AMDが公開した最新のベンチマークデータによると、Ryzen AI 300(Strix Point)はFSR 3技術を用いることで、IntelのLunar Lakeに比べてゲーム性能を平均75%も向上させると主張している。Ryzen AI 9 HX 370とCore Ultra 7 258Vの比較において、FSR 3のフレーム生成機能がキーとなり、特にGhost of Tsushimaでは124.1%、Baldur’s Gate 3では109.3%の性能アップが見られた。

FSR 3のフレーム生成は95以上のタイトルで利用可能で、AFMF 2を使うことでさらに幅広いゲームでの対応が可能とされている。対するIntelのXeSSは130タイトルでのサポートに留まり、フレーム生成機能を持たない点で差が生まれている。AMDはこのRyzen AI 300ラインにより、モバイルゲーム分野での覇権を目指し、ゲーマーにとっての新たな選択肢として注目されている。

Ryzen AI 300がもたらすFSR 3の優位性とは?AMDの戦略とIntelとの違い

AMDの新しいRyzen AI 300は、特にFSR 3(FidelityFX Super Resolution 3)技術を活用することで、IntelのLunar Lakeに対してゲーム性能で大きな差をつけている。FSR 3はフレーム生成機能を備え、ゲーム内のフレームレートを大幅に引き上げることで、ユーザーにより滑らかで高品質なグラフィックスを提供する。

この機能は特に高負荷なAAAタイトルで威力を発揮し、Lunar LakeのXeSS技術とは異なるパフォーマンス向上のアプローチを取っている。

Lunar LakeのXeSSも確かに高い解像度でのアップスケーリングを実現するが、AMDのFSR 3のようなフレーム生成には対応していない。Wccftechが報じるように、これにより「Ghost of Tsushima」や「Baldur’s Gate 3」などで平均75%以上の性能向上が実現された。

AMDはFSR 3のオープンな性質を強調し、415以上のタイトルでの対応を可能にしているが、IntelのXeSSは現状130タイトルに限定されている。AMDがFSR 3の対応タイトルをさらに増やすことで、この差はますます広がる可能性がある。

ハンドヘルド向けRyzen AI 300の市場投入が示すAMDのモバイル戦略

AMDはRyzen AI 300を携帯ゲーム機やノートPCなどのモバイルデバイス向けに展開し、同セグメントにおける支配力を強化しようとしている。Strix Pointと称されるこのAPUは、ハンドヘルドデバイスでのゲーム体験向上を目指しており、FSR 3やHYPR-RXのサポートにより、モバイルゲーマーに卓越した性能を提供する。

高解像度を求めるゲームプレイヤーにとって、このフレーム生成技術はCPU・GPUにかかる負荷を軽減し、電力効率も向上させるメリットがある。

AMDのモバイル戦略において、性能向上だけでなく、ゲーム環境の向上も意識されている点が興味深い。携帯ゲーム機向けのRyzen AI 300は、将来的に新しい市場セグメントを開拓する可能性を秘めている。

IntelもLunar Lakeでモバイルゲーム分野のシェア拡大を狙っているが、AMDが提供するFSR 3やHYPR-RXのような技術的優位性は、モバイルゲーム市場での競争において確かなアドバンテージを示していると考えられる。

AMDとIntelの次世代APUがゲーミング体験にもたらす今後の展望

AMDのRyzen AI 300とIntelのLunar Lakeは、いずれもAI(NPU)やグラフィックス性能を強化し、ゲームにおける新たな可能性を開いているが、その方向性には明確な違いがある。AMDはオープン技術を積極的に採用し、ユーザーに幅広い選択肢を提供する一方、Intelは一部の専有技術に依存する形でパフォーマンスの向上を図っている。

FSR 3のようなフレーム生成技術がゲームの動作をよりスムーズにする中で、Lunar LakeのXe2 iGPUはネイティブ性能では互角だが、フレーム生成の面で不利な立場に立っている。

また、AMDのFSR 3とAFMF 2は、今後のアップデートにより対応タイトルが増える可能性があり、この点でもRyzen AI 300シリーズの強みは続くだろう。Wccftechなどの専門メディアによる評価を踏まえれば、AMDが提唱するRyzen AI 300のモバイル向け展開とFSR 3の技術は、ゲーミング体験の革新と市場競争をさらに加速させる。