Windows 10の登場から約10年が経過したが、依然として多くのユーザーがこのOSを使い続けている。その理由の一つに、Windows 11と比較して優れた使い勝手が挙げられる。特にタスクバーやスタートメニューの柔軟性は、Windows 11よりも優れており、自由度の高さが魅力だ。
また、パフォーマンスの向上がほとんど見られないことも、アップグレードをためらう要因となっている。さらに、Windows 11ではシステム内広告の増加やデフォルトアプリの変更手順の煩雑さなど、不満点が目立つ。一方で、Windows 10は2025年まで公式サポートが続き、追加のセキュリティ更新も提供される予定のため、今すぐ乗り換える必要性は低い。
Windows 10は新OSと比べてもなお、機能性・安定性のバランスに優れたOSであり、多くのユーザーにとって十分な選択肢となり続けている。今後のアップデート次第ではあるが、Windows 11が本当にWindows 10を超える日は、まだ先の話になりそうだ。
Windows 10のタスクバーとスタートメニューが依然として優秀な理由

Windows 11の登場により、多くのユーザーは新しいUIデザインに期待を寄せた。しかし、実際にはWindows 10のタスクバーとスタートメニューのほうが直感的で使いやすいと感じるユーザーが多い。
Windows 10のタスクバーは自由度が高く、画面上部や側面に移動させることができるが、Windows 11ではこの機能が制限され、カスタマイズの幅が狭まった。また、タスクバーのサイズ変更もWindows 11では制限されており、ユーザーが好みに合わせて調整することが難しくなっている。
さらに、Windows 10ではアプリやフォルダ、特定のファイルをタスクバーにピン留めできたが、Windows 11ではフォルダやファイルのピン留めができない。これにより、作業効率を重視するユーザーにとっては不便になった。
また、タスクバーのカレンダー機能もWindows 10では簡単に予定を追加・確認できたが、Windows 11では予定の管理ができず、単なるカレンダー表示にとどまっている。スタートメニューに関しても、Windows 10はシンプルで視認性が高く、特にライブタイル機能によって一目で最新情報を確認できた。
一方で、Windows 11はアイコンベースのデザインになり、情報量が少なくなった。これにより、利便性が下がったと感じるユーザーも少なくない。結果として、Windows 10のタスクバーやスタートメニューの柔軟性は、依然として多くのユーザーに支持される要因となっている。
Windows 11のパフォーマンス向上は限定的 アップグレードの必要性は低い
Windows 11は新しいOSとして登場したものの、実際のパフォーマンス向上は限定的だ。MicrosoftはWindows 11でよりスムーズな動作を実現するとしているが、一般的な使用環境において、Windows 10と大きな差を感じる場面は少ない。例えば、アプリの起動速度やマルチタスク処理において、両OSの間で顕著な違いは見られない。
これにより、特に性能面での変化を期待してアップグレードを検討するユーザーにとっては、魅力が薄いと言える。さらに、ゲーム関連の新機能として導入されたDirectStorageやAutoHDRも、現在ではWindows 10でも利用可能となっている。これにより、ゲーム環境の向上を目的としたWindows 11への移行メリットは減少している。
また、Windows 11では高性能なハードウェアが求められることから、古いPCではアップグレードできないケースもある。特にTPM 2.0や特定のCPU要件があるため、既存のPC環境でそのままWindows 11に移行できるユーザーは限られている。
こうした点を考慮すると、Windows 10を利用し続けることで得られるメリットはまだ多い。安定したパフォーマンスとカスタマイズ性を兼ね備えたWindows 10は、2025年のサポート終了までは十分に実用的な選択肢となるだろう。
Windows 10はまだ十分に使える すぐに乗り換える必要はない
Windows 10のサポート終了が2025年10月14日に予定されているが、現在のところ急いでWindows 11に移行する必要性は低い。MicrosoftはWindows 10の延長セキュリティ更新(ESU)を提供する予定であり、少なくとも2026年までは安全に使用できる。また、現時点でWindows 10は依然として市場シェアの約60%を占めており、多くの企業や個人が利用し続けている。
このことからも、Microsoftが今後、サポート延長を検討する可能性は十分にある。一方で、Windows 11にはユーザーにとって不便な変更も多い。システム内の広告が増えたり、デフォルトアプリの変更が煩雑になったりするなど、日常の使い勝手に影響を及ぼす要素が目立つ。
例えば、Windows 10では簡単に設定できた既定の画像ビューアや動画プレーヤーが、Windows 11では拡張子ごとに手動で設定する必要がある。こうした細かい仕様変更が、ユーザーにとってストレスとなる要因になっている。
現時点で、Windows 11がWindows 10を完全に上回るとは言い難い。今後のアップデートによって改善される可能性はあるが、現状ではWindows 10のまま使い続けることに大きなデメリットはない。時間をかけて、より成熟したWindows 11への移行を検討するのが賢明な選択となるだろう。
Source:MUO