Apple TV+が近年、非英語コンテンツの制作を急速に拡大している。従来は英語作品が中心だったが、ここ数ヶ月でドイツやスペイン、フランスなどの多言語作品を次々とリリースしている。この背景には、Netflixが非英語作品によってグローバルな視聴者を獲得し、大きな成功を収めていることがある。

Netflixの最新データによると、視聴の3分の1は非英語コンテンツで占められており、トップ10作品のうち3つが非英語作品だった。こうした実績は、Apple TV+にとっても市場拡大のヒントになった可能性が高い。

今後もApple TV+が非英語コンテンツへの投資を続けることで、ストリーミング市場における競争がさらに激化しそうだ。

Apple TV+が非英語コンテンツを拡大する理由とは

Apple TV+はこれまで英語作品を中心に展開してきたが、ここ数ヶ月で非英語コンテンツの制作を急速に拡大している。その背景には、Netflixの成功がある。Netflixの最新データによると、視聴の3分の1は非英語コンテンツで占められており、視聴時間の多くをグローバル市場が支えている。特に『イカゲーム』などの非英語作品が大ヒットし、世界中の視聴者を惹きつけている。

Apple TV+はこれに対抗する形で、『Berlin ER』や『La Maison』など、ドイツ、スペイン、フランスなどの作品を相次いで投入している。2024年9月以降、非英語作品の公開頻度を増やし、ほぼ毎月1本のペースでリリースしているのが特徴だ。これにより、英語圏以外の視聴者を取り込み、サービスの成長を加速させる狙いがあると考えられる。

ただし、Apple TV+はNetflixと異なり、圧倒的な作品数を誇るわけではない。限られたタイトル数の中で、質の高いコンテンツを厳選して配信するスタイルを維持している。そのため、Apple TV+が非英語コンテンツに本格的に投資を続けるかどうかは、今後の視聴データによって決まるだろう。

Apple TV+の非英語作品は視聴者にどう影響するのか

Apple TV+の非英語コンテンツが増加することで、視聴者の選択肢が広がっている。これまでApple TV+は『Ted Lasso』や『Severance』などの英語作品が人気だったが、『Pachinko』や『Drops of God』といった非英語作品も一定の評価を得ていた。そして、最近の新作として『Midnight Family』や『Where’s Wanda?』といった非英語作品が続々と登場している。

この動きによって、視聴者は今まで以上に多様なストーリーを楽しめるようになっている。特に、日本を含むアジア市場では、ローカル色の強い作品への関心が高まっており、Apple TV+の非英語コンテンツが新たな視聴層を生み出す可能性がある。Netflixが『イカゲーム』を通じて韓国コンテンツの人気を世界的に広めたように、Apple TV+も独自のヒット作品を生み出すかもしれない。

一方で、Apple TV+は現在のところNetflixのように大量の作品を投入する戦略ではなく、選び抜かれたコンテンツを提供する形を取っている。そのため、非英語作品の成功は個々の作品のクオリティに大きく左右される。今後、視聴者の支持を得る作品が生まれるかどうかが、Apple TV+の戦略の成否を決める鍵となるだろう。

Apple TV+の今後の展開はどうなるのか

Apple TV+は非英語コンテンツの拡大を進めているが、その先の展開はどのようになるのか。現在のApple TV+は、NetflixやDisney+と比べてコンテンツ数が少なく、独自の路線を貫いている。しかし、非英語作品への投資が増えることで、ストリーミング市場における競争が激化する可能性がある。

今後、Apple TV+がどのような地域のコンテンツを強化するのかにも注目が集まる。現在はヨーロッパ圏の作品が中心だが、アジアや南米などの市場を視野に入れた展開が進む可能性もある。特に、日本のコンテンツ市場は世界的にも評価が高く、Netflixが『今際の国のアリス』などで成功を収めたことを考えると、Apple TV+も同様の戦略を取るかもしれない。

ただし、Apple TV+は「量より質」を重視するサービスであり、大量の作品を短期間で投入することは考えにくい。そのため、非英語コンテンツの拡大は徐々に進むと考えられる。今後のApple TV+がどのような作品を発表するのか、引き続き注目していきたい。

Source:9to5Mac