2023年に高い評価を受けた「OnePlus Open」を投入したOnePlusだが、2025年には新しい折りたたみスマートフォンを発売しないと発表した。この決定は、多くのユーザーにとって予想外であり、業界の競争環境にも影響を与える可能性がある。
折りたたみスマートフォン市場は、2019年の「Galaxy Fold」以来、サムスンが主導してきたが、近年は革新が停滞しているとの声もある。一方で、HonorやXiaomiなどの中国メーカーが新たなデバイスを発表し、競争は続いている。しかし、多くのメーカーが中国市場向けに限定しており、サムスンの牙城を崩すまでには至っていない。
そんな中、2023年に登場した「OnePlus Open」は、サムスンを脅かすほどの完成度を誇り、販売面でも成功を収めた。それにもかかわらず、OnePlusは「OnePlus Open 2」を2025年に投入しないと発表。その理由として、「すべての製品カテゴリーにおいて新たな基準を確立するため」と説明しているが、同じ技術を持つOppoの「Find N5」が存在することを考えると、不可解な決定に映る。
2025年にはAppleの参入も噂されており、市場の競争は新たな局面を迎えるかもしれない。しかし、OnePlusの撤退によってサムスンが引き続き市場をリードする状況が続く可能性が高い。今後、Googleの「Pixel Fold」シリーズが競争を促すのか、それとも新たなプレイヤーが登場するのか、折りたたみスマートフォン市場の今後が注目される。
OnePlus Openの成功が示した折りたたみスマートフォンの可能性
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OnePlusが2025年に折りたたみスマートフォンを投入しない決定を下した一方で、同社が2023年に発売した「OnePlus Open」は、折りたたみデバイスに対する市場の関心の高さを証明した。このデバイスは、Oppoの「Find N3」をベースにしつつも、独自の改良を施し、特にグローバル市場で高く評価された。
その要因の一つが、圧倒的なディスプレイ品質である。120Hzのリフレッシュレートを備えたLTPOパネルを採用し、一般的な折りたたみスマートフォンで問題になりがちな「折り目」の目立ちにくさを実現した。また、カメラ性能にもこだわり、Hasselbladとの協力による高品質な写真撮影機能を搭載。多くの折りたたみデバイスがカメラ性能を妥協する中で、この点は特にユーザーの支持を集めた。
さらに、耐久性の高さもOnePlus Openの強みとなった。ヒンジ部分には新しい合金素材を使用し、折りたたみ耐久回数を大幅に向上させたとされる。これにより、長期間使用しても軋みやガタつきが発生しにくくなり、日常使いにおいても安心感があるデバイスとして評価された。こうした特徴から、「OnePlus Open」は折りたたみスマートフォンの可能性を広げたと言える。もし「OnePlus Open 2」が登場すれば、さらなる進化が期待されていただけに、その発売中止は多くのユーザーにとって残念な決定となった。
Oppo Find N5の存在が示唆するOnePlus Open 2の未発表理由
OnePlusが折りたたみスマートフォンの開発を中止した一方で、Oppoは「Find N5」の準備を進めているとされる。このデバイスは、薄型設計と軽量ボディを特徴とし、従来の折りたたみスマートフォンの課題であった重量の問題を解決する可能性がある。特に、ヒンジ部分の改良により、開閉時のスムーズさや耐久性が向上していると報じられている。
OnePlusとOppoはどちらもBBKエレクトロニクス傘下のブランドであり、これまでも技術を共有してきた。OnePlus OpenがOppo Find N3をベースにしていたことを考えれば、「Find N5」をベースにした「OnePlus Open 2」が登場する可能性は十分にあった。しかし、OnePlusは2025年の折りたたみスマートフォン市場への参入を見送る決断を下した。
この背景には、ブランド戦略の変更や、市場の需要予測が影響している可能性がある。OnePlusはこれまで「フラッグシップキラー」として、コストパフォーマンスに優れたデバイスを提供することに注力してきたが、折りたたみスマートフォンは高価格帯の製品が中心となる。そのため、今後のラインナップをより競争力のある価格帯に絞る意図があるのかもしれない。また、Oppoが自社ブランドで「Find N5」をグローバル展開する計画があるとすれば、OnePlusの折りたたみスマートフォンが市場に投入されないのも納得できる。
折りたたみスマートフォン市場の競争と今後の展望
折りたたみスマートフォン市場はサムスンがリードしているが、近年は競争が激化している。HonorやXiaomiなどの中国メーカーもこの分野に積極的に参入し、特に中国国内では多様な選択肢が存在している。しかし、グローバル市場においては、サムスンの「Galaxy Z」シリーズが依然として圧倒的なシェアを維持している状況に変わりはない。
Googleの「Pixel Fold」はサムスンに対抗し得る存在として期待されたが、初代モデルは完成度に課題があり、大きな市場シェアを獲得するには至らなかった。ただし、2024年に登場した「Pixel 9 Pro Fold」は改良が進んでおり、2025年以降の市場動向に影響を与える可能性がある。
また、最も注目されるのはAppleの動向である。Appleは折りたたみスマートフォン市場への参入を慎重に検討しており、2025年にも何らかの発表があるのではないかと予測されている。もしAppleが本格的にこの分野に参入すれば、市場のバランスが大きく変わる可能性がある。
OnePlusが折りたたみスマートフォン市場から一時撤退することで、サムスンの独走状態が続く可能性が高いが、競争が完全に停滞するわけではない。新たなプレイヤーの登場や技術革新によって、今後も市場の変化が続くことは間違いない。
Source:9to5Google