Samsungの次期フラッグシップモデル「Galaxy S26 Ultra」に、画面下カメラ(UDC: Under-Display Camera)が採用される可能性が浮上している。これにより、スマートフォンのフロントデザインからパンチホールが消え、よりシームレスな全画面体験が実現するかもしれない。
同社は過去にGalaxy Z Fold 3でUDC技術を導入しているが、画質の劣化という課題があった。今回はAI技術やソフトウェア補正の進化により、画面下カメラの性能向上が期待される。さらに、Galaxy S26 Ultraはディスプレイの輝度向上、カメラ性能の強化、バッテリーの持続時間改善など、幅広いアップグレードが見込まれている。
現時点では確定情報ではないが、Samsungの技術革新がどこまで進むのか、今後の発表に注目が集まっている。
画面下カメラの進化と従来技術との違い
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Galaxy S26 Ultraで採用される可能性のある画面下カメラ(UDC)は、従来のパンチホール方式と根本的に異なる技術である。一般的なスマートフォンでは、フロントカメラはディスプレイに穴を開けた形で配置されており、カメラが画面の一部を占有する。その結果、ベゼルレスデザインの限界となっていた。しかし、UDCではディスプレイそのものがカメラの上に配置され、使用していないときは通常の画面と変わらない見た目を実現する。
これまでSamsungが試みてきたUDC技術では、ピクセル密度を下げた領域をカメラ部分に設けることで光を取り込み、撮影を可能にしていた。しかし、この方式は画素数の低さや光の透過率の問題により、撮影時に画質が低下するという課題があった。Galaxy Z Fold 3やZ Fold 4では4MPのカメラが搭載されていたが、結果としてセルフィー用途には不向きと評価された。この問題を克服するため、SamsungはAI補正技術やソフトウェア処理を駆使し、画質の向上を図っているとされる。
加えて、新たなディスプレイ技術の導入がカメラ性能に大きく影響を与える可能性がある。Samsung Displayが開発を進めている「マルチトランスミッションディスプレイ」は、特定の光波長のみを透過させる構造となっており、これによりカメラ部分の透明度を向上させつつ、通常のディスプレイと変わらない表示品質を維持することができる。この技術がGalaxy S26 Ultraに搭載されれば、画質とデザイン性の両立が期待できるだろう。
ユーザー体験を変える可能性と懸念点
画面下カメラの導入は、スマートフォンのユーザー体験を大きく変える可能性がある。最も顕著な変化は、画面の没入感の向上だ。パンチホールやノッチがない完全なフルスクリーンディスプレイは、動画視聴やゲームプレイの際に邪魔な要素を一切排除し、よりシームレスな体験を提供する。また、カメラが見えないことにより、デバイスのデザインも洗練され、よりミニマルな外観が実現する。
しかし、一方で懸念もある。現在のUDC技術は、画質の問題を完全に解決できているとは言い難い。特に暗所撮影時には、光の透過率が低いためにノイズが増えやすく、従来のパンチホール式カメラと比べて明らかに画質が劣る可能性がある。また、カメラ部分のディスプレイ領域が他の部分と微妙に異なる表示特性を持つ場合、使用中に違和感を覚えることも考えられる。
さらに、画面下カメラを導入することで、顔認証の精度が低下する可能性も指摘されている。Samsungは現在、3D顔認証ではなく2D顔認証を採用しており、カメラの画質が低下すれば顔認証の精度も影響を受ける可能性がある。この点に関しては、超音波指紋認証技術を強化することで補完する動きがあるかもしれない。
Galaxy S26 Ultraに求められる技術革新
Galaxy S26 Ultraが真に次世代のフラッグシップモデルとなるためには、画面下カメラ以外の技術革新も重要な要素となる。リーク情報によると、S26 Ultraには200MPのペリスコープ望遠カメラが搭載される可能性がある。この技術により、ズーム性能が大幅に向上し、遠距離撮影のクオリティが飛躍的に向上するだろう。また、ディスプレイの輝度向上と省電力化も進められており、屋外での視認性向上とバッテリー持続時間の改善が期待される。
加えて、Samsungが「Galaxy S26 Note」としてのリブランドを検討しているとの噂もある。これは、Galaxy Noteシリーズの特徴であるSペンの統合や、よりビジネス用途に適した機能の追加を示唆するものかもしれない。仮にこのブランド変更が実現すれば、長年のNoteシリーズファンにとっては朗報となるだろう。
ただし、こうした革新がユーザーの期待に応えられるかどうかは、最終的な実装次第となる。画面下カメラが従来のフロントカメラと同等の品質を実現できるのか、バッテリー消費が増加しないか、Sペンの機能がどこまで進化するのかなど、多くのポイントが今後の焦点となる。Galaxy S26 Ultraは、単なるデザイン刷新にとどまらず、スマートフォンの体験そのものを進化させるモデルとなるのか、発表が待たれる。
Source:TechStory