Appleが2025年に発表すると見られる第11世代iPadは、現行の第10世代から大きく進化する可能性が高い。2022年のデザイン刷新以来アップデートがなかったが、最新情報によると新モデルはA17 Proチップを搭載し、Apple Intelligenceに対応する見込みだ。
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発売時期については、春(3月または4月)にプレスリリースでの発表が有力視されており、価格は449ドルからになると予測されている。ディスプレイの改良やストレージ容量の拡大も期待されており、Appleのエントリーモデルながら、性能面での進化が注目される。
第11世代iPadのデザインは変わるのか? ラミネートディスプレイの採用が鍵
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現行の第10世代iPadは、2022年にデザインが刷新され、10.9インチのディスプレイやUSB-Cポートの採用など、大幅な変更が加えられた。しかし、ディスプレイについては、他のiPadシリーズとは異なり、依然として非ラミネート仕様となっている。非ラミネートディスプレイは、ガラスと液晶の間に隙間があるため、タッチ時の視差や映り込みが生じやすいという欠点がある。
第11世代iPadでは、この点が改善される可能性がある。特に、2024年に発表されたiPad AirやiPad miniがすべてラミネートディスプレイを採用していることから、AppleがエントリーモデルのiPadにもこの技術を適用するのは自然な流れといえる。もしラミネートディスプレイが採用されれば、視認性が向上し、Apple Pencilを使った手書きの精度も向上するだろう。
一方で、Appleがコストを抑えるために非ラミネート仕様を維持する可能性もある。第10世代iPadはデザインを刷新した際に価格が大幅に上昇し、ユーザーからは批判も多かった。そのため、第11世代でのコスト上昇を抑える施策として、ディスプレイの仕様を据え置く可能性も否定できない。仮にラミネートディスプレイが搭載されなかった場合、価格の据え置きや性能向上といった別の形でのバランスが取られる可能性がある。
A17 Pro搭載でどこまで進化するのか? Apple Intelligence対応の可能性
第11世代iPadには、A17 Proチップが搭載される可能性が高いと予測されている。現行の第10世代モデルはA14 Bionicを採用しており、これは2020年に登場したiPad Air第4世代やiPhone 12と同じプロセッサだ。これに対し、A17 ProはiPhone 15 Proに搭載されている最新のチップであり、パフォーマンスの向上はもちろん、AppleのAI戦略にも深く関わる重要な要素となる。
A17 Proは、GPU性能が向上しており、特にグラフィックを多用するアプリやゲームにおいて大きな違いを生む。また、Apple Intelligenceと呼ばれるAI機能に対応することで、機械学習を活用した画像処理やリアルタイム翻訳、スマートな文章補完といった新機能が追加される可能性もある。特に、Siriの高度化やiPadOSの新しいAI機能との連携が進めば、iPadの使い勝手が大きく向上することが期待される。
しかし、エントリーモデルのiPadにA17 Proを搭載することには疑問の声もある。Appleはこれまで、エントリークラスのモデルには1世代前のチップを搭載することが多く、仮にA16 Bionicが採用される可能性もある。これにより、価格を抑えつつ一定の性能向上を実現するという戦略も考えられる。どちらのチップが搭載されるにせよ、第11世代iPadのパフォーマンスが向上することは確実であり、特に長く使いたいユーザーにとっては重要なポイントとなるだろう。
価格はどうなる? 449ドルの設定が示すAppleの戦略
第11世代iPadの価格は、449ドルからになると予想されている。これは第10世代の発売時と同じ価格であり、近年のAppleの価格戦略を踏まえれば妥当なラインといえる。Appleはエントリーモデルの価格を維持しつつ、段階的な値下げを行うことで市場の需要に対応してきた。
たとえば、第10世代iPadは当初449ドルで登場したが、その後、349ドルまで値下げされ、イギリス市場では329ポンドにまで下がった。これは、Appleが市場の反応を見ながら柔軟に価格を調整していることを示している。したがって、第11世代iPadも登場後しばらくすれば、同様の価格調整が行われる可能性がある。
ただし、今回のモデルが本当に449ドルのまま維持されるかどうかは、搭載される機能次第だ。もしA17 Proが採用され、ストレージが128GBから始まるのであれば、価格が500ドル前後に引き上げられる可能性も否定できない。一方で、Appleが価格を据え置きつつ、従来の64GBモデルもラインナップに残すことで、より幅広いユーザー層を取り込む戦略を取る可能性もある。
この価格設定は、特に学生や初めてiPadを購入するユーザーにとって重要な意味を持つ。Appleは教育市場を重視しており、過去にも学生向けの割引キャンペーンを展開してきた。今回のモデルでも、発売直後に教育機関向けの特別価格が適用される可能性があり、そうなればエントリーモデルとしての魅力がさらに高まるだろう。
Source:Macworld、Cult of Mac