Windows 10のサポート終了が見えてきた今、代替OSを探している人も多いのではないだろうか。また、かつてのWindows XPのデザインに懐かしさを感じる人もいるだろう。そんなニーズに応えるLinuxディストリビューションがXPQ4だ。

このXPQ4は、DebianをベースにしたQ40Sの派生版で、Windows 10やXP風のテーマを備えている。特に「FreeXP」はXPの象徴的なデザインを、「Free10」はWindows 10の見た目を忠実に再現。無料で利用でき、Windowsユーザーにとっても馴染みやすいUIを提供する。

Linuxの豊富なカスタマイズ性とWindows風のデザインを兼ね備えたXPQ4。Windowsからの移行を検討している人や、無料で安全なOSを求める人にとって、有力な選択肢となりそうだ。

Windowsと見分けがつかない?XPQ4のデスクトップ環境と操作感

XPQ4の最大の特徴は、見た目がWindows 10やXPに酷似している点だ。特にFree10は、ログイン画面やデスクトップの構成、スタートメニューのデザインまでWindows 10に寄せられている。初めてXPQ4を起動したとき、多くのユーザーはLinuxであることを忘れてしまうほどだろう。

デフォルトのデスクトップ環境であるKDE Plasmaは、標準のWindows 10と同じようなレイアウトが採用されている。タスクバーは下部に配置され、スタートボタンをクリックするとWindows風のメニューが開く。さらに、Alt + Tabでのウィンドウ切り替えや、右クリックメニューの配置もWindowsに近い。これにより、Windowsからの移行をスムーズに行える。

一方で、XPQ4にはLinuxならではの柔軟なカスタマイズ性も備わっている。デスクトップの外観やアイコンの配置を自由に変更できるほか、KDE Plasmaの設定を活用すれば、細かいUIの調整も可能だ。ただし、Windowsらしさを求める場合は、デフォルトの設定を維持するのが無難だろう。XPQ4は見た目だけでなく、操作感においてもWindowsユーザーに配慮された設計となっている。


XPQ4で使えるアプリは?Windowsアプリの互換性とLinuxの強み

XPQ4はLinuxベースのOSであるため、Windowsの.exeファイルをそのまま実行することはできない。しかし、LinuxにはWineという互換レイヤーがあり、これを利用すれば一部のWindowsアプリを動作させることが可能だ。たとえば、Microsoft Officeの古いバージョンや、軽量なWindows向けソフトウェアならば、問題なく動作する場合が多い。

ただし、DirectXを必要とするゲームや、特殊なドライバを要求するソフトは対応が難しいこともある。XPQ4には、標準でLinux向けの基本的なアプリケーションがプリインストールされている。LibreOfficeはMicrosoft Officeの代替として機能し、FirefoxやChromiumはWebブラウジングに対応。

メディアプレイヤーとしてVLCが用意されているため、動画や音楽の再生も問題ない。また、KDE Discoverを利用すれば、ソフトウェアの追加インストールも簡単に行える。

一方で、XPQ4はデフォルトではFlatpakをサポートしていない。そのため、Flathubのリポジトリを手動で追加する必要がある。これにより、より多くのアプリを利用できるようになり、特に商用ソフトウェアの選択肢が広がる。WindowsユーザーがXPQ4に移行する際は、まず必要なアプリの互換性を確認し、Linux向けの代替ソフトを検討するのがよいだろう。


XPQ4は本当にWindowsの代替となるのか?移行のメリットと課題

Windows 10のサポート終了が迫る中、代替OSとしてXPQ4がどこまで有用なのかを考えると、そのメリットと課題の両方が浮かび上がる。最大の利点は、無料であることと、WindowsライクなUIを備えていることだ。公式のWindows 11へ移行する場合、ハードウェア要件を満たしていないPCでは動作しない。

しかし、XPQ4は軽量であり、古いPCでもスムーズに動作するため、買い替えのコストを抑えられる。また、セキュリティ面でも優れている。LinuxはWindowsと比べてウイルスやマルウェアの標的になりにくく、定期的なアップデートにより安全性が確保されている。

特にWindows XPを未だに使い続けている人にとって、XPQ4のFreeXPは見た目を変えずにセキュリティを向上させる選択肢となるだろう。しかし、一方で完全なWindowsの代替にはならないという点も考慮する必要がある。

Windows向けのソフトウェアがすべて動作するわけではなく、特定の業務用アプリケーションやゲームの利用は制限される可能性がある。また、Linuxの基本的なコマンド操作やパッケージ管理に慣れる必要があり、移行には一定の学習コストが伴う。

結論として、XPQ4はWindowsの見た目を再現しつつ、Linuxのメリットを享受できるOSだ。しかし、Windowsアプリの完全な互換性を求める場合は、仮想環境やデュアルブートを活用するなど、適切な準備が必要となる。Windows 10からの移行を検討しているユーザーにとって、XPQ4は魅力的な選択肢の一つとなり得るだろう。

Source:ZDNET