iPhoneでの高画質動画撮影がますます進化する中、新たな外部ストレージが登場した。「Planck SSD」は、スマートフォン向けに設計された世界最小のSSDで、最大2TBの大容量を備えながら、コンパクトなデザインを実現している。現在、Kickstarterで資金調達を開始し、注目を集めている。
このSSDの最大の特徴は、ProRes 4K120fps録画に対応する転送速度だ。USB-C 3.2 Gen 2規格を採用し、最大10Gbpsのデータ転送が可能。iPhone 15 ProやiPhone 16 Proに直接接続することで、ケーブルなしでの安定した録画環境を提供するとされている。さらに、Androidデバイスとの互換性も備え、Google PixelやSamsungの一部機種でも使用可能だ。
Planckの開発者は、モバイルアクセサリーを手掛けるShiftCamの共同創業者であり、過去に数々のデザイン賞を受賞した実績を持つ。その技術力を活かし、スマートフォンユーザーにとって最適な外部ストレージを提供しようとしている。
競合製品としてはLexarの「Professional Go」が挙げられるが、Planck SSDはよりコンパクトで、より高いフレームレートへの対応をアピールしている。書き込み速度は1050MB/sで、4K120fps録画に対応すると主張するが、実際の性能については製品版でのテストを待つ必要がある。
価格は1TBモデルが125ドル、2TBモデルが199ドルと、同クラスの製品と比較して競争力のある設定だ。しかし、Kickstarterでのプロジェクトという特性上、製品化が確約されているわけではない。興味がある場合は、リスクを考慮した上で支援を検討すべきだ。
Planck SSDが登場したことで、iPhoneを使ったプロフェッショナルな動画撮影の可能性が広がるかもしれない。今後の展開に注目が集まる。
ProRes撮影に最適化された設計と競合製品との違い
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Planck SSDは、特にiPhoneのProRes録画機能を活用するクリエイターに向けた設計となっている。ProRes 4K120fpsの撮影に対応するとされ、最大10Gbpsのデータ転送速度を実現することで、大容量データの遅延を防ぐ仕様となっている。これにより、撮影中のフレーム落ちを防ぎながら、安定した高品質な映像の記録が可能となる。
競合製品として挙げられるLexar Professional Goは、Planck SSDと同様にスマートフォンに直接接続できるが、フレームレート対応が異なる。Lexarは4K60fps対応を明記している一方、Planck SSDは4K120fpsの撮影にも適応するとされている。書き込み速度に関しては、Planck SSDが1050MB/s、Lexarが1000MB/sと大きな差はないものの、Planck SSDはNVMeチップを採用しており、連続録画時の安定性に優れている可能性がある。
また、Planck SSDのもう一つの特徴は、ケーブル不要の設計だ。従来の外付けSSDはUSBケーブルを介してスマートフォンに接続する必要があったが、Planck SSDはiPhoneのUSB-Cポートに直接挿し込むことで即座に利用できる。このデザインにより、撮影時のケーブルの煩雑さを排除し、コンパクトな撮影環境を実現する。これらの点を踏まえると、Planck SSDはスマートフォンでの本格的な動画撮影に適したストレージと言える。
スマートフォンでの本格映像制作を支える新たなストレージ環境
高画質動画の撮影が一般的になるにつれ、ストレージの選択肢も進化している。iPhone 15 Proのようなデバイスでは、内部ストレージの容量が限られているため、ProRes撮影時には外部SSDの利用が推奨されている。Planck SSDは、こうしたニーズに応える形で登場し、スマートフォンを本格的な撮影ツールへと変える可能性を持っている。
特に、4K120fpsのProRes撮影は膨大なデータを必要とする。例えば1TBのストレージでは、4K60fpsで約69分、4K120fpsで約45分の撮影が可能だ。高フレームレートでの録画を重視する場合、2TBモデルを選択することで撮影時間を延ばすことができる。これにより、長時間の撮影を行うクリエイターや、イベント撮影などの用途でも実用性が増すだろう。
また、USB-C 3.2 Gen 2対応により、一部のAndroidスマートフォンでも利用可能であることも特徴の一つだ。Google PixelやSamsungの最新モデルでは、外部ストレージを活用した動画撮影が可能となっており、Planck SSDはiPhoneユーザーだけでなくAndroidユーザーにとっても魅力的な選択肢となる。
このように、Planck SSDは単なる外付けストレージではなく、スマートフォンを映像制作のツールとして活用するための重要なデバイスとなる可能性がある。クラウドファンディングを経て、実際に市場に登場するかどうかは不確定な要素もあるが、もし実現すれば、スマートフォンでの動画制作のあり方に変革をもたらすだろう。
Source:Digital Camera World