Intelの未発表モバイルプロセッサ「Intel Core Ultra 5 225H」がGeekbenchベンチマークテストに登場し、従来モデル「125H」に対しシングルコアで13.5%、マルチコアで7.5%の性能向上を示した。
この225Hモデルは、4つのパフォーマンスコア、8つの効率コア、2つのLPEコアを備え、最大5GHzのクロック速度に達することが確認されている。28Wの低TDPも特徴で、テストにはWindows 11搭載のSamsungデバイスが使用された。
このベンチマーク結果により、Intelの次世代「Arrow Lake」モバイルシリーズの潜在力が一部明らかになり、軽量ノートパソコン市場での競争が激化する可能性がある。前世代の「Meteor Lake」シリーズを継ぐ形で、消費者はさらなるパフォーマンスと効率性の向上に期待を寄せている。
Core Ultra 5 225Hの新設計とベンチマーク結果が示す性能の進化
Intel Core Ultra 5 225Hは、合計14コアという多様な構成を持つことで、パフォーマンスの向上と効率のバランスが取られている点が特徴である。具体的には、4つのパフォーマンスコア、8つの効率コア、さらに2つのLPE(Low Power Efficiency)コアが搭載されており、これにより通常の作業から負荷のかかる処理まで幅広く対応する設計がされている。
LPEコアが追加されていることで、省電力を維持しつつも高負荷時にはパフォーマンスを最大化できる可能性がある。この設計は、ノートパソコンなどのモバイルデバイスにおいて特に重要で、軽量化とバッテリー持続時間の改善が期待されている。
今回のGeekbenchベンチマークによる結果は、Windows 11を搭載したSamsung製デバイスでテストされたものであり、シングルコアで2,547ポイント、マルチコアで12,448ポイントを記録した。このスコアは前モデルと比較してシングルコア性能が13.5%向上しており、モバイル向けにおけるインテルの技術的進化を示している。
特に、低いTDPである28Wを維持しながら高いパフォーマンスを実現する設計が、軽量ノートPC市場での競争をさらに激化させるだろう。
Core Ultra 5 225Hの設計と軽量デバイスへの影響
IntelはArrow Lakeアーキテクチャを基盤に、新たなCore Ultra 200Hシリーズを開発している。今回の225Hは、このシリーズのなかで最もエントリーレベルに位置づけられているが、効率性と性能のバランスを追求した設計が施されている点が注目される。
低TDPの28W設計と最大5GHzのクロック速度の両立は、消費電力を抑えつつも、マルチタスクや負荷の高い作業に対しても対応できる実力を示唆している。特に、軽量ノートPCでは、省エネ性能が重要な要素であり、このプロセッサの採用によりバッテリー寿命の延長や持ち運びしやすい小型デバイスの可能性が拡大する。
また、Intelが最近発表した「Lunar Lake」シリーズが統合グラフィックスでの性能向上を実現している点も、今後のモバイルプロセッサへの期待を高めている。Core Ultra 5 225Hが将来的に軽量デバイスで広く活用されれば、ゲーミングやクリエイティブな用途での快適な操作が実現し、ノートPCの性能基準をさらに引き上げる可能性があるだろう。
Intelの競争戦略と今後のモバイル市場への影響
IntelはCore Ultraシリーズを発展させることで、AMDやAppleのモバイルプロセッサとの競争を強化している。PC Guideによると、Intelは性能向上だけでなく省電力設計も重視しており、これが同社のモバイル市場における競争力を支えている。今回の225Hのテスト結果からも、競合製品と差別化を図るためのインテルの方向性が見て取れる。
AMDは近年「Ryzen」シリーズでゲーミングやクリエイティブ向けに優れたプロセッサを提供している一方、Appleも独自のMシリーズで省電力かつ高性能なプロセッサを発表しているため、Intelにとっては技術面での迅速な革新が求められている。
今後、IntelがArrow LakeやLunar Lakeといった次世代アーキテクチャをどのように進化させ、消費者のニーズに応えていくかが市場の焦点となるだろう。モバイル市場における省電力性能の競争が激化するなか、Intelの取り組みが一段と重要な役割を果たし、ユーザーにとってより多様で高品質な選択肢が増えることが予想される。