Asusは、Intelの最新Lunar Lakeアーキテクチャを採用した「NUC 14 Pro AI」を発表した。最大Core Ultra 9 288V CPUと32GBのLPDDR5Xメモリを搭載可能で、わずか0.6リットルの小型設計を実現している。

グラフィックスは内蔵GPUに依存し、ディスクリートGPUや高速eGPU接続を実現するOCuLinkポートが搭載されていない点が特徴だ。一方で、WiFi 7やThunderbolt 4、2.5G LANなど最新の接続技術を備えており、ストレージは最大2TBまで対応可能である。CES 2025を前に、競争が激化するミニPC市場で注目のモデルとなるだろう。

高性能とコンパクトさの両立がもたらす新たな可能性

Asus NUC 14 Pro AIは、わずか0.6リットルという超小型筐体ながら、最大Core Ultra 9 288Vプロセッサと32GBのLPDDR5Xメモリをサポートしている。特に、最新のLunar Lakeアーキテクチャを採用した点は、このサイズでの高性能化を可能にしており、ミニPCの可能性を広げている。

これまでの小型PCは、省スペース性を優先するあまり、性能や拡張性に制限があった。しかし、このモデルはThunderbolt 4ポートやWiFi 7など最新技術を搭載し、オフィス業務からクリエイティブ作業まで対応できる柔軟性を備えている。一方で、OCuLinkやディスクリートGPUを搭載しない構成により、高いグラフィックス性能を求める用途では課題が残る。

コンパクトでありながら多様な用途に対応する設計は、従来のデスクトップ市場に挑むだけでなく、新しい市場を切り開く可能性を秘めている。小型化と性能の両立が進む中で、ミニPCの未来がどのように進化していくのか注目される。

接続性と拡張性が魅力の一方で残る課題

NUC 14 Pro AIは、デュアルThunderbolt 4やHDMI、USB 3.2 Gen1およびGen2ポートを搭載し、幅広い接続性を提供する。また、WiFi 7やBluetooth 5.4への対応により、無線通信環境も万全である。この豊富な接続オプションは、外部ディスプレイや周辺機器を複数利用するユーザーにとって大きな魅力だ。

一方、拡張性においては、M.2 2280スロットが1つしかなく、ストレージの増設に制約がある。また、ディスクリートGPUが非搭載であることから、高負荷のグラフィックス作業を必要とするユーザーには不向きと言える。この点においては、競合製品のMinisforum UM890 Proが代替案として注目されている。

コンパクトさを優先する中で、このような制約があるのは理解できるが、ユーザーの多様なニーズを満たすためには、さらなる改良の余地があるだろう。

次世代ミニPC市場への影響と競争の行方

Asusの公式発表によると、NUC 14 Pro AIはCES 2025に向けて発表された製品群の一つであり、ミニPC市場のトレンドを反映したモデルである。この市場では、IntelやAMDの最新技術を採用した製品が次々に登場しており、競争が激化している。

特に、次世代モバイルチップの性能向上により、小型フォームファクタでの高性能化が進んでいる。この中で、Asusが早期に製品を投入したことは、市場での優位性を確保する戦略と言える。一方で、グラフィックス性能に特化した競合製品が存在する中で、OCuLinkの非搭載や内蔵GPUのみに依存する点が市場でどのように評価されるかは未知数である。

Asus NUC 14 Pro AIが今後どのような顧客層に受け入れられるのか、その反響次第でミニPC市場の未来が形作られるだろう。この製品が市場に与える影響は、競合企業の戦略にも大きな影響を与えると考えられる。