これまで、iPhoneは中古市場での価値が高く維持されることが大きな強みだった。しかし、最新の調査ではiPhoneの価値が年々減少していることが示されている。特に、iPhone 12以降のモデルでは価値の減少率が顕著だ。

一方で、サムスンのGalaxyシリーズは、従来よりも価値を維持しやすくなっているというデータもある。

iPhoneの価値下落傾向:iPhone 12以降のデータ

iPhoneはこれまで中古市場で非常に高い価値を維持してきたが、iPhone 12以降のモデルではその価値が急速に下落している。SellCellの調査によれば、iPhone 12シリーズは発売から12か月後に43.8%の価値減少を記録しているが、iPhone 13シリーズでは46.2%、iPhone 14シリーズでは47.7%、そして最新のiPhone 15シリーズでは48.2%と、徐々に減少幅が拡大している。

このデータからは、各モデルが登場するごとに価値の下落スピードが加速していることが確認できる。iPhoneの価値がこれまで優位に立っていた理由の一つは、そのブランド力と機能性の高さだが、この傾向は変わりつつある。特にiPhone 16シリーズの初動データでは、発売後の最初の2週間で、前年モデルのiPhone 15よりも8%早く価値が下落していることが報告されている。

このような状況は、iPhoneユーザーにとって少なからず衝撃的であり、これまでiPhoneを選び続けていたユーザーの中には、価値の低下を理由に他のブランドへ乗り換える決断をする者も増える可能性がある。

サムスンの逆襲:Galaxyシリーズの価値向上

一方、サムスンのGalaxyシリーズは異なる傾向を示している。かつてはiPhoneに比べて価値が落ちやすいとされていたが、近年のデータではその評価が変わりつつある。SellCellの調査では、サムスンのGalaxy S22シリーズは発売後1年間で66.7%の価値を失ったが、後継モデルのGalaxy S23シリーズは61.1%の減少にとどまっている。

さらに、最新のGalaxy S24シリーズは発売後6か月時点での価値減少がS23シリーズよりも3.7%少なく、今後の1年間での価値維持がさらに期待されている。これは、サムスンが着実に価値維持に成功していることを示すものであり、iPhoneとの差を徐々に縮めていることが明らかである。

このように、サムスンの高価格帯スマートフォンが価値をより長期間維持できるようになったことは、iPhone一強時代の終わりを告げる可能性がある。今後、iPhoneとGalaxyの価値競争はさらに激化していくだろう。

支持の要因:サムスンの長期サポート戦略

サムスンが近年、スマートフォンの価値を維持することに成功している背景には、ソフトウェアアップデートの長期サポートがある。かつてはAppleが最長のサポート期間を提供していたが、現在ではサムスンがより長い期間にわたってアップデートを保証している。特に、最新の高価格帯モデルでは最大7年間のアップデートが提供されるようになった。

これは、ユーザーにとって非常に魅力的な要素であり、長期にわたって安心して端末を使用できることが、価値維持の一因となっている。一方、Appleはここ数年でサポート期間が短縮されつつあり、これが中古市場での価値減少に影響を与えている可能性がある。

また、サムスンはスマートフォンの製品ラインにおいて、バリエーションを増やしつつも、各モデルに明確な価値を持たせる戦略を取っている。これにより、特定の機能や性能を重視するユーザーに対しても適切な選択肢を提供できている点が、支持を集めている理由といえる。

Appleの対応策と今後の展望

このままではiPhoneの中古市場での価値がサムスンに追い抜かれる可能性がある中、Appleにとっては何らかの対応策が求められている。その一つとして考えられるのが、サポート期間の延長である。現在、iPhoneのサポート期間はサムスンに比べて短く、これが一因となって価値が急速に下落している。

さらに、iPhone 17以降のモデルで、より大きな技術的進化や新機能の導入が期待されている。近年、iPhoneの新モデルは「退屈なアップグレード」と評価されることが増えており、ユーザーが購入に消極的になる一因となっている。これに対し、Appleが大胆な技術革新を打ち出すことで、価値の下落を防ぐと同時に、新たなユーザー層の獲得にもつながる可能性がある。

いずれにせよ、Appleがどのような戦略を取るかが、今後数年のスマートフォン市場の動向を大きく左右することになるだろう。