Gigabyteが新たに発表した「X3Dターボモード」は、最大35%のCPU性能向上を謳っていたが、実際のパフォーマンスは予想を大きく下回るものであった。Forza Horizon 5でのフレームレート改善がわずか5%にとどまり、他のゲームでも約4〜5%の増加に過ぎないことが明らかになった。

最新のYouTube動画では、具体的な設定内容の詳細は示されていないものの、パフォーマンス向上の数値はGigabyteが初期に示した期待値から大幅に乖離している。Asusも「ターボゲームモード」と称した類似機能を提供しており、これらの新機能がどれほど実用的な性能向上をもたらすかに疑問の声が上がっている。

X3Dターボモードの性能、当初発表との乖離が示す期待値の見直し

Gigabyteが導入したX3Dターボモードに対する高い期待は、ユーザーのテスト結果や追加の発表によって大きく揺らいだ。当初のGigabyteの発表では、マザーボードのBIOSにより最大35%の性能向上が見込まれるとされ、AMDのX3Dプロセッサーや最新のRyzen 9000シリーズが特に恩恵を受けると謳われていた。

しかし、ユーザーによる初期のテスト結果や、GigabyteがYouTubeチャンネルで公開した最新情報では、Forza Horizon 5のようなゲームでのフレームレート改善はわずか5%程度にとどまり、当初の期待を大きく下回る数値が示された。

この乖離には、ユーザーの期待とのズレや、プレスリリース時の性能値に対する信頼性が影響していると考えられる。Gigabyteが発表した当初の大幅な向上値が宣伝要素として強調され、実際の検証や環境に基づく慎重な数値設定が十分でなかった可能性がある。これにより、ユーザーからは当初の発表に対する信頼性について疑問の声も上がっている。

5%未満の性能向上に見る、X3Dターボモードの現実的な効果と限界

Gigabyteが発表した最新のパフォーマンス数値によれば、X3Dターボモードを有効化した場合の性能向上は、Forza Horizon 5やHorizon Zero Dawn、Far Cry 6といった人気ゲームでそれぞれ4〜5%程度にとどまる。

期待に対する結果の乖離が明らかとなったことで、X3Dターボモードにおける「35%」という当初の数値は、特定の条件下でのみ達成される一時的な数値であったのではないかと指摘されている。この現実的な効果は、特定のユーザーにとっては不満を招く結果となりかねないが、一方でこのモードは「1クリックで導入でき、無料で利用可能な性能調整」である点は評価されるべきだろう。

Gigabyteが提供する機能の使い勝手の良さや利便性は、パフォーマンス向上において特定のハードルを設けないため、多くのユーザーにとって実用的である可能性も高い。ただし、宣伝された性能数値が高かったことが一部ユーザーにとって期待外れの印象を与える結果となっているのも事実である。

Asusによる「ターボゲームモード」の登場が示す市場競争の加速

GigabyteのX3Dターボモードが発表される中、同業メーカーAsusも独自の「ターボゲームモード」を提供している。Asusのターボゲームモードは、同時マルチスレッディング(SMT)を無効にし、2つ目のCPUコアチップレットを無効化することで、特定のゲームでのパフォーマンス向上を図るという。

このAsusのモードは、GigabyteのX3Dターボモードと同様に、ゲームに特化した設定によってユーザーの体感パフォーマンス向上を目指している。このような機能の登場は、ゲームや処理の最適化を求める消費者層へのアプローチとして、競争が激化していることを示している。

GigabyteとAsusの両社が異なる技術や設定の提供を進めていることは、消費者にとって選択肢の広がりを意味するが、一方で実際のパフォーマンス改善の幅が限定的である場合、どの程度実用的かを慎重に判断する必要がある。