Appleは、iOS 18のリリースを発表し、多くの新機能をiPhoneユーザーに提供する。AIを活用したApple Intelligenceが、ユーザー体験を革新する中心的な要素となっているが、それだけではない。iOS 18は、コントロールセンターの完全カスタマイズやパスワード管理機能の強化、そしてメッセージアプリやApple Notesのアップデートも含まれている。

Apple IntelligenceによるAI機能の革新

iOS 18の最大の特徴は、Appleが提供するAI機能「Apple Intelligence」である。この機能は、主にデバイス上で動作し、プライバシーを確保しながらユーザー体験を向上させる。具体的には、テキスト生成やリライト、校正機能があり、ユーザーの入力に対してより柔軟に応答する。また、通知の優先度を自動で判断し、重要なものを上位に表示する「Priority Notifications」も搭載されている。

さらに、AIを使った電話の録音やその文字起こし、画像生成機能も備えており、ユーザーがテキストから直接画像を作成することも可能だ。この他にも、写真の背景から不要な要素を削除する「Clean Up」機能がGoogleの「Magic Eraser」に似た役割を果たす。これにより、簡単に画像のクオリティを向上させることができる。Apple Intelligenceは、iPhone 16シリーズおよびiPhone 15 Proモデルに最適化されており、旧型のiPhoneでは一部機能が制限される点に留意が必要である。

パスワード管理アプリの刷新

iOS 18では、Appleのパスワード管理機能が大幅に強化された。従来のパスワード管理ツールが専用アプリ「Passwords」として独立し、iPhoneだけでなく、iCloudを通じてWindowsでも利用可能になっている。このアプリでは、パスワードやパスキーの安全な保管ができるだけでなく、Wi-FiパスワードをQRコードで簡単に共有する機能も追加されている。

また、この新しいパスワード管理アプリは、他のAppleデバイスともシームレスに同期し、すべてのログイン情報を一元管理できる。セキュリティの面でも強化が図られており、パスワード漏洩の危険を減らすための暗号化がさらに強固になった。Appleは、この機能を通じて、ユーザーのデータ保護を最優先に考え、利便性とセキュリティの両立を実現している。

カスタマイズ可能なコントロールセンターとホーム画面

iOS 18では、コントロールセンターが完全にカスタマイズ可能となった。これにより、ユーザーは頻繁に使用する機能を簡単に配置変更し、必要のない機能を削除できるようになった。これまでのiOSバージョンでは一部の機能は固定されていたが、今回のアップデートではそれも解消された。特に、よく使う操作を親指で届く位置に配置できる点は、多くのユーザーにとって便利である。

さらに、ホーム画面のカスタマイズも強化されている。アプリを画面上のどの位置にも自由に配置できるようになり、これまでにない柔軟なレイアウトが可能になった。例えば、壁紙を強調するためにアプリを下半分に集めるなど、Androidのような自由なホーム画面デザインが楽しめる。また、アプリアイコンを壁紙に合わせて色調を変更することも可能で、より一体感のあるデザインを実現できる。

メッセージやApple Notesの新機能

iOS 18では、メッセージアプリも大幅に改善され、Androidユーザーとのメッセージ送受信がよりスムーズになった。特に、RCS(リッチコミュニケーションサービス)に対応したことで、より高画質な画像やビデオの送信が可能となり、グループチャットも問題なく機能するようになった。さらに、メッセージ送信のスケジュール設定機能が追加され、特定の時間にメッセージを送ることができる。

Apple Notesもアップデートされ、基本的な計算機能が組み込まれたため、簡単な数値計算や経費の管理が可能になった。さらに、音声メモの録音や、Apple Intelligenceを搭載したデバイスではその音声を自動で文字起こしする機能も利用できるようになった。長文のノートを整理するためのセクション折りたたみ機能も追加され、より効率的にメモを管理できるようになっている。