MediaTekは新たなモバイル向けチップセットDimensity 6400を発表した。これを搭載する最初のスマートフォンとして、Realme P3x 5Gが間もなく正式に発表される。しかし、この新プロセッサの詳細を確認すると、前モデルDimensity 6300との違いは最小限にとどまっている。

例えば、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.2、UFS 2.2ストレージ対応といった基本仕様は据え置き。最大FHD+解像度の120Hzディスプレイや、LPDDR4Xメモリのサポートも変わらない。唯一の主な変更点は、デュアルArm Cortex-A76コアの動作クロックが2.4GHzから2.5GHzにわずかに向上した点だ。しかし、6つのCortex-A55コアのクロックは依然として2.0GHzのままである。

さらに、MediaTekが強調する「より高速な5G」についても、最大ダウンロード速度3.3Gbpsという点でDimensity 6300と変わらない。このことから、実際のパフォーマンス向上よりも、コストパフォーマンスや消費電力の最適化が主な目的と考えられる。

Realme P3x 5Gは、明日(2月18日)正式発表される予定だが、すでにAmazon.inで販売中のRealme 14x(Dimensity 6300搭載モデル)とほぼ同じ仕様である可能性もある。新チップを搭載したことで、どの程度の違いがあるのか、実際の発表内容に注目が集まる。

Dimensity 6400の実態 前世代との差はどこにあるのか

Dimensity 6400は、新世代のSoCとして発表されたが、実際にはDimensity 6300との違いはわずかである。最も目立つ変更点は、Cortex-A76コアのクロック速度が2.4GHzから2.5GHzに引き上げられたことだ。しかし、これはごく小規模な性能向上にとどまり、GPUであるArm Mali-G57や6つのCortex-A55コア(2.0GHz)などの基本仕様は据え置かれている。

メモリとストレージの規格も前世代と変わらず、LPDDR4X 2133MHzメモリとUFS 2.2ストレージに対応している。ディスプレイの仕様も同じで、最大FHD+解像度と120Hzのリフレッシュレートをサポート。Wi-Fi 5やBluetooth 5.2などの通信機能も、前モデルと変わらない。

さらに、MediaTekは「より高速な5G接続」をアピールしているが、グローバルのSA(スタンドアロン)およびNSA(ノンスタンドアロン)ネットワークにおける最大ダウンロード速度は3.3Gbpsで、Dimensity 6300と変わらない。このことから、新型SoCとしての特筆すべき進化は少なく、実際には改良版というよりも、オーバークロック版という表現がより適切かもしれない。

Realme P3x 5Gは本当に新機種なのか 過去モデルとの類似点を検証

Realme P3x 5GはDimensity 6400を搭載した最初のスマートフォンとして間もなく発表されるが、その仕様を詳しく見ると、既存モデルであるRealme 14xと非常に類似していることが分かる。特に、Amazon.inで販売中のRealme 14xはDimensity 6300を搭載しており、見た目やスペック面でP3xと大きな違いがない可能性がある。

実際、Realme P3x 5Gはディスプレイやメモリ仕様もほぼ同一と見られ、異なるのはプロセッサのわずかなクロック向上にとどまる可能性が高い。つまり、P3xはRealme 14xのマイナーチェンジモデルであり、名称を変更しただけの新機種に近い立ち位置といえる。

こうした手法は、メーカーが市場での販売戦略を強化するためによく採用するものだ。しかし、ユーザーにとっての実際の使用感がどれほど向上しているのかは未知数である。発表後の詳細なレビューで、どの程度の差があるのかが明らかになるだろう。

Dimensity 6400の意義 市場における立ち位置を考察

Dimensity 6400は、従来のミッドレンジ向けチップセットであるDimensity 6300をベースに、わずかなクロック向上を施したバージョンといえる。性能の向上幅が限られていることを考えると、これはコスト削減や製造プロセスの最適化を目的とした改良版という位置づけにあると考えられる。

このような小幅なアップデートを行う背景には、スマートフォン市場の競争激化がある。特にミッドレンジ市場では、価格を抑えながらも「新モデル」として打ち出せる製品が求められる傾向にあり、MediaTekもその流れに沿っているといえる。

一方で、ユーザー視点では、前世代との実際の違いが少ないため、買い替えの動機としてはやや弱い印象を受ける。ただし、最適化が進んでいる可能性もあり、発熱や電力効率の改善など、目に見えにくい部分での向上があるかもしれない。その真価は、今後のベンチマークテストや実機レビューで明らかになるだろう。

Source:NotebookCheck