Windows 11では公式サポートを終了していた縦型タスクバーが、スターダック社のアプリ「Start11」により再び利用可能になった。このアップデートでは、タスクバーを画面の左右に配置する機能を実現し、スタートメニューも縦型表示に対応する仕様となっている。

縦型タスクバーの復活は、過去のWindowsバージョンで多くのユーザーに支持されていた特徴であり、特にマイクロソフトのコミュニティやRedditでの要望が高かったことが示唆されている。一方で、マイクロソフトはこの機能の削除を「技術的課題」として説明し、利用者のニーズが少数派であるとする見解を示している。

Start11の登場は、Windows 11が失った機能を補完するだけでなく、他のカスタマイズ機能を提供する第三者アプリの需要が高まりつつある現状を浮き彫りにしている。

縦型タスクバーが削除された背景と技術的課題

Windows 11では、これまで利用可能だった縦型タスクバーが公式にはサポートされなくなった。これについて、マイクロソフトのプロダクト責任者であるタリ・ロス氏は、「タスクバーを異なる位置に移動させることは多くの技術的課題を伴う」と述べている。その中でも特に、アプリケーションが縦型環境に適応する必要がある点が課題として挙げられた。

縦型タスクバーは過去のWindowsで多くの支持を得ていたが、利用者全体の中では少数派であるというマイクロソフトの見解もある。これにより、縦型タスクバーの開発がコストに見合わないと判断された可能性が高い。実際に、同機能が削除されたことについては、Ask Me Anything(AMA)のセッションで説明されている。

しかし、ユーザーの要望が全く無視されたわけではない。マイクロソフトのコミュニティでは縦型タスクバーに関連する投稿が55,000回以上閲覧されており、Redditでも同様の機能が頻繁にリクエストされている。このことから、少数派とされたユーザーの声がいかに熱心であるかが窺える。

スターダック社のStart11がもたらす解決策

スターダック社が提供するアプリ「Start11」は、縦型タスクバーを復活させるだけでなく、さらに柔軟なカスタマイズ機能を搭載している。具体的には、タスクバーを画面の左右に配置できるだけでなく、スタートメニューも縦型に最適化される設計が特徴的だ。このアップデートは、同社のブログ投稿でも大きな注目を集めた。

注目すべきは、Start11のリリースタイミングだ。最近では、他のサードパーティ製アプリがWindows 11で削除された機能を補完する動きが活発化しており、例えば「Calendar Flyout」やメール&カレンダーアプリのクローンなども話題となった。これにより、公式サポートを超える自由度を求めるユーザー層が広がりつつある。

スターダック社の対応は、単なる技術的課題の解決にとどまらず、ユーザー体験の向上という観点からも重要な意義を持つ。この動きは、Windows 11が公式には提供していないカスタマイズ機能に対するニーズが依然として高いことを示している。

縦型タスクバー復活が示すカスタマイズ需要の高まり

縦型タスクバーの復活を目指したStart11のようなアプリの登場は、Windows 11におけるカスタマイズ需要の高まりを象徴している。これまでWindowsの標準機能に頼っていたユーザーが、より自分に合った設定を追求する流れに移行していることが考えられる。

一方で、マイクロソフトはこのような第三者アプリに対して公式なサポートを提供する動きには消極的である。この背景には、公式機能として実装する際のコストや課題が挙げられるが、その一方で市場にはこれを補完するサードパーティ製アプリが次々と登場している。この現象は、デスクトップ環境のカスタマイズを求める熱心なユーザーが確実に存在することを示している。

Start11の事例は、デスクトップ環境におけるユーザー体験の多様性が今後さらに重要視される可能性を示唆している。スターダック社の動きが、他のソフトウェア企業やマイクロソフト自体にどのような影響を与えるか注目されるところである。