Oppoは近年、Androidスマートフォン市場において高い競争力を誇るメーカーとして台頭している。新たにリリースされたReno12シリーズは、性能と価格のバランスを追求したモデルである。本記事では、Reno12とReno12 Proのデザインや性能、カメラ機能を中心にレビューを行い、その価格に見合った価値を持つかを検証する。

デザインとビルドクオリティの特徴

Oppo Reno12とReno12 Proのデザインは、一見するとほとんど同じに見えるが、細部にいくつかの違いがある。両モデルともにプラスチック製の背面パネルを採用しており、マットな仕上がりが特徴的だ。カラーオプションにはネビュラブラックとアストロシルバーがあり、特にアストロシルバーは白に近い色合いを持つ。

Reno12はスリムなデザインで、前面と背面のパネルがフレームに向かって緩やかにカーブしており、持ちやすい形状になっている。一方、Reno12 Proはフレームが平坦でやや広めであり、しっかりとした感触を好むユーザーに向いている。両モデルともIP65規格に準拠しており、防塵・防水性能を備えているため、現代のスマートフォンに欠かせない機能が搭載されている。

全体的なデザインは、現在のミッドレンジ市場で主流となっている「壊れていないなら直すな」という流れに乗った形で、機能性を重視している。手にした感触としてはプレミアムな質感に欠ける部分があるが、価格帯を考慮すれば妥当なトレードオフである。

ディスプレイとオーディオ性能

Oppo Reno12とReno12 Proは、どちらも6.7インチのAMOLEDディスプレイを搭載しており、解像度は1080p、リフレッシュレートは120Hzである。非ProモデルはGorilla Glass 7i、Proモデルはより耐久性の高いGorilla Glass Victus 2を採用しているが、実際の使用感ではほとんど違いを感じない。

120Hzのリフレッシュレートは、特に低価格帯のデバイスでは不満が出やすいスクロール操作を滑らかにし、反応の良さが感じられる。スクロール時の遅延は全くなく、この価格帯でこれだけの性能が実現されているのは驚きである。

オーディオ面では、両モデルともステレオスピーカーを搭載しており、音量は十分である。ただし、低音が強いトラックでは音がこもりがちであり、高音量では音質がやや落ちることがある。多くのユーザーはヘッドフォンを使うことが多いだろうが、動画視聴などにはスピーカーで十分対応できる性能を持っている。

パフォーマンスとバッテリー持続時間

Oppo Reno12とReno12 ProはどちらもMediaTek Dimensity 7300チップセットを搭載しており、日常的なタスクにおいては十分な性能を発揮する。ミッドレンジ向けのチップセットであるにもかかわらず、動作が重く感じることはほとんどない。

バッテリー性能も非常に優れており、5000mAhの大容量バッテリーにより、1回の充電で15時間の使用が可能である。さらに、Oppoの80W SuperVOOC充電技術により、30分で67%まで充電でき、約45分でフル充電が完了する。忙しい日でも信頼できるバッテリーパフォーマンスが強みとなっている。

全体的に、Reno12シリーズは、ミッドレンジでありながら、パフォーマンスとバッテリー寿命の両面で非常にバランスの取れたモデルである。日常の使用で不満を感じることはほとんどなく、この価格帯でこれほどの持続時間を持つスマートフォンは非常に魅力的である。

カメラ性能と価格のバリュー

カメラは、現代のスマートフォンで最も注目される機能の一つであり、Reno12とReno12 Proの両モデルともに優れたカメラ機能を持っている。Reno12には50MPのメインカメラ、8MPの超広角レンズ、2MPのマクロセンサー、32MPのフロントカメラが搭載されている。

Reno12 Proでは、メインカメラとセルフィーカメラが50MPに強化され、さらに50MPの2倍ズーム対応テレフォトカメラが追加されている。これにより、より多様な撮影シーンに対応でき、価格差に見合ったカメラ性能の向上が実現している。

Proモデルは、カメラのズーム機能やセルフィーカメラの性能が大幅に向上しており、特に写真を重視するユーザーにとっては、その価格差を正当化するに十分な価値がある。Reno12シリーズは、カメラ性能と価格のバランスを考えた際に、非常に優れた選択肢となるだろう。