Valveが提供するSteamの「ゲーム録画機能」がベータ版を経て、ついに全ユーザー向けに正式リリースされた。この新機能は、ゲーム中のプレイを最大120分間バックグラウンドで録画し、必要なシーンだけを後から保存することができる点が特徴だ。
録画はAMDやNvidiaのGPUエンコード機能に対応しており、パフォーマンスへの影響を抑えつつ高画質な映像を保存できる。さらに、開発者が特定イベントにマーカーを追加することで重要な場面へのアクセスも容易にするなど、コンテンツ制作の効率を大幅に向上させる機能が実装された。
ゲーム内パフォーマンスの影響や、ストリーミング機能の統合が今後の課題として残るが、この機能はPCゲーマーに新たな録画体験をもたらすものと言える。
Steamが提供する録画機能の特徴と利便性
Steamのゲーム録画機能は、コンテンツ制作に特化した便利なツールとして注目を集めている。Valveは、ゲーム中のプレイをバックグラウンドで最大120分間記録し、ユーザーが重要なシーンを後から保存できる機能を搭載した。
この機能はAMDやNvidiaのGPUエンコード機能を利用しており、通常の録画ソフトウェアと比較してPCのパフォーマンスに与える影響が少なく、ゲーマーにとって大きな利便性をもたらしている。加えて、「オンデマンド録画」モードでは、手動で録画の開始と停止を制御できるため、特定のシーンのみを精確に録画したいというクリエイターの要望にも応える設計となっている。
特筆すべきは、ゲーム開発者がAPIを利用してボス戦など特定のイベントにマーカーを設定できる点である。これにより、録画した映像内で必要なシーンを容易に見つけ出せるようになり、編集作業の効率が飛躍的に向上することが期待される。
このように、Steamの録画機能はPCゲーマーにとって、ただの録画機能を超えた高機能なツールとしての価値を持ち始めている。
パフォーマンスへの影響とその対策
Steamの新しい録画機能は便利である一方、特に性能の低いPCや携帯型ゲームPCにおいては、ゲームのパフォーマンスに一定の影響が出る可能性がある。これは、録画機能がCPUにも対応しているためで、GPUを搭載していないPCや低スペックの環境では、録画機能が負荷を増大させる可能性があるためだ。
これに対し、Valveはユーザーが画質を下げて録画できるオプションを提供しており、この設定によりパフォーマンスへの影響を抑えつつ録画が可能となる。また、ビットレートやプリセット画質設定の選択肢も用意されており、ユーザーは自身のPC環境に応じて最適な設定を選ぶことができる。
公式メディアのVideoCardzも報じているように、この機能はクリエイティブなコンテンツ制作を支える一方で、PCのパフォーマンスに対する理解と調整が必要不可欠である。ゲームプレイのスムーズさを確保しつつ録画機能を使いこなすには、設定の最適化が鍵となる。
将来的なストリーミング機能統合への期待
現在、Steamのゲーム録画機能は録画に特化しているが、ユーザーからはストリーミング機能の統合も期待されている。特に、OBS StudioやStreamLabsといった既存のストリーミングツールでは、ゲームの録画と同時にYouTubeやTwitchといったプラットフォームへリアルタイム配信が可能であるため、Steamにおいてもストリーミング機能の実装が求められる背景がある。
現時点では、Valveはストリーミング機能の統合を発表していないが、今後のアップデートで配信機能を追加する可能性があれば、Discordなどの競合サービスとも直接的に競争できるプラットフォームとなり得るだろう。
既にゲーム録画機能が整備されたSteamが、もしもストリーミング機能を実装すれば、ゲーマーにとって新たな選択肢となり、他のプラットフォームからの移行も加速する可能性がある。このような展開が実現すれば、PCゲーマーのコンテンツ制作と配信のエコシステムは一層の進化を遂げるだろう。