iPhoneのGoogleアプリに搭載されている内蔵ウェブブラウザが最新アップデートで「自動ダークモード」に対応した。ウェブサイト側でダークモードが提供されていなくても、ユーザーが手動で有効化することで暗い背景の表示を適用できる。設定は保持され、必要に応じてオフにすることも可能だ。
また、これまでGoogleアプリ内で利用できたGeminiのチャット機能が削除され、代わりに専用アプリの使用が求められるようになった。昨年11月にリリースされたiPhone向けGeminiアプリがGoogleの新たな主軸となるため、今後のAI機能はそちらで提供される見込みだ。
一方、Googleは検索体験の強化を目的とした「AIモード」のテストも進めている。今後のアップデートで、さらに高度な検索機能が提供される可能性がある。
iOS版Googleアプリのブラウザに「自動ダークモード」が追加された背景
iPhoneのGoogleアプリ内蔵ブラウザに「自動ダークモード」が正式導入された。これは、ウェブサイト側でダークモードが用意されていない場合でも、Googleアプリ側で暗い配色を適用できる機能である。設定は手動で有効化する必要があるが、一度オンにすれば維持され、オフにするのも簡単だ。
この機能は昨年6月からSearch Labsでテストされ、ユーザーのフィードバックをもとに改良が進められてきた。Googleによれば「サイトの品質にはばらつきがある」とのことだが、テスト段階では概ね良好な結果が得られているという。ウェブサイトのデザインによっては、自動適用されたダークモードが完全な視認性を確保できない場合もあるが、基本的にはユーザーの目の負担を軽減する目的で設計されている。
iOSではシステム全体のダークモードがすでに実装されているが、ウェブブラウジング時に必ずしも反映されるわけではない。特に、独自のデザインを採用しているサイトでは背景が白いままのことが多く、統一感に欠ける。このため、Googleアプリの「自動ダークモード」によって、より快適な閲覧体験が可能になることが期待される。
Geminiの削除とGoogleのAI戦略の変化
今回のアップデートでは、Googleアプリ内のGeminiチャット機能が削除された。昨年はアプリ内で「検索」と「Gemini」を切り替える形式が採用されていたが、この仕様が見直され、現在はGeminiの利用には専用アプリのインストールが必要となっている。
これはGoogleがAI機能を強化するための方針転換とみられる。専用アプリでは「Gemini Live」などの最新機能が利用可能であり、Googleアプリ内の簡易版とは異なる高度な処理が可能となっている。昨年の段階ではGoogleアプリ内での利用を続ける選択肢があったものの、今回の変更により完全に統合が進んだ形だ。
この背景には、検索機能と生成AIの役割を明確に分ける意図があると考えられる。Google検索は従来のキーワード入力による情報取得を主軸とし、一方でGeminiは会話型AIとしてユーザーの質問に直接回答する形を取る。これにより、AIアシスタントとしてのGeminiの独自性を強調しつつ、Google検索と混在しない環境を作る狙いがあるのではないか。
今後のGoogle検索とAI機能の進化
Googleは現在、新たな「AIモード」を検索に導入するテストを行っている。具体的な仕様はまだ明らかになっていないが、一部のユーザー向けに初期プレビューが公開されている。
AIを活用した検索機能は近年進化を続けており、質問に対する直接的な回答や、複数の情報を統合した検索結果が表示される傾向にある。すでにGoogle検索では「SGE(Search Generative Experience)」と呼ばれるAI強化機能が導入されており、従来の検索結果とは異なる形で情報を提示する試みが進められている。
今回の「AIモード」がどのような形で正式実装されるかは不明だが、これまでの流れを踏まえると、ユーザーが求める情報により素早くアクセスできる仕組みが提供される可能性がある。AIによる回答精度の向上と、従来の検索結果とのバランスがどのように取られるのか、今後の動向に注目したい。
Source:9to5Google