Appleが自社のAIプラットフォーム「Apple Intelligence」を10月にリリースすることを発表した。iOS 18.1、iPadOS 18.1、macOS Sequoia 15.1のアップデートにより、最新のiPhone、iPad、MacでこのAI機能が利用可能となる。ただし、現時点での対応言語は米国英語のみであり、日本語を含む他言語対応は来年以降となる見込みだ。
「Apple Intelligence」がもたらす新機能には、テキストのリライトや写真のバックグラウンド除去など、さまざまな用途に応じたAIツールが含まれており、Apple製品の利用体験を大きく変えることが期待される。
「Apple Intelligence」とは?対応デバイスと導入時期
Appleが新たに導入する「Apple Intelligence」は、iOS 18.1、iPadOS 18.1、macOS Sequoia 15.1のアップデートとともに10月に登場する。このAIプラットフォームは、最新のiPhone 15 Proや次期iPhone 16モデル、Mシリーズチップ搭載のMacBookやiPadといったハイパフォーマンスデバイスに限定されている。つまり、古い機種では利用できないため、最新モデルへのアップグレードが必要だ。
最初の対応言語は米国英語のみであり、その他の英語圏への対応は12月に予定されている。一方、日本語、中国語、フランス語、スペイン語といった他言語への対応は2024年になる見込みである。これにより、非英語圏ユーザーは最新のAI機能を待つ必要があるが、Appleが持つ高い技術力に期待が集まる。Apple Intelligenceは、Appleの各デバイス間でより自然な操作感を提供し、これまでにないシームレスなユーザー体験を実現するだろう。
注目機能:執筆支援や写真編集まで幅広くサポート
Apple Intelligenceの注目すべき機能の一つは「Writing Tools」である。メール、ノート、Pages、さらにはサードパーティアプリ内でも、テキストのリライトや校正、要約が可能になる。この機能はライティングの効率化に役立ち、ビジネスや個人利用の両面で活躍するだろう。また、「Memories」機能を使えば、写真アプリ内で求める画像を自然言語で検索したり、簡単にムービーを作成したりすることができる。
画像編集においては「Clean Up」ツールが特に便利で、写真内の不要な背景オブジェクトを傷つけずに除去できる機能を持つ。さらに、オーディオの録音、書き起こし、要約を行うツールもあり、電話中の録音から会話のサマリーを自動生成することも可能だ。これらの機能により、Apple製品の使い方が一段と広がり、ユーザーは日々の作業をより簡単にこなせるようになる。
Siriの進化と今後追加予定のAI機能
Apple IntelligenceはSiriの進化にも大きな影響を与える。AI技術の向上により、Siriはユーザーの問いかけをより自然に理解し、会話の流れを追うことができるようになる。たとえユーザーが言葉を詰まらせたり、テキストと音声を切り替えたりしても、スムーズに意図を汲み取ることが可能となる。この改善により、Siriはよりパーソナルなデジタルアシスタントとして活躍することが期待される。
今後、Appleはさらに多くのAI機能を数ヶ月以内にリリース予定である。例えば、空いたスペースに文脈を基にした画像を生成する機能や、ユーザーの入力に基づいてオリジナルの絵文字「Genmoji」を作成する機能などが挙げられる。これらの新機能は、ユーザーのクリエイティビティを支援し、より楽しいApple製品の利用体験を提供するだろう。
日本語対応はいつ?今後の展望と課題
現在、「Apple Intelligence」は米国英語のみに対応しており、英語圏以外のユーザーは2024年以降の対応を待つ必要がある。日本語対応はまだ先の話だが、Appleは他言語サポートの拡大を公表しているため、今後のアップデートでの実装が期待される。ただし、言語処理における文化的なニュアンスや複雑さから、完璧な対応には時間がかかる可能性がある。
また、日本市場におけるAIの利用状況や消費者の反応を踏まえたローカライズが求められる点も課題だ。Appleはすでに高い技術力を持っているが、他言語への対応スピードや品質が競合に対してどのように差別化できるかが問われる。日本語対応が実現すれば、Apple Intelligenceは日本のユーザーにも新たな価値を提供し、さらなる市場拡大が期待される。