Google Pixelの独自機能「Now Playing(この曲なに?)」が、昨年から正常に動作しないという問題が報告され続けている。周囲の音楽を自動で認識し、曲名やアーティスト名を表示するこの機能が、多くのユーザーの端末でほぼ機能しなくなっているのだ。

手動スキャンを試みても「音楽が見つかりません」と表示されることが多く、Pixel 6シリーズ以降のほぼすべてのモデルで問題が発生。Googleのバグ追跡システムにも多数の報告が寄せられているが、根本的な解決策はまだ示されていない。

最近のアップデートで一部の関連問題は修正されたものの、楽曲認識機能自体の不具合は依然として続いている。キャッシュの削除が一部のユーザーには有効とされているが、すべての端末で効果があるわけではなく、公式の対応が待たれている。

Pixelユーザーを悩ませる「Now Playing」の不具合とは

Google Pixelの「Now Playing」は、端末が周囲の音楽を自動で識別し、楽曲情報を即座に表示する機能だ。これにより、外出先で気になった曲をすぐにチェックできる便利さが評価されてきた。しかし、この機能が突如として正常に動作しなくなったという報告が相次いでいる。

具体的な症状としては、楽曲の自動認識が行われない、または手動検索を試みても「音楽が見つかりません」とエラーメッセージが表示されるといったものだ。この問題は特定のPixelモデルやAndroidバージョンに限定されず、Pixel 6シリーズ以降の端末で幅広く発生していることが確認されている。

Googleのバグ追跡システム「Android Issue Tracker」には2024年半ばから不具合報告が寄せられ続けており、依然として解決には至っていない。さらに、最近のAndroid System Intelligenceのアップデートでは一部の関連問題が修正されたものの、楽曲認識の不具合自体は改善されていないのが現状だ。

Now Playingの強みと、楽曲検索ウィジェットとの違い

Googleには「楽曲検索」ウィジェットという別の音楽認識機能もあるが、「Now Playing」との違いは大きい。楽曲検索ウィジェットは、ユーザーが手動で検索ボタンを押して音楽を識別する方式であるため、リアルタイムの利便性に欠ける。一方で、Now Playingは自動的にバックグラウンドで動作し、ユーザーが意識せずとも曲情報を取得できる点が強みだ。

また、Now Playingは識別した楽曲の履歴を端末内に記録し、後からリストを確認できる機能も備えている。これにより、街中で耳にした曲を後で調べたり、気に入った曲をプレイリストに追加する際に役立つ。しかし、この不具合が続く限り、Now Playingの最大の利便性が損なわれたままとなる。

GoogleはすでにNow Playingのバグについて認識している可能性が高いが、現時点で公式の対応は発表されていない。過去にもソフトウェアのアップデート後に特定機能が一時的に不具合を起こすケースがあったため、今回の問題も将来的なアップデートで修正される可能性はある。

ユーザーが試せる回避策と、今後の展望

現時点では完全な解決策は存在しないが、一部のユーザーは「Android System Intelligence」のキャッシュをクリアすることで、Now Playingの動作が改善されたと報告している。手順としては、「設定」→「アプリ」→「すべてのアプリ」→「Android System Intelligence」→「ストレージとキャッシュ」→「キャッシュを削除」を実行する方法がある。

しかし、この回避策がすべてのユーザーに効果があるわけではなく、端末や環境によっては改善が見られないケースもある。そのため、Googleが正式な修正を提供しない限り、一部のユーザーはNow Playingを無効化する選択肢を取らざるを得ない状況となっている。

Google Pixelの強みの一つであるNow Playingが正常に機能しないことは、多くのユーザーにとって大きな不満点となるだろう。Googleがこの問題にどのように対応するのか、今後のアップデートに注目が集まる。

Source:Android Headlines