OnePlus Watch 2Rは、OnePlusが提供する最新のスマートウォッチである。このモデルは、先に発売されたOnePlus Watch 2の改良版として位置づけられており、価格を抑えつつも高い機能性を持つ。しかし、その手頃な価格の裏にはいくつかの妥協点も見られる。
デザインと装着感
OnePlus Watch 2Rは、アルミニウム製の軽量なシャーシを採用しており、46mmの大画面にもかかわらず装着感は快適である。特に「フォレストグリーン」モデルは、光沢のあるベゼルと本体カラーが視覚的な調和を生み出しているが、このベゼルが実用性において若干の問題を抱えている。ベゼルの緑と白の配色が一部のウォッチフェイスと合わず、全体的なデザインバランスが崩れることがある。黒色のモデルであれば、この点は少し改善されるが、アルミニウムの塗装が剥がれるリスクが心配される。
バンドに関しては、22mmの一般的なバンドシステムを採用しているため、ユーザーは自由に交換が可能である。標準装備のラバーバンドは肌への刺激を懸念していたが、実際には驚くほど快適である。さらに、個別に用意したベルクロバンドへの交換も容易であり、使用シーンに応じてカスタマイズが可能だ。ただし、全体的なデザインがベゼルの色と一致しない場合があるため、バンドの選択には注意が必要である。
外観に関しては、距離を置いて見ると一見美しく見えるが、近くで見ると細部の不一致が気になる場合がある。それでも、このデザインに魅力を感じるユーザーであれば、腕に着けた瞬間からその存在感に満足できるだろう。
スマートウォッチとしての機能性
OnePlus Watch 2Rは、デュアルチップとOSシステムを搭載し、バッテリー持続時間を最大化する設計が施されている。Wear OSを使用しないにもかかわらず、そのインターフェースはスムーズで、電池の持ちも優れている。実際、常時オンディスプレイ(AOD)機能を有効にしても、3〜4日間は充電を必要としない。この機能をオフにすれば、さらに長期間の使用が可能である。
ワークアウトの自動トラッキング機能は基本的には満足できるものの、完璧ではない。特にランニングやウォーキングのトラッキングは精度が高いが、サイクリングの自動認識には不安が残る。しかし、クイックアクセススクリーンを設定することで、各種トレーニングデータにすぐにアクセスできるのは便利である。
全体として、このスマートウォッチは非常にシンプルかつ直感的な操作性を持つ。上からのスワイプで通知、下からのスワイプでクイックアクション、左右へのスワイプでカスタムタイルにアクセスできるため、操作の学習曲線はほぼ存在しない。多機能ではないが、必要十分な機能を提供している点で、非常に優れた設計であると言える。
ワークアウトトラッキングの精度
ワークアウトトラッキングは、スマートウォッチの重要な機能の一つである。OnePlus Watch 2Rは、様々な運動の自動検出と詳細なデータ分析を提供しているが、その精度には限界がある。特に、ランニングやウォーキングにおいては、自動トラッキングが正確に作動し、詳細なデータを提供してくれるが、サイクリングやその他の運動では、一貫して正確なトラッキングが行われないことがある。
トレーニングデータの表示画面は、非常に詳細であり、ビギナーランナーにとっては役立つ情報が満載である。しかし、データの一部は非常に専門的で、多くのユーザーにとっては理解しにくいかもしれない。そのため、特に正確なデータ収集を求めるユーザーには、Garminのような専門デバイスを検討することを勧める。
自動トラッキングの精度に不満がある場合でも、手動でのトラッキングは非常に簡単で、クイックアクセススクリーンを使用すれば、特定のワークアウトにすぐアクセスできる。この点において、OnePlus Watch 2Rはユーザビリティが高いと言える。ただし、全ての運動を完璧にトラッキングするわけではないため、その点は覚悟しておくべきである。
操作性とユーザーインターフェース
OnePlus Watch 2Rの操作性は、シンプルで直感的なユーザーインターフェースによって支えられている。通知へのアクセスは上からスワイプ、クイックアクションは下からスワイプ、カスタムタイルには左右へのスワイプでアクセスできる。この一貫した操作性は、学習コストを最小限に抑え、新しいユーザーでもすぐに慣れることができる。
特に注目すべきは、デュアルボタンシステムである。上部のボタンは、時計画面に戻るか、アプリドロワーを開くために使用され、下部のボタンはカスタマイズ可能で、特定のアプリを迅速に起動できる。これにより、頻繁に使用する機能へのアクセスが容易になる。たとえば、上部ボタンのダブルプレスで最近使ったアプリに戻る機能は、多くのユーザーにとって便利である。
ただし、マルチタスクのサポートが限定的である点は、やや不満が残る。複数のアプリを同時に操作することは難しく、基本的には一度に一つのアプリを操作する形になる。それでも、このシンプルさが結果的に操作をわかりやすくし、多くのユーザーにとって使いやすいインターフェースを提供している。