ASUSが2月6日に発表予定の新型スマートフォン「Zenfone 12 Ultra」の詳細スペックが、信頼性の高い情報提供者からリークされた。このデバイスは、ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 9 Pro」をベースにしており、6.78インチのフルHD+(2400×1080)有機ELディスプレイを搭載。リフレッシュレートは通常時1~120Hzの可変式で、ゲームモード時には最大144Hzまで対応する。

プロセッサには最新の「Snapdragon 8 Elite」を採用し、メモリは8GBまたは16GBのLPDDR5X、ストレージは最大512GBのUFS 4.0が選択可能とされている。カメラ構成は、5000万画素のメインカメラ(ソニー製LYT700センサー、ジンバル式光学手ブレ補正付き)、1300万画素の超広角カメラ、3200万画素の望遠カメラ(光学3倍ズーム、OIS付き)のトリプルレンズ仕様。

フロントカメラは3200万画素となっている。バッテリー容量は5500mAhで、65Wの有線急速充電と15Wのワイヤレス充電に対応。さらに、3.5mmイヤホンジャックも搭載されており、IP68の防塵・防水性能も備えている。価格や発売地域に関する情報は現時点で明らかにされていないが、正式発表が間近に迫っているため、詳細が待たれる。

Zenfone 12 UltraのパフォーマンスはROG Phone 9 Proに匹敵するか

Zenfone 12 Ultraは、ROG Phone 9 Proの技術を流用しつつ、独自の調整が施されたモデルとされている。特にプロセッサには、最新のSnapdragon 8 Eliteが採用され、最大16GBのLPDDR5XメモリとUFS 4.0ストレージが組み合わさることで、処理速度やゲームパフォーマンスにおいても高い水準が期待できる。

しかし、ゲーミングに特化したROGシリーズとは異なり、Zenfone 12 Ultraは冷却機構が簡略化される可能性がある。ROG Phone 9 Proには専用の冷却ファンや高性能ベイパーチャンバーが搭載されているが、Zenfone 12 Ultraにはこれらの要素が含まれないと報じられている。そのため、長時間の高負荷時にはパフォーマンスが若干抑制される可能性がある。

一方で、リフレッシュレートは最大144Hzに対応するため、一般的なスマートフォンよりも滑らかな操作感を実現できる。ディスプレイの発色や応答速度も優れており、動画視聴やブラウジングはもちろん、カジュアルなゲームプレイにも最適な仕様となるだろう。

ROG Phone 9 Proと比較すると、ゲーミングに最適化された機能は省かれているものの、高性能なプロセッサとリフレッシュレートを兼ね備えた点では、十分に競争力を持つ端末といえる。

カメラ性能は本当に進化したのか

Zenfone 12 Ultraのカメラは、ソニー製LYT700センサーを採用した50MPのメインカメラを中心に、32MPの望遠カメラと13MPの超広角カメラを搭載している。特に、ジンバル式光学手ブレ補正(OIS)が導入されており、これにより夜間撮影や動画撮影時のブレを最小限に抑えられる。

望遠カメラは光学3倍ズームに対応しており、従来モデルと比べてズーム時の画質劣化が軽減されていると見られる。スマートフォンのカメラにおいて、光学ズームが重要視される中、Zenfone 12 Ultraはこの点を強化した仕様といえる。ただし、ライバル機と比較すると、Galaxy S25 Ultraのような10倍光学ズームには及ばず、超望遠撮影には限界があるかもしれない。

また、32MPのフロントカメラを搭載し、セルフィー撮影のクオリティも向上している。特にAIによる補正機能が強化されると予想され、人物撮影においてより自然な美肌補正や背景のボケ効果が得られる可能性がある。カメラ性能の全体的な進化は確かに感じられるが、プロ向けの写真撮影用途としては、他のハイエンドモデルと比較して慎重に評価する必要がありそうだ。

3.5mmイヤホンジャックの復活は歓迎されるか

近年、多くのフラッグシップスマートフォンは3.5mmイヤホンジャックを廃止し、ワイヤレスイヤホンやUSB-C接続の有線イヤホンが主流となっている。しかし、Zenfone 12 Ultraは、この流れに逆行する形で3.5mmイヤホンジャックを復活させた。この決定は、特に高音質な有線オーディオ機器を愛用するユーザーにとって朗報となる。

有線イヤホンの最大の利点は、音質の安定性と遅延の少なさにある。ワイヤレスイヤホンでは、Bluetooth接続の遅延や音質の圧縮が避けられないが、有線接続ならばその影響を受けることはない。また、ゲームをプレイする際には、音の遅延が少ない方が快適な操作につながるため、ゲーマーにとっても嬉しい仕様といえる。

一方で、USB-Cオーディオを推奨する流れの中、3.5mmジャックの搭載がどこまで支持されるかは未知数だ。すでにワイヤレスオーディオに移行したユーザーにとっては、それほど大きなメリットを感じない可能性もある。ただ、ハイレゾ音源を楽しみたいオーディオファンや、遅延を気にするゲーマーにとっては歓迎すべきポイントであり、Zenfone 12 Ultraの個性として評価されるだろう。

Source:Android Police