Samsungが開発中とされるトリプルフォールド(3つ折り)スマートフォン「Galaxy G Fold」が、2025年7月に発表される可能性が浮上した。報道によれば、同社は4月から部品調達を開始し、3か月後には量産体制に入ると見られている。
このデバイスは、Huawei Mate XTに対抗するモデルとして注目されており、Galaxy Z Fold 7やZ Flip 7とともに次回のGalaxy Unpackedイベントで披露される可能性がある。ただし、量産規模は限定的になると予想され、高価格帯の製品となる見込みだ。
Samsungは近年、AI機能の強化を進めているものの、革新性に欠けるとの指摘もある。Galaxy G Foldが市場に新たな風を吹き込む存在となるか、発表の行方が注目される。
Samsungが挑むトリプルフォールドの新機構とは
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Samsungが開発を進めるトリプルフォールドスマートフォン「Galaxy G Fold」は、これまでの折りたたみモデルとは異なる新機構を採用すると見られている。従来のGalaxy Z Foldシリーズは単一のヒンジを用いた二つ折りだったが、今回は二つのヒンジを備え、三つ折り構造を実現する可能性がある。このデザインにより、より大画面でありながらコンパクトに折りたためるという利点が生まれる。
Huaweiが先行して発表したMate XTも三つ折りデザインを採用しており、Samsungがこれにどう対抗するのかが注目される。Mate XTは外側に折りたたむアウトフォールド型であるが、Galaxy G Foldはインフォールド型、またはその両方を兼ね備えたデザインになる可能性もある。どの方式を選択するかによって、耐久性や利便性が大きく変わるため、設計面の工夫が求められる。
加えて、ヒンジ部分の耐久性やスクリーンの折り目の目立ちにくさが課題となる。SamsungはすでにZ Foldシリーズで複数世代の改良を重ねており、独自のUltra Thin Glass(UTG)技術をさらに進化させることで、耐久性と視認性の向上を狙っていると考えられる。Mate XTとどのような違いを打ち出すのか、発表時に明らかになるポイントだ。
限定販売の可能性が示唆される理由
報道によれば、Galaxy G Foldは限定的なリリースとなる可能性が高い。その理由の一つは価格の高さだ。三つ折り構造は通常の折りたたみスマートフォンよりも部品点数が多くなり、製造コストがかさむ。さらに、ヒンジ機構の強化や大画面ディスプレイの採用など、技術的な挑戦が増えることで、価格がさらに上昇することが予想される。
また、部品調達のスケジュールも関係しているようだ。レポートによれば、Samsungは2025年4月から部品調達を開始し、そこから3か月後に量産体制に入る計画とされている。一般的なスマートフォンの製造スケジュールに比べて期間が短く、大量生産に適しているとは言いがたい。これにより、出荷台数が限られる可能性がある。
さらに、トリプルフォールドの市場需要が未知数である点も影響している。従来の折りたたみスマートフォンは一定の市場を確立したが、三つ折りモデルがどこまで受け入れられるかは未知数だ。初期販売では試験的な投入となり、一部の市場で先行販売する形をとる可能性がある。
AI機能の進化とGalaxy G Foldの立ち位置
Samsungは近年、AI機能の強化を積極的に進めており、2024年のGalaxy S24シリーズでは「Galaxy AI」という名称で生成AIを活用した機能を搭載した。この流れは今後も継続されると見られ、Galaxy G FoldにもAIを活用した機能が組み込まれる可能性が高い。
例えば、折りたたみ形状に適したAI活用の可能性として、ディスプレイの使用状況に応じた自動最適化機能が考えられる。例えば、折りたたんだ状態では通知や簡単な操作を優先し、展開すると作業効率を高めるマルチタスク向けのUIに自動で切り替わるといった工夫が期待される。
しかし、SamsungがAIの強化に注力しすぎた結果、ハードウェアの革新が疎かになる懸念もある。過去数年間、SamsungのデバイスはAI強化が目立つ一方で、目新しさに欠けるとの指摘もあった。Galaxy G Foldが真の革新をもたらすデバイスとなるのか、それともAIを搭載しただけの高額デバイスに留まるのかは、発表後の評価次第となるだろう。
Source:Android Headlines