Samsung DisplayがMWC 2025で発表した「Flex Gaming」コンセプトが話題を集めている。7インチのOLEDディスプレイを搭載し、中央で折りたためるこのデバイスは、まるでゲームボーイアドバンスSPとSteam Deckを融合させたかのようなデザインだ。

この新たな形状の携帯ゲーム機は、従来のバー型デザインとは異なり、コンパクトに折りたためるためポケットにも収まる。特に、折りたたんだ際にはアナログスティックがフラットに収納され、スクリーンが保護されるという斬新な構造を持つ。

現時点ではコンセプトモデルにすぎないが、Nintendo Switchの次世代モデルにも影響を与えかねないデザインとして注目されている。この先、実際の製品化が進めば、携帯ゲーム機の常識が変わる可能性があるだろう。

Samsung Displayが提案する折りたたみ型ゲーム機の革新性

Samsung DisplayがMWC 2025で発表した「Flex Gaming」は、これまでの携帯ゲーム機にはなかった新たな形状を採用している。7インチのOLEDディスプレイを搭載し、中央で折りたためる仕様が最大の特徴だ。折りたたむことでデバイスがコンパクトになり、アナログスティックがフラットに収納される構造もユニークなポイントとなっている。

これまでの携帯ゲーム機市場では、Steam DeckやLenovo Legion Goなど、比較的大型のデバイスが主流だった。しかし、Flex Gamingはポケットに収まるサイズ感を実現しており、持ち運びのハードルを大幅に下げる可能性がある。Nintendo Switch Liteと同様のカラーデザインを採用しつつ、折りたたみ機構によってより携帯性を高めているのも興味深い。

Samsung Displayはディスプレイ技術に特化した企業であり、今回のコンセプトも画面の折りたたみ技術を活かしたものだ。実際のゲーム体験にどのような影響を与えるかは未知数だが、物理的な画面保護と携帯性の向上を両立するデザインは、今後の携帯ゲーム機市場に新たな潮流を生み出す可能性を秘めている。

Nintendo Switchの次世代モデルに影響を与えるか？

Flex Gamingのような折りたたみ式のデザインが、Nintendo Switchの次世代モデルに影響を与える可能性はあるのだろうか。現行のNintendo Switchシリーズは、据え置き機と携帯機のハイブリッド設計を特徴としているが、折りたたみ機構を採用すればさらに持ち運びしやすくなる利点がある。

また、折りたたみディスプレイの導入によって、より大きな画面サイズを確保しながらコンパクトな形状を維持することも可能になる。現在のSwitch OLEDモデルは7インチディスプレイを搭載しているが、折りたたみ機構を組み込めば、より大画面化が進む可能性がある。

ただし、Nintendoは従来のSwitchシリーズの操作性を重視しており、ジョイコンの取り外し機能やドック接続によるTV出力など、独自のギミックを保持することも求められる。折りたたみ機構がこれらの機能と両立できるかは課題となるだろう。Samsung Displayの技術がどの程度Nintendoの製品開発に影響を与えるのか、今後の動向が注目される。

折りたたみゲーム機は本当に実用的なのか

折りたたみディスプレイを採用したゲーム機が本当に実用的なのかは、まだ議論の余地がある。Flex Gamingのデザインでは、折りたたみ部分に明確な折り目があり、長期間の使用による耐久性も未知数だ。また、折りたたみ機構を追加することで、デバイスの価格が高騰する可能性も否定できない。

一方で、携帯性の向上という点では大きなメリットがある。Steam Deckのような大型デバイスは、持ち運びが難しいため使用シーンが限られることが多い。これに対し、折りたたみ式ならポケットに収まるサイズになり、通勤・通学時やちょっとした空き時間でも気軽にゲームを楽しめるようになる。また、折りたたみ機構がディスプレイの保護にもつながる点も見逃せない。

通常の携帯ゲーム機では、スクリーンをカバーするケースが必要になることが多いが、Flex Gamingのデザインなら、折りたたむことで画面が内部に収納されるため、傷や汚れのリスクが軽減される。こうした点を踏まえれば、折りたたみゲーム機には一定の実用性があると考えられるが、実際に商品化された場合のユーザー評価がカギを握るだろう。

Source：Tom’s Guide