サムスンの最新フラッグシップスマートフォン「Galaxy S25 Ultra」のレビューが公開され、ディスプレイやパフォーマンス面での高評価が相次ぐ一方、AI機能に関しては厳しい意見が目立っている。特に「実用的な進化」ではなく、「無理に追加された感」が強いと指摘され、期待を裏切る結果となったとの声も多い。
Galaxy S25 Ultraは、サムスンが掲げる「AI統合」の象徴として登場した。しかし、レビューでは「当たり外れのある機能」として批判される場面が目立つ。CNETのPatrick Holland氏は、「AI機能目当てで購入するのはやめた方がいい」と述べ、画像解析機能が誤った情報を提示する例を挙げながら、その精度に疑問を投げかけた。また、EngadgetやGizmodoのレビューでも「実験的な機能が多く、日常的に役立つとは言い難い」との指摘があった。
具体的には、天気や予定を自動で整理する「Now Brief」や、リアルタイム情報を表示する「Now Bar」、画面の一部を囲んで検索する「Circle to Search」などが導入されている。しかし、これらの機能は「画期的なAI」ではなく、既存の機能の延長線上に過ぎないとの見方も強い。
それでも、Galaxy S25 Ultraはハードウェア面ではトップクラスの評価を受けており、特にディスプレイやカメラの性能は申し分ないとの声もある。AI機能がどれほどの影響を与えるかは、今後のアップデート次第だろう。発売は2月7日を予定しており、ユーザーが実際にどのような評価を下すのかが注目される。
Galaxy S25 UltraのAI機能は本当に実用的か―期待を裏切ったポイント
Galaxy S25 Ultraに搭載されたAI機能は、発表当初から大きな注目を集めていた。しかし、実際にレビューが出そろうと、期待していたほどの「革新性」は感じられず、一部のユーザーからは「使いどころがわからない」との声も挙がっている。特に、サムスンが強調していたいくつかのAI機能については、日常の使用シナリオを考慮すると評価が分かれる。
「Now Brief」は、スケジュールや天気、リマインダーなどを統合的に表示する機能だが、既存のウィジェットと何が違うのか疑問を持つユーザーも少なくない。同様に「Now Bar」は、タスク管理やスポーツの試合情報などを瞬時に確認できるが、通知センターやGoogleアシスタントで代用可能なため、あえてこの機能を活用する必要性を感じにくい。
また、Googleの「Circle to Search」との連携機能も話題になったが、操作感は従来の画像検索と大差なく、すでに利用可能な検索方法と比べて明確な利便性の向上が見られないとの指摘もある。特に、「指で円を描いて検索する」という動作は直感的ではあるものの、意図しない検索が発生することもあり、誤動作がストレスになる場面もあり得る。
こうした点から、Galaxy S25 UltraのAI機能は「特定の状況下では便利だが、日常の必須機能とは言い難い」という評価が目立っている。AIを活用したスマート機能は、ユーザー体験を向上させる重要な要素ではあるものの、「ただの目新しさ」ではなく、実用性の面で納得感が得られる設計が求められる。
カメラのAI補正は本当に進化したのか―過去モデルとの比較
Galaxy Sシリーズといえば、カメラ性能の高さが特徴のひとつだ。特にAIによる画像補正機能は、毎年進化を遂げており、Galaxy S25 Ultraでも「より自然で洗練された補正が可能になった」と謳われている。しかし、実際のレビューでは、「過去モデルと比べて飛躍的な向上があるわけではない」との評価が目立つ。
CNETのPatrick Holland氏が指摘したように、AIによるシーン解析は依然として誤作動を起こすことがある。例えば、風景写真で本来の色味が大きく変わってしまったり、ポートレートモードで背景のぼかしが不自然になったりするケースが報告されている。特に、ナイトモードに関しては「Galaxy S24 Ultraと比較して明確な進化が感じられない」というレビューもあり、過去モデルと大きな差別化ができていないことが問題視されている。
また、AIの画像認識を活用した「オブジェクト削除」機能も注目されたが、完全に精度が向上したとは言い難い。不要なオブジェクトを削除した際、背景の補完が不自然になったり、細部がぼやけたりすることがあり、Adobe Photoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」ほどの完成度には至っていない。
これらの点から、Galaxy S25 UltraのカメラAIは、確かに改良が加えられているものの「飛躍的な進化」とまでは言えない。過去モデルを持っているユーザーが、カメラ性能の向上を目的に買い替える価値があるかどうかは、実際の使用環境による影響が大きいだろう。
Galaxy S25 UltraのAIは「本物のスマート化」か、それとも流行の波に乗っただけか
スマートフォン市場では、「AI統合」がキーワードとなりつつある。サムスンはGalaxy S25 Ultraを「AI時代の象徴」と位置づけているが、実際のレビューを見ると「AIの本質的な価値とは何か」という点で疑問が残る。
現在、多くのメーカーがAI機能を前面に押し出しているが、ユーザーが求めるのは「日常を確実に便利にする技術」だ。例えば、GoogleのPixelシリーズが搭載する「通話のリアルタイム要約」や「写真編集の高度な補正」は、具体的な問題解決につながる機能として評価されている。一方、Galaxy S25 UltraのAI機能は、「新しさ」はあるものの、実際にどれほどの利便性を提供できるかについては評価が分かれている。
AIの進化は、単に「機能を追加すること」ではなく、ユーザーが意識せずに快適に使えるかどうかが重要だ。例えば、Googleアシスタントのように、ユーザーが特別な操作をしなくても情報を最適化してくれる仕組みが理想的といえる。一方、Galaxy S25 UltraのAI機能は、ユーザーが積極的に利用しなければその価値を感じにくいものが多く、「結局手動で設定する手間がかかる」という意見も見受けられる。
このことから、Galaxy S25 UltraのAIは「実験的な試み」としての側面が強く、今後のソフトウェアアップデートや次世代モデルでのブラッシュアップが期待される。AI機能が本当に「生活を変えるツール」になるのか、それとも「話題性のための付加価値」にとどまるのか、その答えが出るのはもう少し先になるだろう。
Source:TweakTown