Nvidiaの最新GPU「GeForce RTX 5090」に関し、一部のZotac製モデルで仕様よりもROP(Raster Operating Units)の数が少ないことが判明した。これにより、特定のユニットでは想定よりもパフォーマンスが低下している可能性が指摘されている。

問題のあるユニットは、ROP数が標準仕様より8基少なく、約4.5%の減少が見られる。TechPowerUpのテストでは、影響を受けたモデルがElden Ring(4K解像度)で約5.6%の性能低下を記録しており、これがハードウェアの欠陥なのか、ソフトウェア的な要因なのかは明らかになっていない。一部では、使用されているGB202 GPUに何らかの欠陥がある可能性も示唆されている。

現在のところ、問題が確認されたのはZotac Solidシリーズの一部ユニットのみであり、他のメーカーのRTX 5090では類似の報告は上がっていない。ZotacおよびNvidiaからの正式な対応はまだ発表されておらず、影響を受けたユーザーは今後の情報に注意を払う必要があるだろう。

ROP数の違いがもたらす影響と実際のパフォーマンス差

GeForce RTX 5090は、Nvidiaの最先端技術を結集したフラッグシップGPUであり、その性能はGPUコアの構成要素によって左右される。中でもROP(Raster Operating Units)は、ピクセルの描画処理を担う重要な部分であり、数が減ると描画能力の低下につながる可能性がある。

今回問題となっているZotac GeForce RTX 5090 Solidでは、ROPの数が標準の176基ではなく168基しか搭載されていないユニットが一部存在する。この違いは4.5%程度の減少に相当し、TechPowerUpの検証では、Elden Ringの4K解像度環境で約5.6%のフレームレート低下が確認された。こうした数値を見る限り、ROP数の減少がパフォーマンスの低下を引き起こしている可能性は高い。

ROP数が減ることで影響が特に大きくなるのは、高解像度でのゲームプレイやグラフィック負荷の高いシナリオだ。特に4Kや8Kといった環境では、ピクセル数が大幅に増えるため、ROPの処理能力がフレームレートに直結する。したがって、影響を受けたRTX 5090のユニットでは、特定の条件下で期待されたパフォーマンスが発揮されない可能性がある。

ハードウェアの欠陥か、それともファームウェアの問題か

問題の発生源がハードウェアの欠陥なのか、ソフトウェアの制約によるものなのかは依然として明確になっていない。Zotac GeForce RTX 5090 SolidにおいてROP数が不足している原因は、製造過程でのGPUの選別ミスか、あるいはファームウェアの設定によるものと考えられる。

一部では、GB202 GPU自体に何らかの欠陥がある可能性も指摘されている。しかし、他のメーカーのRTX 5090には同様の問題が報告されていないことから、特定の製造ラインやZotac独自の設計が影響している可能性が高い。

仮にハードウェアレベルの問題であれば、影響を受けたユニットの交換が求められるが、ソフトウェアによる制限であれば、BIOSやドライバのアップデートで修正できる可能性がある。

また、ComputerBaseの報告によれば、すべてのZotac GeForce RTX 5090 Solidがこの問題を抱えているわけではなく、ROP数が仕様通りのユニットも確認されている。これは、特定のロットでのみ発生している可能性を示唆しており、購入者にとってはシリアル番号や製造時期の確認が重要となるかもしれない。

NvidiaとZotacの対応と今後の動向

現時点でNvidiaやZotacは、この問題について正式な声明を発表していない。しかし、TechPowerUpやWuxi Gamerといった情報提供者による詳細な分析が続いており、今後の動向に注目が集まる。

通常、このような問題が発覚した場合、メーカーはBIOSアップデートやリコール対応を行うケースがある。特にフラッグシップモデルであるRTX 5090は高価格帯の製品であり、仕様に満たないユニットが流通しているとなれば、ユーザーの信頼に関わる重要な問題となる。

また、仮にソフトウェア的な制限であった場合、NvidiaやZotacが修正パッチを提供することで解決する可能性もある。しかし、ハードウェア的な問題であれば、ユーザーが交換対応を求める動きが出てくるだろう。いずれにせよ、NvidiaおよびZotacからの正式な対応が待たれる状況であり、RTX 5090の購入を検討しているユーザーは、今後の情報を注視する必要がある。

Source:NotebookCheck