラ構成となった。これにより、光学ズーム機能が失われ、被写体に近づけない撮影シーンでの柔軟性が低下する可能性がある。特に、ポートレート撮影や遠距離の被写体を撮る際には、デジタルズームに頼らざるを得なくなる。
また、従来のGalaxy Sシリーズでは、望遠レンズを活用した高度なAI処理が搭載されていたが、S25 Edgeではその機能がどこまで継承されるのか不透明だ。過去のモデルでは、望遠レンズを活かしたハイブリッドズームやナイトモードの強化が行われていたが、カメラのハードウェア変更により、ソフトウェア処理のみでどこまで補えるかが鍵となる。
一方で、サムスンは広角・超広角カメラの画質向上に注力する可能性がある。新型のイメージセンサーやAI技術の進化によって、デュアルカメラでも十分な撮影性能を維持できる可能性があるため、今後の実機レビューや検証結果が注目される。
充電性能の据え置きがもたらす懸念点
Galaxy S25 Edgeの有線充電は25Wに据え置かれた。これは、ベースモデルのGalaxy S25と同じ仕様であり、ハイエンドモデルとしては控えめなスペックと言える。特に、競合メーカーのフラッグシップモデルが急速充電技術を強化している中で、25Wという充電速度は見劣りする可能性がある。
バッテリー容量が3,900mAhと小型化されたことで、充電速度の重要性が増している。現在、多くのフラッグシップモデルが50W以上の高速充電を採用しており、短時間での充電完了が可能となっている。しかし、S25 Edgeは従来と変わらない充電速度のため、バッテリー消費が早い場合には充電時間の長さが課題となる可能性がある。
ワイヤレス充電に関しては、公式発表がなく詳細が不明な点が多い。従来モデルでは最大15Wのワイヤレス充電がサポートされていたが、S25 Edgeでは薄型デザインの影響でこの仕様が変更される可能性もある。充電技術の進化が求められる中で、サムスンの選択がどのように評価されるのか、今後の発表に注目が集まる。
Source:Android Police