XiaomiはAI技術を活用したノートPC市場へ本格的に参入し、2月27日に「RedmiBook Pro 16」と「RedmiBook Pro 14」を発表する予定だ。新モデルにはIntel Core Ultra 7およびUltra 5プロセッサが搭載され、AI処理能力が飛躍的に向上することが特徴となる。
AI駆動の新機能により、システム最適化やインテリジェント検索、大規模モデルのデバイス内処理が可能となるが、それに伴い価格の上昇も避けられないとXiaomiのマーケティングディレクターは言及している。ただし、過度な値上げは行わず、性能向上に見合った価格設定になることが示唆されている。
AIを活用したRedmiBook Pro 2025の新機能とは
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RedmiBook Pro 2025は、従来のノートPCとは一線を画すAI機能を搭載している。特にIntel Core Ultraプロセッサの高性能NPU(Neural Processing Unit)を活用したシステム最適化が大きな特徴だ。これにより、OSレベルでのインテリジェント検索機能が強化され、ユーザーが求める情報を即座に処理・提示できるようになる。
また、ローカル環境での大規模AIモデルの実行が可能になり、ネットワーク接続なしでも高度なAI処理が実現する。さらに、クリエイター向けの機能強化も注目に値する。動画編集ソフトや画像処理ツールにおいて、AIが自動補正やリアルタイム最適化を行い、作業効率を向上させる仕組みが採用されている。
これにより、従来は時間がかかっていたエフェクト適用やカラーグレーディングなどのプロセスが大幅に短縮される。また、文書作成やプレゼンテーション作成支援のために、AIが文章の要約やレイアウト調整を行う機能も組み込まれている。
このようなAI駆動の機能強化により、単なる高性能ノートPCではなく、スマートな作業環境を提供するデバイスへと進化している。ただし、これらの機能がどの程度の精度で実用に耐えるのかは、実際の使用感や今後のアップデートによって変わる可能性がある。
特にAIによる自動処理がどれほどの精度でユーザーの意図を反映できるかが、RedmiBook Pro 2025の評価を左右する重要なポイントとなるだろう。
冷却システムの進化がもたらすパフォーマンス向上
新型RedmiBook Proシリーズでは、冷却システムの改良も大きなポイントとなっている。Xiaomiは、前モデルと比較して熱効率を34.4%向上させる新しい冷却機構を採用し、高負荷時でも安定したパフォーマンスを維持できるようになった。これは、AI処理の増加や高性能GPUを活用した作業が増える中で、発熱問題を抑えつつ高い処理能力を持続させるための重要な改良といえる。
特に、AIを活用したタスクでは従来以上の計算処理が求められるため、放熱性能が低いとパフォーマンスが大幅に低下する可能性がある。しかし、今回のモデルでは高効率のヒートパイプとデュアルファンシステムを組み合わせ、CPUやGPUの冷却を強化している。
この結果、『Black Myth: Wukong』のような高負荷のゲームも平均67fpsを維持し、最高75fps、最低でも59fpsという安定した動作が確認されている。また、14インチモデルにもこの冷却機構が適用されている点も注目に値する。
小型ノートPCは通常、熱処理の限界があるためハイエンドモデルほどのパフォーマンスを発揮できないことが多いが、今回のRedmiBook Pro 14は、Core Ultra 7の選択肢もあり、冷却性能の向上により高い安定性を実現している。これにより、モバイル環境でも長時間の負荷のかかる作業を快適に行うことができる可能性が高い。
価格上昇は必然か コスト増加の背景を探る
RedmiBook Pro 2025の価格上昇は避けられないとXiaomiのマーケティングディレクター・馬志宇氏は明言している。その主な理由として、Intel Core Ultraプロセッサの導入に伴うコスト増加、AI機能の強化、メモリや冷却システムの高性能化が挙げられる。また、LPDDR5X 8400MT/sの超高速メモリの採用も価格上昇の要因の一つとなっている。
これらのアップグレードは、ユーザー体験を大幅に向上させるものだが、一方で価格の上昇がどの程度まで許容されるのかは不透明だ。参考として、前モデルのRedmiBook Pro 2024は4,999元(約690ドル)で販売されていたが、今回のモデルがどこまで価格を上げるかはまだ発表されていない。
しかし、最新のプレミアムノートPC市場では、AI機能搭載モデルの価格帯が上昇傾向にあり、RedmiBook Pro 2025もその流れに沿った価格設定になる可能性がある。それでもXiaomiは「不当な価格引き上げは行わない」と強調しており、政府補助金による価格操作も行わない方針を示している。
この点から、同シリーズの価格設定は純粋に製造コストやパーツの高騰を反映したものとなるだろう。ただし、消費者にとって最も気になるのは「価格が上がる分、実際の使用感がどれほど向上するのか」という点だ。価格の上昇が、ハードウェアのスペック強化やAIの実用性向上に十分に見合うかどうかが、最終的な評価を決定づける要素となるだろう。
Source:Gizmochina