Appleの最新モデル「M4 MacBook Air」が登場し、これまでの「M2 MacBook Air」が持っていた最適解の座を塗り替えた。Appleシリコンの進化により、パフォーマンスが大幅に向上しつつ、価格は据え置きの999ドル。
M4チップは10コアCPUを搭載し、M2に比べて処理能力が向上。AI処理を強化するNPUも進化し、将来的なソフトウェア対応でも有利だ。また、標準RAMが16GBに倍増し、長期間の使用にも耐えうる仕様となった。
M4チップの進化がもたらす実力と長期的なメリット

M4 MacBook Airの最大の特徴は、新たに搭載されたM4チップの性能向上にある。CPUは10コアとなり、M2の8コアから確実にパワーアップ。加えて、メモリ帯域幅もM2の100GB/sから120GB/sへと向上し、より高速な処理が可能になった。Appleによると、M4 MacBook AirのパフォーマンスはM1 MacBook Airの2倍に達するとされている。
この性能向上は、単なるスピードの向上にとどまらない。AI処理を担うNPUの強化により、今後のソフトウェアアップデートにも強くなる可能性が高い。特に、macOSのAI機能や機械学習を活用したアプリケーションとの相性は向上することが期待される。長期間にわたり快適な動作を維持できる点は、多くのユーザーにとって重要な要素となるだろう。
M4チップを搭載することで、今後数年間のmacOSアップデートに最適化される可能性がある。Appleは過去にも新チップ搭載モデルを優先的にサポートしており、M2よりもM4のほうが長くアップデートを受けられる可能性がある。旧モデルが値下げされることを考慮しても、長期的な視点で考えればM4モデルを選ぶメリットは大きい。
16GB RAMが標準搭載された意味
AppleはこれまでMacBook Airの基本構成として8GB RAMを採用していた。しかし、M4 MacBook Airではついに標準で16GB RAMを搭載。この変更により、複数のアプリを同時に開いた際の快適性が向上し、負荷のかかる作業でも動作が安定するようになった。
8GB RAMのMacBook Airは、通常のブラウジングや動画視聴では問題なく動作するが、動画編集や仮想マシンの利用などではメモリ不足が発生しやすかった。特に、数年後のソフトウェア要件を考えると、16GB RAMのほうが圧倒的に有利だ。RAMの増設ができないMacBookシリーズにおいて、初めから余裕のあるメモリ容量が用意されていることは大きなメリットとなる。
また、長期間の使用を想定した場合、8GB RAMモデルよりも16GB RAMモデルのほうがmacOSのサポートが長く続く可能性がある。Appleは過去にも最低スペックのMacが早期にサポート終了するケースがあったため、M4 MacBook Airの16GB RAM標準化は、長く使いたいユーザーにとって朗報といえる。
M4 MacBook Airは万人向けの最適解か
MacBook Airはこれまでも多くのユーザーにとって「ちょうど良い」選択肢だったが、M4 MacBook Airはその傾向をさらに強めている。M2 MacBook Airが価格と性能のバランスで優れたモデルだったが、M4ではさらにその評価を更新。価格を維持しつつ、性能が向上したことで、より幅広い層にとって最適な選択肢となった。
特に、日常的な作業をこなすユーザーにとっては、Proモデルに比べて軽量でありながら十分な性能を持つM4 MacBook Airの優位性が際立つ。デザイン面での大きな変化はないが、それは完成されたフォームファクターが引き続き評価されている証拠ともいえる。
もちろん、より高度な動画編集や3Dレンダリングを行うユーザーにとっては、M4 MacBook Airではパワー不足を感じる場面もあるだろう。しかし、大半のユーザーにとっては、M4 MacBook Airこそが最適なバランスを持ったMacBookであり、今後しばらくは「最もおすすめのモデル」として君臨し続けるだろう。
Source:Lifehacker