Xiaomi 15 Ultraに搭載された「二方向エアフォイル環状冷却ポンプ」が、iPhone 16 Pro Maxを性能面で上回る可能性が浮上した。Xiaomiによると、この新冷却システムにより、Snapdragon 8 Gen 3 Eliteの発熱を効果的に抑え、ゲーム時の平均FPSが向上。さらに、温度はiPhone 16 Pro Maxより6.6度低く動作するとされる。
2K解像度のテストでは、Xiaomi 15 Ultraは59.6FPSを維持しつつ40.6度の温度で動作。一方のiPhone 16 Pro Maxは、58.9FPSで47.2度に達した。また、連続撮影テストでは、Xiaomi 15 Ultraが57秒で150枚を処理し、温度は35.2度にとどまったが、iPhone 16 Pro Maxは118秒かかり42.6度まで上昇した。
ただし、これらのデータはXiaomiの公式発表に基づくものであり、実際のユーザー体験や第三者の検証が必要な点は留意すべきだ。今後の独立レビューが、この新型冷却システムの真価を明らかにするだろう。
Xiaomi 15 Ultraの革新冷却システムとは その仕組みと実際の効果
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Xiaomi 15 Ultraに搭載された「二方向エアフォイル環状冷却ポンプ」は、従来のスマートフォン冷却技術とは一線を画す設計になっている。通常、スマートフォンの発熱対策としてはベイパーチャンバーやヒートパイプが用いられるが、本機はその枠を超えた独自の冷却システムを採用した。
この冷却ポンプは、2方向に冷却液を循環させることで、より効率的な熱拡散を実現する仕組みとなっている。これにより、Snapdragon 8 Gen 3 Eliteが発生させる高負荷時の熱を迅速に放出し、長時間のゲームプレイや高解像度動画の撮影時でも安定した動作を維持できるという。
実際のベンチマーク結果でもその効果は明確だ。Xiaomiの発表によれば、iPhone 16 Pro Maxと比較した際、Xiaomi 15 Ultraは最大で6.6度も低い温度で動作しながら、より高い平均FPSを維持することができた。
特に2K解像度のゲームでは、Xiaomi 15 Ultraは平均59.6FPSで動作したのに対し、iPhone 16 Pro Maxは58.9FPSにとどまったという。この数値はわずかな差に見えるが、長時間のプレイでは明確な違いとして現れる可能性がある。
スマートフォンの冷却性能は今後どこまで進化するのか
スマートフォンの高性能化が進むにつれ、発熱問題は避けられない課題となっている。特にハイエンドモデルは強力なプロセッサを搭載し、グラフィック処理やAI演算の負荷が増大しているため、冷却システムの進化が求められている。Xiaomi 15 Ultraが搭載する「二方向エアフォイル環状冷却ポンプ」は、そうした流れの中で新たな解決策を示した技術の一つだ。
しかし、スマートフォンの冷却技術は今後さらに進化していく可能性がある。例えば、ノートPCで採用されているアクティブ冷却(ファンを使用する方式)をスマートフォンにも応用する動きがあるほか、より高度な液冷技術や、素材自体の熱伝導率を向上させる研究も進められている。
また、スマートフォンの発熱を抑える手法として、チップの効率的な電力管理や、ソフトウェアによる熱制御も重要になってくる。Xiaomi 15 Ultraの冷却ポンプがどこまで実用性を持つのかは、今後のユーザーレビューや他社の対抗技術の動向を見守る必要がある。冷却技術の進化は、スマートフォンの未来を左右する重要な要素になりつつある。
ゲーム性能を左右する要因は冷却だけではない
Xiaomi 15 Ultraの優れた冷却技術は確かにゲーム体験を向上させる要素の一つだが、実際のプレイ感を決める要因はそれだけではない。例えば、ゲームの快適さはディスプレイのリフレッシュレートやタッチサンプリングレートにも大きく影響される。
Xiaomi 15 Ultraのディスプレイは、高リフレッシュレートに対応しているが、iPhone 16 Pro MaxもProMotion技術により、なめらかな表示を実現している。また、ゲームにおける快適性は、ストレージの読み書き速度や、OSの最適化具合にも関わってくる。iOSはゲームアプリの最適化が進んでおり、ハードウェアとソフトウェアの統合によるパフォーマンスの安定性が強みだ。
一方で、Xiaomi 15 UltraはAndroidプラットフォームの柔軟性を活かし、より自由度の高い設定が可能になっている。さらに、バッテリー持続時間もゲーム体験に影響する。長時間プレイする際、冷却によって発熱を抑えても、バッテリーが急速に消費されてしまえば意味がない。
Xiaomi 15 Ultraの冷却システムがどれほどの省電力効果を持つのか、またiPhone 16 Pro Maxとのバッテリー持ちの違いは、今後の検証が必要なポイントといえる。冷却性能の向上は間違いなく利点だが、ゲームの快適性を決めるのは、それだけではない。
Source:Wccftech