折りたたみスマートフォン市場は、新たなプレーヤーの参入により多様化が進み、ユーザーの選択肢が増えたことで活気を帯びてきた。しかし、近年の報告によれば、主要なメーカーの一部がこの分野から撤退する可能性が浮上している。注目を集めるのはOnePlusとOPPOだ。
これらの企業は北米をはじめとする市場において競争を牽引してきたが、2025年には新モデルを投入しない可能性が指摘されている。サムスンやGoogleがこの市場を継続して主導するとみられる中、競争が再び縮小する危機に直面している。
OnePlus初の折りたたみ端末「Open」は、実質的にOPPOのFind N3のリブランド製品であり、両社の密接な関係性を示している。この構造の下で、OPPOとOnePlusが新製品を見送れば、市場全体のダイナミズムが大きく損なわれる可能性がある。特に北米市場において、選択肢の減少が懸念される状況だ。
OnePlus OpenとOPPO Find N3の関係性に見る戦略的提携
OnePlus Openはその登場と同時に北米市場で注目を集めたが、その実態はOPPO Find N3のリブランド製品である。この両ブランドは2021年にハードウェアおよび研究開発チームを統合し、ソフトウェアのコードベースを共有することで、効率的かつ一体的な製品開発を行っている。この構造は両社の製品戦略に多くのメリットをもたらし、開発コスト削減と市場投入の迅速化を可能にしてきた。
一方で、こうした密接な連携は製品の個性を失わせる可能性もある。特に、北米市場におけるOnePlusブランドの独自性は、Find Nシリーズの影響で希薄化しているとの指摘がある。市場は新規参入者を求める声が強いが、結果的に同じ技術やデザインの製品が複数ブランドで展開される状況に陥る危険性がある。
この戦略は短期的には合理的であっても、長期的には市場競争力を低下させる可能性を秘めている。サムスンやGoogleのように独自のアイデンティティを築くことが、競争を維持する鍵となるだろう。
折りたたみスマホ市場の競争縮小がもたらすリスク
折りたたみスマートフォン市場は、近年ようやく競争が活発化し、製品選択肢の多様化が進んでいた。しかし、OPPOとOnePlusが新たな製品投入を控える可能性が浮上したことで、競争環境の再縮小が懸念されている。特に、北米市場ではサムスンが依然として圧倒的なシェアを保持しており、これに対抗する他社の存在感が弱まることで市場の独占化が進む可能性が高まる。
GoogleがPixel Foldで新たな価値を提案しているが、サムスン以外の競合が減少すれば消費者の選択肢は限られ、価格競争も停滞する可能性がある。価格の高止まりや技術革新のペースの鈍化といった課題が生じることが予想される。
さらに、HuaweiやXiaomiといった中国メーカーが国際市場での影響力を強めているものの、これらの製品は米国市場に参入しにくい状況にある。このため、地域による市場格差が拡大する懸念もある。消費者にとって真に有益な競争を維持するためには、サムスンやGoogleに加え、OPPOやOnePlusのような多様なプレーヤーの継続的な参入が不可欠である。
技術革新の停滞を避けるための次なる一手
折りたたみスマートフォン市場の持続的な成長には、単なる新製品のリリースだけでなく、技術革新そのものが求められる。現状では、サムスンが毎年小規模な改良を施しながら製品を継続的にアップデートしている一方で、OPPOやOnePlusが市場撤退を示唆する動きは、革新の勢いを弱めかねない。
こうした中で注目すべきは、新技術の導入や使い勝手の向上に積極的な企業の動向だ。たとえばGoogleのPixel Foldは、独自のヒンジデザインやソフトウェア機能の最適化で差別化を図っている。同様に、競合他社が技術的な挑戦を続けることで、市場全体の成長が促進されるだろう。
しかし、これを実現するには市場環境の安定が不可欠である。撤退の可能性が指摘される企業も、技術開発や特許戦略を維持することで業界全体の基盤を支える役割を果たすべきだ。サムスンやGoogleを筆頭に、多様なプレーヤーが積極的に競争することで、折りたたみスマホ市場はさらに成熟した段階へ進む可能性がある。