Intelの新しいデスクトップCPU「Core Ultra 9 285K」が、PassMarkのシングルスレッドベンチマークで5,268ポイントを記録し、首位に立った。
このCPUは24コアを搭載し、AppleのM3やAMDのRyzen 9 9950Xを上回る性能を発揮している。
しかし、ハイパースレッディングのサポートがないため、マルチスレッド性能では競合他社に大きく劣る結果となった。
Core Ultra 9 285K、シングルスレッドで5,000ポイント突破
Intelの次世代CPU「Core Ultra 9 285K」が、PassMarkのシングルスレッド性能ベンチマークで5,000ポイントを超えた。この24コアCPUは、8つの高性能「Lion Cove」コアと16の効率重視の「Skymont」コアで構成され、全体的なアーキテクチャの進化を感じさせる結果となっている。
特にシングルスレッドの性能向上は顕著で、5,268ポイントを記録。これは前世代のCore i9 14900Kの4,743ポイントを大きく上回る数値であり、性能差が明確だ。AppleのM3やAMDのRyzen 9 9950Xも追随できず、それぞれ4,777ポイントと4,739ポイントに留まっている。新しいIntelのデスクトップCPUは、この分野で明らかな優位性を見せつけた。
シングルスレッド性能が重要なアプリケーションにおいて、この結果は注目に値する。特にゲームや一部の業務用アプリケーションでは、依然としてシングルスレッドのパフォーマンスが重要な役割を果たしており、Core Ultra 9 285Kの登場はさらなる期待を寄せることになるだろう。
AMD Ryzen 9やApple M3を抑えて首位獲得
Core Ultra 9 285Kは、競合のAMD Ryzen 9 9950XやAppleのM3をシングルスレッド性能で凌駕した。特にPassMarkのベンチマークでは、AMDの最新フラッグシップモデルであるRyzen 9 9950Xが4,739ポイント、AppleのM3が4,777ポイントと、それぞれが非常に高いスコアを記録しているが、Intelの新CPUはこれらを超えてトップに立った。
この結果は、Intelが高性能なデスクトップCPU市場で依然として競争力を持っていることを示している。特にシングルスレッド性能は、ユーザーエクスペリエンスや一部の特殊なアプリケーションで大きな差を生む要因となる。高性能なシングルスレッドを必要とする分野において、Core Ultra 9 285Kの登場は歓迎されるに違いない。
もちろん、シングルスレッド性能だけで全体の優位性を語ることはできないが、今回の結果は明らかにIntelの技術的進歩を示している。競合に対して先行したことは、次世代プロセッサへの期待をさらに高めるだろう。
マルチスレッド性能では競合に遅れを取る
シングルスレッド性能で驚異的な結果を見せたCore Ultra 9 285Kだが、マルチスレッド性能においてはその勢いを維持できなかった。PassMarkのマルチスレッドベンチマークでの結果は46,872ポイントにとどまり、競合他社と比較すると大きく遅れを取っている。
特にRyzen 9 9950Xは66,702ポイントを記録しており、Core Ultra 9 285Kに対して約20,000ポイントもの差をつけた。同様に、前世代のIntel Core i9 14900Kですら60,305ポイントを達成しており、新型モデルがこれを下回っている点は注目すべきである。
この大きな差の一因は、Core Ultra 9 285Kがハイパースレッディングをサポートしていないことにある。これにより、マルチスレッド処理での効率が低下しているが、それは特定のタスクにおいては大きな問題とはならないだろう。とはいえ、マルチスレッドが求められる作業では、競合他社の方が依然として有利であることは否定できない。
最終製品でさらなる性能向上の可能性も
現在のベンチマーク結果は、Core Ultra 9 285Kの最終製品ではなく、開発段階のサンプルに基づいたものであるため、最終的な製品ではさらなる性能向上が期待される。特に、Intel内部の情報筋によれば、最終的な製品ではシングルスレッド性能がさらに13〜15%向上する可能性があるという。
PassMarkの現在の結果では、11%の性能向上が確認されているが、最終的な調整や最適化によってこれを上回るパフォーマンスが実現される可能性がある。最終製品では、実際の使用環境や条件によって性能が異なるため、あくまで現時点の数値は参考値に過ぎない。
もちろん、競合製品も同様に進化を遂げることが予想されるが、Intelが市場に送り出す最終的なバージョンのCore Ultra 9 285Kは、さらに高い期待を持って迎えられるだろう。最終的なリリース後の評価がどうなるかが、真の実力を決める鍵となる。