Windows 11 24H2のユーザーを悩ませていたOutlookのドラッグ&ドロップ機能の不具合が、マイクロソフトの最新アップデートで修正された。この問題は2025年1月と2月のWindowsアップデート適用後に発生し、メールやカレンダーアイテムの移動ができなくなるというもの。
影響を受けたユーザーは、最新の非セキュリティ更新(KB5052093)を手動でインストールすることで解決できる。ただし、この修正アップデートはオプション扱いのため、「Windows Update」から自ら適用する必要がある。また、プレビュー更新を避けたい場合は、Outlookの「互換性の最適化」設定を無効化することで、一時的に問題を回避する方法も提供されている。
なお、この不具合はWindows 11 24H2のみに影響し、他のバージョンでは発生していないことが確認されている。さらに、Windows 11 24H2ではAutoCAD 2022との互換性問題も発覚し、マイクロソフトは該当ユーザー向けのアップデート提供を一時停止する措置を取っている。今後も安定性向上のため、細かな修正が続くと見られる。
マイクロソフトが修正したOutlookの不具合とは
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Windows 11 24H2環境で発生していたOutlookのドラッグ&ドロップ不具合は、2025年1月と2月のWindowsアップデート後に多くのユーザーに影響を与えた。具体的には、KB5050094(1月)およびKB5051987(2月)の更新を適用した後、従来のOutlookアプリでメールやカレンダーアイテムをドラッグしても移動ができず、カーソルが「禁止」マークに変わるという問題が発生した。
マイクロソフトはこの不具合を認識し、2025年2月後半に提供された非セキュリティ更新KB5052093によって修正を行った。この更新プログラムはオプション扱いのため、自動適用はされず、ユーザー自身がWindows Updateの設定から手動でダウンロードする必要がある。なお、このバグはWindows 11 24H2のみに影響し、他のバージョンでは発生していないことが確認されている。
不具合の影響は、Outlookを日常的に業務で使用するユーザーにとって特に大きかった。メール管理の際にドラッグ&ドロップを活用する人は多く、急に操作ができなくなったことで生産性が大幅に低下する事態となった。特にカレンダーの予定移動ができなくなることで、スケジュール管理に支障をきたすケースもあったようだ。
アップデート以外の回避策と適用の注意点
この不具合の修正を適用する方法は、KB5052093のインストール以外にも存在する。マイクロソフトは公式サポート文書で、プレビュー更新を避けたいユーザー向けに一時的な回避策を案内している。その方法の一つが、「互換性の最適化」設定を無効化することである。
Outlookのオプションメニューから「ファイル」→「オプション」→「一般」タブを開き、「最適な外観に調整」オプションを選択することで、一部の環境では問題を回避できるとされている。ただし、この設定変更がすべての環境で効果的かどうかは不明であり、根本的な解決には至らない可能性がある。
特に企業環境ではシステム管理者がポリシーを設定しているケースも多く、個々のユーザーが自由に設定を変更できない場合もある。また、手動でKB5052093を適用する際には、他の更新内容にも注意が必要だ。今回のアップデートには、Outlookの修正以外にも非セキュリティ関連の改善が含まれており、それらが既存の環境にどのような影響を与えるかを事前に確認することが推奨される。
また、手動更新を行う場合、Windows Updateの「オプションの更新」セクションから直接ダウンロードできるが、企業環境では管理者権限が必要になるケースがある。個人ユーザーであれば比較的簡単に適用できるが、管理されたネットワーク環境では適用が制限されることもあるため、導入前に確認が必要だ。
Windows 11 24H2では他にも互換性問題が発生
今回のOutlookの不具合とは別に、Windows 11 24H2では他のソフトウェアとの互換性問題も報告されている。マイクロソフトは2025年2月、AutoCAD 2022とWindows 11 24H2の間に互換性の問題があることを認識し、一部のPCで24H2へのアップグレードを一時停止する措置を取った。
具体的には、AutoCAD 2022をインストールしているPCでは、Windows Updateを通じた自動アップグレードがブロックされている。これは、業務でAutoCADを使用しているユーザーにとって大きな影響を及ぼす可能性がある。
設計業務や建築関係など、AutoCADに依存する職種では、互換性の問題が作業効率の低下やデータの破損を引き起こす恐れがある。そのため、マイクロソフトが互換性問題を完全に解決するまで、Windows 11 24H2へのアップグレードを控えるのが賢明な判断となるだろう。
今後もWindows 11 24H2のアップデートに伴い、細かな修正や追加の不具合報告が発生する可能性はある。マイクロソフトは継続的な改善を進めているが、安定した環境を求めるユーザーは、新しい更新を適用する前に不具合情報を確認し、慎重に導入することが求められる。
Source:Neowin