PICOは最新のMRデバイス「PICO 4 Ultra」を9月20日に発売する。
このデバイスは、AppleのVision Proに類似した生産性向上ツールを搭載し、
Meta Connect 2024直前に市場に投入されることで注目を集めている。

PICO 4 Ultraは仮想モニターを現実世界の環境に配置し、
カスタマイズ可能な没入型のワークスペースを実現するPanoScreen Workspaceを提供する。
この機能は、特にビジネスや教育、医療分野での応用が期待されている。

PICO 4 Ultra、Meta Connect ’24直前にデビュー

PICOは、AppleのVision Proに対抗する新しいMRデバイス「PICO 4 Ultra」を9月20日にリリースする。このデバイスは、Metaが開催するMeta Connect 2024の直前に発売される予定で、注目を集めている。PICOは今回の発表で、MRヘッドセット市場での地位を強化し、特にプロフェッショナルユーザー向けの機能に焦点を当てていることを示した。

PICO 4 Ultraは、特にヨーロッパを中心に出荷され、ドイツ、フランス、イタリアなど主要な欧州諸国をはじめ、北米やオーストラリアなどの市場にも対応する。価格は£529で、追加のモーショントラッカーは£79と設定されている。PICOは今回のデバイスを単なるガジェットではなく、実務的な生産性ツールとして位置づけており、企業や教育、医療分野での導入を見込んでいる。

PICOは、今回のリリースにより、AppleやMetaに対抗するための技術力と市場展開力を示し、XR市場での競争力を高めることを目指している。特に、デバイスの軽量化や操作性の向上により、長時間の使用にも適した設計となっていることが強みであり、今後のユーザー層拡大が期待されている。

PanoScreen Workspaceで新たな生産性ツールを提供

PICO 4 Ultraには、PanoScreen Workspaceという生産性向上ツールが搭載されている。この機能は、仮想モニターをユーザーの現実の空間に重ね合わせ、マルチタスクをサポートする没入型のワークスペースを構築するものだ。ユーザーは仮想モニターのサイズや配置を自由にカスタマイズでき、自身のワークフローに最適な環境を構築できる点が特徴である。

PanoScreen Workspaceは、完全に没入できる仮想作業環境と、周囲の状況を把握しながら作業できる拡張現実ビジュアライゼーションのどちらも選択できる柔軟な機能を持っている。この機能は特に、集中したいときには仮想空間を、リアルタイムの情報が必要なときには現実との融合を使い分けることができる。これにより、プロフェッショナルな環境での長時間作業にも対応可能だ。

また、PICOは独自の環境認識アルゴリズムを搭載しており、仮想モニターの表示精度や操作性を向上させている。この技術により、ユーザーはリアルタイムでより正確な環境認識を活用でき、現実空間とのシームレスなインタラクションが可能となっている。このような機能は、従来のデバイスにはなかった新たな生産性ツールとして、今後のオフィスワークに革新をもたらすと期待される。

空間録画機能でApple Vision Proと対抗

PICO 4 Ultraは、AppleのVision Proの特徴である空間録画機能を搭載し、ユーザーに時間と場所を3Dで記録する新たな体験を提供する。この機能は、ユーザーが特定の瞬間を空間ごと保存し、後から没入感のあるビジュアルとして再生することを可能にする。特に、TikTokとの連携により、空間録画データをSNSで共有する機会を増やすことで、他の競合デバイスとの差別化を図っている。

PICOの空間録画機能は、最大解像度2048×1536ピクセル、60FPSでの録画が可能で、ビジュアルの精度が高く、視覚的な没入感を強調する設計となっている。また、同機能はAppleのVision Proやその他のiOSデバイスとも互換性があり、既存のAppleエコシステムを活用することで、さらなる普及が期待される。

PICOの戦略は、単にハードウェアの優位性に頼るだけでなく、デジタルサービスとの統合を強化することで、XRデバイス市場での競争力を高めることにある。これにより、PICO 4 Ultraは個人利用のみならず、ビジネスやエンターテインメントの分野でも新たな可能性を提供し、AppleやMetaといった業界のリーダーたちに対抗する強力な武器となるだろう。

競争力を高める環境認識技術とパートナーシップ

PICO 4 Ultraは、Apple Vision Proに似た空間コンピューティング環境を実現するために、高解像度のカメラと高度な環境認識技術を搭載している。デバイスには4つの環境トラッキングカメラ、2つの32MPカラーパススルーカメラ、そしてiToF深度センサーカメラが含まれており、これにより高精度な空間認識が可能である。PICOのパススルーカメラ技術は、解像度が高く、歪みが少ない映像を実現し、ユーザーにリアルタイムでの高品質な没入体験を提供する。

PICOはまた、軽量で使いやすいモーショントラッカーもリリースしており、これによりユーザーは体全体の動きを反映させた没入型の操作が可能となる。このトラッカーはわずか27gと非常に軽量で、デバイスとのペアリングも5秒以内で完了する簡便さが特徴だ。これにより、より直感的な操作が求められるアプリケーションにも対応できる点が評価されている。

PICOは、今後も企業とのパートナーシップを強化し、特にヘルスケア、教育、トレーニング分野での利用を進めることで市場拡大を図っている。これにより、企業向けのデバイスとしての信頼性と実用性を確立し、競合製品との差別化を進めることを狙っている。デバイスの機能性とパートナーシップの強化によって、PICOはXR市場での存在感をさらに高めるだろう。