来年にも登場が噂されるApple初の折りたたみiPhoneだが、その画面サイズが一部のユーザーを驚かせるかもしれない。最新のリーク情報によると、このデバイスのカバーディスプレイは5.49インチ、内側ディスプレイは7.74インチとされている。これは、現在のiPhoneシリーズと比較してもコンパクトな設計だ。

競合する折りたたみスマートフォンの多くが6インチ以上のカバーディスプレイを備えている中で、Appleのこのサイズ感は意図的なものなのか、それとも試作段階の一つに過ぎないのかは不明だ。ただし、リークの情報源が実績あるDigital Chat Stationであることから、一定の信憑性はあると考えられる。今後のさらなる情報に注目したい。

小型化された折りたたみディスプレイがもたらす使用感の変化

Appleの折りたたみiPhoneのカバーディスプレイが5.49インチに抑えられている点は、従来のiPhoneユーザーにとって意外な選択に映る。現在のiPhone 16シリーズは6インチ以上のディスプレイを採用しており、特にPro Maxモデルでは6.9インチと大型化が進んでいる。この流れを考えると、折りたたみiPhoneのカバーディスプレイがコンパクトであることは、操作性や視認性にどのような影響を与えるのかが気になるところだ。

折りたたみスマートフォンは、閉じた状態で日常的な操作を行い、大画面を必要とする作業の際に開くという使い方が一般的だ。例えば、Galaxy Z Foldシリーズではカバーディスプレイが6.2インチ以上を確保しており、開かずにほとんどの操作が完結する仕様となっている。しかし、iPhone Foldのカバーディスプレイは5.49インチと小さめで、片手操作には適しているものの、文字入力や動画視聴といった用途ではやや制約が生じる可能性がある。

一方で、Appleはこのサイズをあえて選んだ可能性もある。片手での持ちやすさを重視し、従来のiPhone SEシリーズのようなコンパクトな設計を求める層に向けたモデルとしての位置づけも考えられる。また、折りたたみスマートフォンの主流であるブック型ではなく、縦折り(クラムシェル型)に近いアプローチを試している可能性もある。今後、さらなるリークやAppleの公式発表によって、その意図が明らかになっていくだろう。

競合機種と比較したサイズ感のメリットとデメリット

Appleの折りたたみiPhoneが5.49インチのカバーディスプレイと7.74インチの内側ディスプレイを採用するという情報は、他社の折りたたみスマートフォンと比較するとユニークな選択に映る。SamsungのGalaxy Z Fold 7やGoogle Pixel 9 Pro Foldは6.3インチ以上のカバーディスプレイを採用し、内側ディスプレイも8インチ以上を確保している。一方で、Appleの仕様がこのまま正式決定となれば、折りたたみスマートフォンの中でも特にコンパクトな設計となる。

このサイズのメリットとして考えられるのは、携帯性の高さだ。現在の折りたたみスマートフォンは開いた状態ではタブレットに近いサイズ感となるが、カバーディスプレイが小さくなることでポケットやバッグに収納しやすくなり、より気軽に持ち運べる。また、バッテリー消費の面でも小型ディスプレイは有利に働き、長時間の使用が期待できるかもしれない。

一方で、デメリットもある。折りたたみスマートフォンの強みの一つは、大画面を活かしたマルチタスクや動画視聴の快適さだが、7.74インチでは競合機種と比べて作業スペースが限られる可能性がある。また、カバーディスプレイが小さいことで、閉じた状態での操作が快適に行えるかどうかが重要なポイントになる。従来のiPhoneのように単体で完結した操作感を求めるユーザーにとっては、開閉を頻繁に行う必要があるデザインが使い勝手に影響を与える可能性もある。

Appleが最終的にどのようなユーザー体験を提供するのかは、今後の公式発表を待つ必要があるが、このサイズの選択には明確な意図があるはずだ。

Appleの折りたたみiPhoneは市場の常識を覆すのか

Appleが折りたたみスマートフォン市場に参入すること自体、業界内外で大きな関心を集めている。これまでSamsungやGoogle、OnePlusなどが折りたたみ端末を展開してきたが、Appleがどのようなアプローチを取るのかは未知数だ。ただし、今回のリーク情報が正しければ、Appleの折りたたみiPhoneは既存のモデルとは異なる戦略を採る可能性が高い。

まず、これまでの折りたたみスマートフォンの多くは「より大きなディスプレイ」を重視してきた。SamsungのGalaxy Z Foldシリーズは、開くことで8インチ以上のタブレットサイズを実現し、マルチタスクや生産性を向上させることに重点を置いている。一方で、Appleの折りたたみiPhoneはカバーディスプレイを小型化し、コンパクトな使用感を追求しているように見える。この違いは、Appleが折りたたみスマートフォンに対して「タブレットの代替」というよりも「持ち運びやすさと利便性」を重視している可能性を示している。

また、Appleのこれまでの傾向を考えれば、単なる「折りたたみ機能を追加したiPhone」ではなく、独自のソフトウェアや操作性の工夫が施されることが予想される。例えば、iPadシリーズで培ったマルチタスク機能や、Apple独自のUI設計を活かした折りたたみならではの操作体験が提供されるかもしれない。また、Appleが折りたたみ技術を成熟させるまで長年市場に投入しなかったことを考えれば、耐久性やヒンジ構造などにも特別な工夫が施される可能性もある。

現時点では、Appleの折りたたみiPhoneが市場の主流となるのか、それとも一部の特定ユーザー向けのニッチな製品となるのかは不透明だ。しかし、過去にスマートフォン市場を大きく変革してきたAppleだけに、このデバイスが今後のトレンドにどのような影響を与えるのか、注目せざるを得ない。

Source:Digital Trends