2024年第4四半期、中国スマートフォン市場でHuaweiが18.1%の市場シェアを獲得しトップに返り咲いた。同期間の売上は前年比15.5%増と大幅に成長。これに対しAppleは18.2%の売上減少により、首位から第3位に転落した。第2位には売上が3.9%増加したXiaomiが浮上した。

Huaweiの復活には独自開発のKirin 5Gプロセッサが寄与しており、アメリカの制裁措置を国内製造への移行で克服。2024年通年では市場全体が前年比1.5%増加した一方で、第4四半期の売上は3.2%減少。市場動向は新たな競争局面を迎えている。

Huaweiの復活に貢献したKirinプロセッサの技術的進化

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Huaweiの2024年第4四半期での市場シェア拡大は、Kirin 5Gプロセッサの成功によるものである。このプロセッサは、SMIC(中芯国際集成電路製造)が7nmプロセスを使用して製造した最新のKirin 9020を搭載しており、Huaweiのフラッグシップモデル「Mate 70」シリーズに採用されている。この技術革新は、アメリカによる厳しい制裁措置を受け、同社が国内生産へとシフトした結果である。

制裁措置により、アメリカの技術を使用した半導体の輸入が制限される中、Huaweiは独自の技術開発に注力した。特に、SMICと協力して製造された半導体は、5G通信の対応力と性能向上を実現した点で評価が高い。この成果は、制約が強い環境下でも自国の技術資源を活用して競争力を維持するモデルケースと言える。

ただし、米国の規制が継続する中で、Huaweiが今後もこの技術優位を維持できるかは課題である。中国の半導体産業の基盤強化が続けば、同社の競争力はさらに高まる可能性があるが、国際市場での拡大にはさらなる課題が残るといえる。

Appleの苦戦が示す高価格戦略の限界

Appleが2024年第4四半期に18.2%の売上減少を記録した背景には、高価格戦略が一因として挙げられる。同社のプレミアムモデルは依然として人気があるものの、中国市場では中価格帯の競争が激化しており、Xiaomiやvivoなどのブランドが性能と価格のバランスを強みにシェアを拡大している。

また、Appleの価格設定が一部の消費者層から敬遠されていることも課題とされる。Xiaomiのようなブランドは、性能を重視する一方で価格を抑えた製品を提供し、多様なニーズに応えている。これにより、Appleがかつて独占していた高価格帯市場から、より競争の激しい状況に追い込まれている。

さらに、中国市場全体での消費動向にも変化が見られる。経済成長の鈍化や購買力の変動が消費者心理に影響を与え、高価格製品の購入を控える傾向が強まっている。Appleがこれを打開するには、ローカル市場に特化した戦略を展開し、新しい価値提案を行う必要があるだろう。

市場シェアの変化が示す競争の新たな局面

2024年第4四半期、中国スマートフォン市場全体では前年同期比で3.2%の売上減少が見られたが、その中でもHuaweiやXiaomiはシェアを拡大させている。特に、vivoが第4位から第3位に浮上した点も注目に値する。この変化は、個々のメーカーが競争力を高めるための異なる戦略を採用していることを示している。

一方で、HonorやOppoのようにシェアを落としたブランドも存在しており、市場全体の競争が激化していることが伺える。Honorは前年同期比で12.8%の売上減少を記録し、市場シェアを縮小させた。この結果は、新しい製品開発や市場投入タイミングが遅れたこと、あるいは競合他社に対する差別化が不足した可能性を示唆している。

全体として、中国市場では従来のモデルだけではなく、ローカルブランドがより迅速に市場変化へ対応している。この傾向は、国際的な市場競争にも波及する可能性が高く、今後の業界全体の動向を注視する必要がある。

Source:PhoneArena