Appleは2024年にiPad ProへM4チップを搭載し、大きな話題を呼んだ。しかし、次世代のM5チップについては、従来の流れに戻り、Macが先行搭載する可能性が高いと報じられている。
著名なApple情報筋Mark Gurman氏によると、M5チップは2024年後半に登場予定のMacBook Proシリーズに最初に採用され、その後2026年前半にiPad Proへと展開される見込みだ。AppleがiPad Proを毎年刷新する製品として扱ってこなかったことを考えると、この流れは自然なものとも言える。
M4チップ搭載のiPad Proは、OLEDディスプレイや強力なパフォーマンスを実現し、ユーザーにとって十分な性能を提供している。AppleがMacを優先するのは、技術的・戦略的な観点からも納得のいく動きだろう。
M5チップはMacBook Proが先行採用へ—Appleの意図とは
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AppleがM5チップをまずMacBook Proに搭載する背景には、同社の製品戦略の変化があると考えられる。これまでの流れでは、M1・M2チップはMacに先行搭載され、M3チップではMacの後にiPad Proが登場する形となった。しかし、M4チップは異例の展開を見せ、Macよりも先にiPad Proへと搭載された。
今回のM5チップでは、Appleは従来のパターンに戻すようだ。Mark Gurman氏によれば、M5チップを最初に搭載するのは2024年後半のMacBook Proであり、iPad Proへの搭載は2026年前半になるとされている。MacBook Proのリフレッシュモデルが最先端のチップを採用するのは、Macユーザーにとっては朗報だろう。
M5チップの具体的な性能については現時点で明らかになっていないが、Apple Siliconの進化を考えれば、CPUやGPUの強化に加え、電力効率の向上が期待できる。Macは長時間の高負荷作業にも耐える設計が求められるため、新たなプロセッサの恩恵を最大限に受けることができるだろう。
iPad Proのアップグレードサイクルは今後も変化するのか
iPad ProがM4チップを搭載した際、AppleはM3をスキップするという異例の決断を下した。この背景には、OLEDディスプレイの採用と薄型化による発熱問題の解決が大きく関係していると考えられる。M4は単なるスペック向上だけでなく、iPad Proの設計を進化させる要素として活用された。
このことから、iPad Proのアップグレードサイクルは必ずしも毎年行われるものではなく、Appleの技術革新や製品設計に応じて柔軟に変更される可能性がある。iPad Proのターゲット層を考えれば、Macのように毎年の性能向上を求められる製品ではなく、むしろ革新的なハードウェアの進化が重視される傾向にある。
M5搭載のiPad Proが2026年前半まで登場しないとすれば、それは単にチップの移行タイミングの問題ではなく、Appleが新しい技術を投入する適切なタイミングを見極めているとも考えられる。M4チップ搭載モデルは十分な性能を持ち、次世代の進化に向けた準備期間が設けられているのかもしれない。
MacとiPadの関係性は今後どうなるのか
Appleは近年、MacとiPadの境界線を曖昧にしつつある。iPad ProにはMシリーズチップが搭載され、パフォーマンス面ではMacに匹敵するレベルまで進化している。さらに、iPadOSの強化によって、外部ディスプレイ対応やマルチタスク機能が充実し、ノートPCに近い使い方が可能になった。
しかし、MacとiPadの違いは依然として明確だ。Macは従来のデスクトップ・ノートPCとしての役割を維持しながら、MacBook AirやMacBook Proなど幅広いモデル展開がされている。一方、iPadはタブレットとしての直感的な操作性を武器に、クリエイターやモバイルワークユーザーに最適化されている。
M5チップがまずMacBook Proに採用されるという情報は、Appleが依然としてMacをパフォーマンス重視のデバイスとして位置付けていることを示唆している。iPad Proは単なる性能向上だけでなく、デザインや機能面での革新が求められる製品であるため、Macとは異なる進化を遂げる可能性が高い。今後もAppleの製品戦略に注目が集まりそうだ。
Source:Trusted Reviews