Samsungが次期フラッグシップモデル「Galaxy S26」に、アンダーディスプレイカメラ(UDC)を導入する可能性が浮上している。従来のノッチやパンチホールを排除し、より没入感のあるディスプレイを実現する試みだ。

スマートフォン市場では長年、画面上のカメラ配置がデザイン上の課題とされてきた。特に2017年のiPhone Xの登場以降、ノッチが一般化し、多くのAndroidメーカーもこれに追随。しかし、Samsungは過去にノッチを批判する広告を展開したものの、結局はパンチホールを採用する形で妥協してきた。

アンダーディスプレイカメラは、すでに一部のメーカーが導入しているが、撮影品質の低下が課題とされている。Samsungがこれを克服し、S26に搭載する可能性はあるのか。期待が高まる一方で、技術的なハードルも依然として残る。

Samsungが追求する「完全なフルスクリーン」、技術の進化と課題

Samsungが次期フラッグシップ「Galaxy S26」にアンダーディスプレイカメラ(UDC)を採用する可能性があると報じられている。これは、スマートフォンのデザインにおいて大きな転換点となる動きだ。ノッチやパンチホールといった画面上の切り欠きを排除し、より洗練されたディスプレイ体験を提供するための技術として注目されている。

アンダーディスプレイカメラは、すでにZTEの「Axon 20 5G」やRedMagicシリーズなどで採用されてきた。しかし、カメラのレンズ部分がディスプレイ層を通して光を取り込む必要があるため、撮影品質が低下する課題があった。特にセルフィー用途では、ノイズや解像度の低下が避けられず、多くのメーカーは導入を見送る状況が続いている。

Samsungは過去にも折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold 3」でUDCを試験導入したが、撮影品質の問題が指摘されていた。もしGalaxy S26にUDCを本格採用する場合、これまでの課題を克服し、より高品質なカメラ技術を実現する必要がある。ディスプレイメーカーとしても強みを持つSamsungが、どのような改良を加えてくるのかに注目が集まる。

パンチホールの時代は終わるのか、カメラ配置の変遷と未来

スマートフォンのフロントカメラの配置は、これまで技術とデザインの折衷点として変遷を続けてきた。初期のスマートフォンでは、ディスプレイのベゼル部分にカメラを配置していたが、画面占有率を向上させるためにノッチが登場。その後、Samsungを含む各メーカーはパンチホールデザインへと移行した。

パンチホールはノッチよりも目立ちにくいが、完全なフルスクリーンとは言えず、画面内に物理的な穴が存在することには変わりない。そのため、動画視聴やゲームプレイの際に邪魔に感じるユーザーも少なくなかった。一方で、カメラの画質を維持しながら小型化できるため、多くのメーカーが妥協点として採用するに至った。

しかし、技術が進化し、アンダーディスプレイカメラの実用化が進めば、パンチホールも過去のデザインとなる可能性がある。SamsungがもしGalaxy S26でこれを採用すれば、他のメーカーも追随する動きが加速し、スマートフォン市場全体のデザインが大きく変わるかもしれない。とはいえ、画質と利便性を両立させるにはまだハードルが高く、UDCが標準仕様となるには時間がかかる可能性がある。

アンダーディスプレイカメラは次世代のスタンダードになり得るか

アンダーディスプレイカメラは、見た目の一体感を高める革新的な技術だが、万能ではない。特に、透過型ディスプレイを通して光を取り込むため、通常のカメラに比べて画質が劣る問題がある。これまでのUDC採用端末では、特に暗所での撮影時にディテールの欠損やぼやけが発生することが指摘されていた。

Samsungはディスプレイ技術に強みを持つ企業であり、OLEDの進化を活かしてUDCの品質向上に取り組んでいる可能性がある。例えば、ピクセル密度を調整してカメラ部分の光の透過率を向上させる手法や、AIによる画像補正技術を駆使することで、従来よりもクリアなセルフィー撮影を実現する可能性がある。

一方で、フロントカメラの用途が限られているユーザーにとっては、多少の画質低下よりもフルスクリーン体験の方が魅力的に映るかもしれない。Samsungがこの技術をGalaxy S26に本格採用すれば、今後のスマートフォンデザインの主流となる可能性は高い。ただし、セルフィー重視のユーザーやプロレベルの撮影を求める層にとっては、UDCの進化がどこまで実用的なレベルに達するかが鍵となるだろう。

Source:PhoneArena