ASUSが新たに発表した「NUC 15 Pro」は、Intelの最新プロセッサ「Core Ultra 200」シリーズを搭載したミニPCだ。小型ながら高い処理能力を備え、最大96GBのDDR5メモリに対応することで、快適な動作環境を提供する。

本製品には専用グラフィックカードは搭載されていないが、「Intel Arc 140T」統合GPUが搭載されており、グラフィック処理の性能も強化されている。さらに、Wi-Fi 7やThunderbolt 4といった先進的な接続規格に対応し、さまざまな用途に適した構成となっている。

最大4TBのストレージ拡張が可能で、将来的なアップグレードにも柔軟に対応できる点が特徴だ。ASUSは具体的な発売日や価格をまだ発表していないが、詳細情報の公開が待たれる。

Core Ultra 200シリーズ搭載で進化した処理性能と省電力性

ASUSの「NUC 15 Pro」は、Intelの最新プロセッサ「Core Ultra 200」シリーズを採用し、処理性能と省電力性の両立を実現している。このシリーズは「Arrow Lake-H」および「Raptor Lake-U/H」アーキテクチャを基盤とし、マルチタスク処理や動画編集などの負荷が高い作業でも快適に動作する。特に「Core Ultra 7 265H」や「Core Ultra 7 255H」は、高クロックのパフォーマンスコアと電力効率の良いEコアをバランスよく組み合わせており、性能を最大限に引き出す設計となっている。

一方、省電力性の向上も見逃せない。Intelの次世代プロセス技術によって、電力あたりのパフォーマンスが向上し、従来モデルよりも発熱が抑えられている。これにより、小型フォームファクターのミニPCでも冷却性能を確保しながら高い性能を維持できる。

この進化により、一般的なオフィスワークや動画ストリーミングだけでなく、軽量なクリエイティブ作業やエンターテインメント用途にも適したPCとなっている。これまでのNUCシリーズと比べ、コンパクトなサイズでありながらデスクトップ並みの処理能力を持つ点が、「NUC 15 Pro」の最大の強みといえるだろう。

専用GPU非搭載ながらも「Intel Arc 140T」が支えるグラフィック性能

「NUC 15 Pro」は、専用グラフィックカード(dGPU)を搭載していないが、Intelの「Core Ultra」シリーズに統合されている「Intel Arc 140T」グラフィックスにより、一定のグラフィック性能を確保している。このiGPUは、従来の統合グラフィックスよりもレンダリング処理能力が向上しており、軽量なゲームや4K動画のスムーズな再生が可能だ。

特に、AIを活用した映像処理やハードウェアアクセラレーションによるエンコード・デコードの高速化が期待されている。動画編集やグラフィックデザインなどの用途では、専用のGPUを持たないながらも、ある程度の作業をこなせる点が注目される。一方で、本格的な3Dレンダリングや最新のAAAタイトルのゲームには向かないため、用途に応じた選択が求められる。

ただし、ミニPCにおいて高性能なiGPUを搭載することは、デスクトップ級の性能を確保しながらも消費電力や発熱を抑えるうえで大きな利点となる。特に、狭いスペースに設置するケースが多いミニPCでは、冷却性能が制限されるため、バランスの取れた設計が重要だ。「Intel Arc 140T」の採用は、そうした設計思想を反映したものといえるだろう。

拡張性と次世代規格への対応がもたらす将来性

「NUC 15 Pro」は、コンパクトな筐体ながらも拡張性を備えており、将来的なアップグレードにも柔軟に対応できる。最大96GBのDDR5-6400メモリに対応し、M.2 2280およびM.2 2242のPCIe Gen4x4スロットを搭載することで、ストレージの増設が容易になっている。最大4TBのストレージ構成を実現できる点も、長期間の運用を考えるうえでのメリットといえる。

また、Wi-Fi 7やBluetooth 5.4といった最新の通信規格に対応している点も見逃せない。特に「Wi-Fi 7 BE201」は、320MHzの帯域幅と最大5.8Gbpsの通信速度を誇り、無線環境でも高速かつ安定した通信を実現する。これにより、リモートワークやクラウドストレージの活用がよりスムーズになることが期待される。

有線接続では、HDMI 2.1やThunderbolt 4を搭載し、複数の外部ディスプレイや高速データ転送にも対応している。さらに、2.5G Ethernetポートも備えており、高速な有線ネットワーク環境を求めるユーザーにも適している。こうした拡張性の高さは、NUCシリーズの中でも特に魅力的な要素といえる。

「NUC 15 Pro」は、コンパクトな設計ながらも、最新の技術や拡張性を重視した設計となっており、長期間にわたって高いパフォーマンスを維持できる可能性がある。ASUSが今後どのようなアップデートを加えていくのか、今後の展開にも注目が集まるだろう。

Source:TechSpot