Googleの次期ミドルレンジスマートフォン「Pixel 9a」が例年よりも早く発表される可能性が高まっている。これまでのAシリーズは5月のGoogle I/O付近で発表されることが多かったが、最新のリーク情報によると、2025年3月中旬にも登場すると報じられている。
デザイン面では、Pixelシリーズの特徴でもあった「カメラバー」が廃止され、左上にピル型のカメラユニットが配置されると予測されている。また、ディスプレイは従来の6.1インチから6.3インチへと大型化する可能性があり、リフレッシュレートも120Hz対応となる見込みだ。
プロセッサにはGoogleの最新チップ「Tensor G4」を搭載するとみられるが、衛星通信機能は非対応になる可能性がある。価格は据え置かれ、128GBモデルが499ドル(約7.5万円)、256GBモデルが599ドル(約9万円)となると予想されている。Appleの最新エントリーモデルと比較してもコストパフォーマンスの面で有利とされ、競争が激化するミドルレンジ市場での動向が注目される。
Pixel 9aのデザインは大幅刷新 カメラバー廃止とフラットデザインが特徴に

Pixelシリーズの象徴ともいえる「カメラバー」がPixel 9aでは廃止される可能性が高い。過去のAシリーズは上位モデルのデザインを踏襲してきたが、最新のリーク画像によると、Pixel 9aはこれまでとは異なり、左上に配置されたピル型のカメラユニットを採用するとみられる。
これは、AppleやSamsungのエントリーモデルに近い形状であり、デザインの方向性が変化していることを示唆している。
さらに、フラットな側面デザインが採用される可能性も指摘されている。これまでのAシリーズは丸みを帯びたデザインだったが、Pixel 9aではエッジの立った形状になると予測されている。これは、iPhoneのデザインと似た印象を与える要素の一つであり、手に持ったときのフィット感が変わる可能性がある。
ディスプレイサイズは6.3インチに拡大され、120Hzのリフレッシュレートに対応するとみられる。これにより、より滑らかなスクロールや操作感が期待できるが、画面が大型化することで本体サイズが大きくなる点には注意が必要だ。過去のAシリーズユーザーにとっては、持ちやすさや携帯性に変化を感じることになるかもしれない。
Pixel 9aのスペックと価格 据え置きの499ドルで競争力を維持
Pixel 9aは、昨年のPixel 8aと同じ499ドル(約7.5万円)で提供される可能性が高い。昨年、GoogleはPixel 9シリーズの価格を引き上げたが、Aシリーズについては価格を維持する見込みだ。特に、Appleが最新のエントリーモデル「iPhone 16e」を発表し、従来のiPhone SEよりも179ドル高くなったことを考慮すると、Pixel 9aのコストパフォーマンスは際立つものとなる可能性がある。
プロセッサにはGoogleのTensor G4が搭載されると予測されており、AI機能の強化が期待される。一方で、モデムはPixel 9シリーズの最新チップではなく、前世代の「Exynos Modem 5300」が採用される可能性が高い。これにより、Pixel 9シリーズで導入された「衛星SOS機能」が利用できない可能性があるが、日常の使用において大きな影響はないと考えられる。
カメラ構成は48MPのメインカメラと13MPの超広角カメラというデュアルレンズ仕様になるとみられる。これはPixel 8aの64MPからダウングレードされるように見えるが、搭載されるセンサーがPixel 9 Pro Foldと同じものになる可能性があるため、実際の撮影性能には大きな影響がない可能性もある。バッテリーは5,100mAhと大容量化し、Pixel 8aよりも駆動時間の向上が期待される。
競争が激化するミドルレンジ市場でPixel 9aが勝ち抜くためのポイント
ミドルレンジスマートフォン市場は近年、競争が激しさを増している。SamsungのGalaxy AシリーズやAppleのiPhone SEシリーズが定番となる中、GoogleのPixel Aシリーズも着実にシェアを拡大している。Pixel 9aは、499ドルという競争力のある価格を維持しながら、Tensor G4プロセッサや120Hz対応の大型ディスプレイを搭載することで、他社製品との差別化を図ろうとしている。
一方で、Pixel 9aにはいくつかの懸念点もある。特に、カメラセンサーの変更やモデムの仕様によって、Pixel 9シリーズとの差別化が明確になっている。Googleがどのようなソフトウェアチューニングを施すかによって、実際の使用感が大きく変わる可能性があるため、発表後の実機レビューが重要なポイントになるだろう。
また、GoogleはAI機能を強化し、Pixel独自のスマート機能をアピールすることで、単なるハードウェアのスペック競争ではなく、ソフトウェア体験の優位性を打ち出す戦略を取る可能性が高い。例えば、「スクリーンショット検索」や「Pixel Studio」など、日常的な使い勝手を向上させる機能が強化されることで、他のAndroid端末との差別化が図られるだろう。今後の正式発表が待たれる。
Source:Tom’s Guide