ASUSは、AM5マザーボード向けにBETA BIOS 1202を発表し、AMDの最新CPU Ryzen 9 9950X3Dおよび9900X3Dへの最適化を実施した。今回のBIOS更新では、新機能「AI Cache Boost」も追加され、パフォーマンス向上に寄与すると期待されている。

このBETA BIOSは、X870を含む600・800シリーズのASUS製マザーボード向けに提供され、システム安定性とメモリ互換性の向上が図られている。さらに、AMDの3D V-Cache搭載CPUと組み合わせることで、ゲームおよび生産性用途の処理性能の最適化が可能になるとみられる。

加えて、新機能AI Cache Boostの詳細はまだ明らかになっていないが、デュアルCCDのX3Dチップに最適化されている可能性がある。これにより、AMDの最新ハイエンドプロセッサがさらに高いパフォーマンスを発揮することが期待される。

ASUSのBETA BIOS 1202がもたらす最適化とその影響

ASUSがAM5マザーボード向けにリリースしたBETA BIOS 1202は、AMDの最新プロセッサであるRyzen 9 9950X3Dと9900X3Dに最適化されている。これらのCPUは、AMD独自の3D V-Cache技術を搭載しており、キャッシュメモリを大幅に増強することで、ゲームやクリエイティブ用途における処理性能を向上させることが特徴だ。

今回のBIOSアップデートによって、これらのハイエンドCPUに対する安定性の向上が見込まれる。特に、メモリ互換性の強化が図られており、これまで一部のユーザーが抱えていたAM5プラットフォームのメモリ関連の問題が解消される可能性がある。

また、BIOSバージョン1202はX870を含む600・800シリーズのASUS製マザーボードに対応しており、ROG Crosshair、ROG Strix、TUF、ProArtなどの主要なラインアップで利用可能だ。

この最適化は、CPUのパフォーマンス向上だけでなく、システム全体の安定性にも影響を与える。特に、ゲームプレイ時のフレームレート向上や、レイテンシの削減が期待される。AMDのX3Dシリーズはすでにゲーマー向けの高性能CPUとして評価されており、今回の最適化によってさらなる強化が図られることになる。

AI Cache Boostの正体とX3Dシリーズへの影響

今回のBETA BIOS 1202では、新たな機能「AI Cache Boost」が追加されている。この機能の具体的な動作はまだ明らかになっていないが、名称から推測すると、キャッシュの管理や最適化をAI技術で補助するものと考えられる。特に、Ryzen 9 9950X3Dや9900X3DのようなデュアルCCD(チップレット)構造のCPUに対して有効な機能となる可能性が高い。

AMDの3D V-Cacheは、大容量のL3キャッシュを積層することで、特定の処理負荷の高いタスク(特にゲーム)において飛躍的なパフォーマンス向上を実現する技術だ。しかし、この大容量キャッシュを適切に活用するには、最適なキャッシュ管理が不可欠となる。

AI Cache Boostは、このキャッシュ管理をより効率的に行い、CPUの性能を最大限に引き出す役割を担うのではないかと考えられる。また、この機能が既存のX3Dシリーズにも適用可能なのか、あるいは特定のBIOSバージョンでのみ有効になるのかは不明だ。

今後の正式リリースやユーザーによる検証が進むことで、AI Cache Boostの具体的な恩恵が明らかになっていくだろう。新機能の追加によって、ASUSのBIOSがAM5プラットフォームの最適化をさらに推し進めることは間違いない。

Ryzen 9 9950X3D & 9900X3Dの期待される性能と発売時期

AMDの最新CPUであるRyzen 9 9950X3Dと9900X3Dは、既存のRyzen 9 7900X3Dおよび7950X3Dの後継モデルとして登場する。これらの新プロセッサは、Zen 5アーキテクチャを採用し、クロック速度の向上やL3キャッシュの増強によって、ゲームだけでなくクリエイティブワークやマルチタスク性能の向上も期待されている。

Ryzen 9 9950X3Dは16コア32スレッド、9900X3Dは12コア24スレッドの構成を維持しつつ、128MBのL3キャッシュを搭載する。これは、ゲームにおいて特に重要な要素であり、既存のRyzen 7 7800X3Dと比較しても高い処理能力を持つとされている。

また、発売日は3月12日とされており、AMDの次世代RDNA 4 GPUのリリースから1週間後に登場するとみられる。これにより、AMDの新世代CPUとGPUを組み合わせた最新のゲーミング環境が整うことになる。現時点では、ベンチマーク結果も一部公開されており、ノーマル版のRyzen 9 9950Xとほぼ同等の性能を持つことが示唆されている。

X3Dシリーズは、これまでの実績からもゲーム用途で大きなアドバンテージを持つことが証明されており、今回の新モデルでもその傾向が続くと考えられる。特に、新BIOSによる最適化やAI Cache Boostの影響がどこまで及ぶのかが注目されるポイントだ。発売後のユーザーの評価や追加アップデートによって、さらなる最適化が期待される。

Source:Wccftech