サムスンはGalaxyスマートフォン向けに、Healthアプリの新機能を今月後半に提供すると発表した。今回のアップデートでは、睡眠環境を分析する「睡眠環境レポート」と、健康管理指標「エナジースコア」の強化が行われる。
「睡眠環境レポート」は、SmartThingsと連携し、室温や湿度、CO2レベルを測定することで、快適な睡眠環境の構築をサポートする機能だ。一方、「エナジースコア」には新たに「アクティビティの一貫性」指標が追加され、過去4週間の活動状況を分析することで、体調管理をより細かく行えるようになる。
睡眠環境を可視化する「睡眠環境レポート」とは

サムスンは今月後半、Healthアプリに「睡眠環境レポート」を導入する。この機能は、SmartThingsとの連携により、室温、湿度、二酸化炭素(CO2)レベルといった環境データを分析し、快適な睡眠のための改善点を提示するものだ。ユーザーの部屋の状態をリアルタイムで測定し、異常があればアプリが通知し対策を提案する仕組みになっている。
特に、温度や湿度は睡眠の質に大きく影響する要素であり、例えば湿度が低すぎると喉の乾燥を招き、逆に高すぎるとカビの発生リスクが高まる。このようなデータを自動で分析し、最適な範囲に保つアドバイスを提供することが、この機能の大きな特長だ。さらに、CO2濃度の変化も検出し、換気が必要なタイミングを知らせることで、より良い睡眠環境を整えるサポートを行う。
この「睡眠環境レポート」は、Galaxy S25シリーズのOne UI 7搭載デバイスが先行対応し、その他のGalaxyスマートフォンは4月以降のアップデートで順次対応予定だ。スマートフォンと連携した環境分析が、日常の睡眠の質をどこまで向上させるか注目される。
「エナジースコア」に新たな指標 体調管理の精度向上へ
サムスンのHealthアプリには、ユーザーの健康状態を数値化する「エナジースコア」という機能が搭載されている。今回のアップデートでは、これに「アクティビティの一貫性」という新たな指標が追加される。これは、過去4週間の運動習慣を分析し、体調や疲労の変化をより正確に把握するためのものだ。
従来のエナジースコアは、睡眠や身体活動、心拍数といったデータをもとに算出されていた。しかし、短期間のデータでは急な変動を反映しにくく、長期的な傾向を知ることが難しかった。新たに「アクティビティの一貫性」が加わることで、日々の生活リズムの乱れや、継続的な運動の効果がより明確に分かるようになる。例えば、一定期間の運動量が減少すると、スコアの変動から体調の変化を察知しやすくなり、早めの対策が可能になる。
このエナジースコアの強化により、Galaxyスマートフォンでもより精密な健康管理ができるようになる。これまでGalaxy Watchでしか利用できなかった機能が、スマートフォンにも拡張されることで、ウェアラブルデバイスを持たないユーザーにとっても健康管理の選択肢が広がる。
睡眠と健康管理の進化 サムスンの狙いとは
今回のアップデートでは、睡眠環境の最適化と健康管理の精度向上が大きなテーマとなっている。特に「睡眠環境レポート」と「エナジースコア」の改善は、ユーザーのライフスタイルに密接に関わる部分だ。
「睡眠環境レポート」は、Galaxy Ringの「睡眠時間ガイダンスレポート」とも共通点が多い。これは、指輪型デバイスで取得したデータをもとに睡眠の質を分析する機能であり、今後のアップデートでGalaxyスマートフォンとの連携が強化される可能性もある。また、「エナジースコア」の進化は、Galaxy Watchにも採用されたウェアラブルデバイス向けの健康管理システムと共通する部分が多く、将来的に両者の統合が進むことも考えられる。
サムスンが睡眠と健康管理を強化する背景には、スマートフォンを単なる通信端末ではなく、日常生活の最適化ツールとして進化させる狙いがある。特に近年、ウェアラブルデバイス市場の成長とともに、健康管理機能のニーズが高まっている。Galaxyシリーズのアップデートは、そのトレンドを意識したものといえるだろう。今後もサムスンの動向に注目が集まりそうだ。
Source:Android Central