サムスンが、画面内に血圧センサーを搭載した新型Galaxy Foldの開発に取り組んでいることが明らかになった。最近出願された特許によれば、ユーザーは指を画面に置くだけで血圧を測定できるという。この技術は、ディスプレイに組み込まれたPPGセンサーを利用し、心拍数や酸素飽和度も同時に測定できる仕組みだ。

サムスンの特許出願内容:画面内のPPGセンサー

サムスンは、Galaxy Foldの画面に血圧センサーを統合する新技術の特許を出願している。この特許では、PPGセンサー(光電容積脈波法)がディスプレイ内に組み込まれ、ユーザーが指を画面上に置くだけで血圧を測定できる仕組みが記載されている。PPGセンサーは、心拍数や酸素飽和度も測定できる技術であり、特にヘルスケア分野での応用が期待される。

特許によると、このセンサーは画面の一部に赤と緑のLEDを埋め込むことで、ユーザーの指先の血流を検出する。ディスプレイのピクセルが光の強さや色を調整し、測定の精度を向上させる仕組みとなっている。これにより、従来の血圧測定装置が持つ物理的な制約を大幅に軽減できる可能性がある。

ただし、特許出願がそのまま商品化に結びつくわけではなく、この技術が実際の製品にどのように反映されるかは現時点で不明である。特許の公開は、サムスンがこの分野での研究開発に注力していることを示しているが、消費者が実際に手にするまでにはまだ時間がかかるかもしれない。

画面上で血圧測定を可能にする仕組み

この技術の核心は、PPGセンサーがディスプレイ内に直接組み込まれている点である。ユーザーは、指を画面の指定箇所に置くだけで、血圧を含む複数の健康指標を測定できる。PPGセンサーは、光の反射を利用して血流を分析し、血圧を推定する仕組みとなっている。

特に注目されるのは、画面内に赤と緑のLEDが配置され、これらの光を指に当てることで血流の変化を測定する技術である。ユーザーの指の圧力や位置に応じて光の強度や色が調整されることで、ノイズを最小限に抑え、信号の精度を向上させるという。また、心拍数や酸素飽和度の測定にも同時に対応しており、総合的なヘルスケアデバイスとしての機能が強化されている。

従来の装置が持つ大掛かりなハードウェアを不要にする可能性があり、ユーザーにとってより簡便で直感的な操作が実現することになる。これにより、日常的な健康管理がスマートフォン一台で完結する未来が近づいているといえる。

血圧測定精度に課題?既存技術との比較

サムスンの新技術は画期的だが、その精度には課題が残る可能性がある。現在、PPGセンサーを利用した血圧測定は、データの信頼性が不安定であることが指摘されている。例えば、Galaxy Watch7では、正確な血圧測定を行うためには、従来の血圧計でのキャリブレーションが必要である。

一方、競合他社の製品と比較すると、Huawei Watch D2はさらに高度なシステムを採用している。Huaweiは、デバイス内に膨張式のカフを内蔵しており、これにより精度の高い血圧測定が可能となっている。サムスンの技術は、カフを使わずに血圧を測定できる点で優れているが、その精度がどの程度まで向上するかは未知数である。

サムスンの技術が成功するためには、ユーザーが信頼できるレベルの精度を提供する必要があるだろう。現状では、完全に自動化された血圧測定は挑戦的であり、さらなる研究開発が求められる。しかし、スマートフォンを利用した簡便な健康モニタリングは、多くのユーザーにとって魅力的な機能であり、今後の改良が期待される。

商品化の可能性と今後の展望

特許が出願されたからといって、必ずしも商品化されるわけではない。サムスンの技術が実際に市場に出回るかどうかは、まだ明確ではない。特許技術はあくまで研究開発の一環であり、すべての技術が製品化されるわけではないからだ。

また、サムスンはこれまでにも多数の特許を取得してきたが、その多くは実際に製品としては登場していない。今回の技術も例外ではなく、実際にどの製品に搭載されるのかは不明である。市場のニーズや技術の成熟度によって、サムスンがこの技術をどのように展開していくかが決まるだろう。

ただし、ヘルスケア分野におけるスマートデバイスの需要は年々高まっており、サムスンがこの技術を活かした新しい製品を発表する可能性は十分に考えられる。今後の動向に注目が集まる。