AMDの新プロセッサRyzen 9800X3Dに関する新情報が、Gigabyteの最新リークで明らかとなった。発売が噂されるRyzen 9800X3Dは、同社のAM5マザーボード上で「X3Dターボモード」を通じて、ゲーミングに特化したパフォーマンス向上を実現するとされる。
このターボモードはBIOSからワンクリックで有効化可能で、3D V-Cache搭載のRyzenチップでフレームレートの向上が期待できる。具体的には、『トゥームレイダー』で5%、『ホライゾン ゼロ ドーン』で4.5%の性能向上が測定されている。なお、この機能は一部の設定でマルチスレッド処理(SMT)をオフにし、ゲーム用途に特化した調整が施されている点が特徴である。
Ryzen 9800X3Dの性能と「X3Dターボモード」の実態
AMDのRyzen 9800X3DがGigabyteのAM5マザーボードでの新機能「X3Dターボモード」により、ゲーム性能の向上を目指している。VideoCardzによると、この機能はBIOSから簡単に有効化でき、マルチスレッディング(SMT)をオフにすることで、3Dゲーム向けに最適化されている。SMTの無効化は、通常、マルチコアを必要とする作業ではデメリットとなり得るが、ゲームパフォーマンスにおいては逆に効率を高める効果を発揮する。この「X3Dターボモード」を使用することで、『トゥームレイダー』で5%、『ホライゾン ゼロ ドーン』で4.5%、『ファークライ6』で3.5%の性能向上が報告されており、3D V-Cache技術の強みがゲーム分野での効果を発揮しているといえる。
一方で、このパフォーマンス向上がすべてのユーザーにとって劇的な変化をもたらすかは疑問が残る。5%程度の向上は、FPSゲームやアクションゲームにおいては効果が実感できるものの、システム全体の劇的な刷新という印象には至らない可能性がある。しかし、Gigabyteが発表する最新のBIOSによる一貫した最適化は、特にゲーム特化型PCを構築するユーザーにとって興味深い選択肢となるだろう。
最大35%のパフォーマンス向上と現実的な数値差の考察
以前Gigabyteのリークで期待されていた「X3Dターボモード」による大幅な性能向上、最大35%のブーストが噂されていたが、今回の発表はより現実的な数値となっている。この違いについて、Gigabyte側は、以前の数値にはEXPOメモリのオーバークロックも含まれていた可能性があることを指摘している。実際にゲーム環境で大幅なパフォーマンス向上を実現するには、CPU単体での強化だけでなくメモリやグラフィックスカードなどの周辺デバイスとの組み合わせが不可欠であり、GigabyteのAM5マザーボードが多面的に高い性能を発揮するには構成全体の最適化が前提条件となる。
このことから、一般的なユーザーは特定のゲームタイトルやシナリオでの性能向上には注目すべきだが、システム全体での性能アップを期待する場合、ターボモード単体での評価に偏らない視点が求められるといえる。この機能が現実にどれほどのインパクトを持つのかは、今後のユーザーからのフィードバックやレビューで明らかになるだろう。
新たな「X3Dターボモード」導入の背景にあるAMDとGigabyteの戦略
AMDが新たに導入したRyzen 9800X3Dと、GigabyteのAM5マザーボードでの「X3Dターボモード」発表は、激化するゲーム特化型CPU市場での競争に応えるための動きといえる。特にIntelが市場で次世代CPUの発表を控えているなかで、AMDは既存ユーザーに対し新技術を提供し、長期的にその価値を引き出す戦略を選んでいるようだ。3D V-Cacheの採用は、ゲームタイトルに特化した高性能なCPU選択肢を提供するものであり、今回のターボモードがワンクリックで性能を引き上げられる点は、AMDとGigabyteがエントリーユーザーの簡便さに配慮していることを示している。
また、GigabyteのAM5マザーボードによるワンタッチ最適化が示すように、今後もAMDとGigabyteの提携によってシステム全体での利便性を高める施策が展開される可能性がある。これによりユーザーは、今後もBIOSの更新やマザーボードの特化機能によってさらなる性能向上が期待でき、AMDおよびGigabyteの信頼性の向上にもつながるであろう。