Google Chromeの最新アップデートにより、「リンクがコピーされました」「画像がコピーされました」などの通知ポップアップが追加され、不便さがユーザーの間で話題となっている。これらのポップアップは、コピー操作の完了を知らせる目的で表示されるが、約10秒間も画面に残る場合があり、作業の妨げとなることも少なくない。

この煩わしい通知は簡単な設定で無効化できる。具体的には「chrome://flags」で「Top Chrome Toasts」を無効にすることで、煩雑な通知を制御可能だ。さらに、Googleは今後も新たな通知機能の追加を計画しており、こうした通知がChromeユーザーの利便性向上に寄与するとしているが、ユーザーの評価は分かれている。

一方で、Microsoft Edgeではこうした通知が導入されておらず、他の利便性を追求した機能開発に注力している。

ChromeのトーストアクションUIとは?煩わしい通知の背景にある狙い

Google Chromeの最新アップデートでは、コピーや追加操作に伴う通知機能「トーストアクションUI」が新たに導入された。「リンクがコピーされました」「画像がコピーされました」といった小さなポップアップが画面に表示され、操作が正常に完了したことを視覚的に知らせる役割を果たす。

これは、Googleによると、ユーザーが操作の確認を簡単に行えるようにするための機能であり、特にリーディングリストへの追加やクリップボードへのコピーが正確に実行されたかをユーザーに伝えるために設計された。

このUI導入の背景には、Chrome全体での通知標準化があるとされる。これによりウェブ開発者が自前の通知機能を開発する負担が軽減され、ブラウザ上でのユーザー体験が統一されることが期待されている。しかし、こうしたポップアップが10秒間も残ることがユーザーにとって煩わしさを増す一因となっている。

このトーストアクションUIについて、Windows Latestが報じた情報によれば、Googleはこの変更がユーザーにとって有益であると考えているものの、果たしてユーザーに歓迎される改善かどうかには疑問も残る。

トーストアクションUIの無効化方法と通知表示時間の調整

「リンクがコピーされました」「画像がコピーされました」といった通知をオフにしたい場合には、Chromeの隠し設定である「chrome://flags」から設定変更が可能である。

手順は簡単で、まず「chrome://flags/#top-chrome-toasts」を開き、「Top Chrome Toasts」オプションを「Disabled」に設定するだけで通知を完全に無効化できる。これにより、作業の邪魔となるポップアップ表示を避けられる。

また、トーストの表示時間を短縮したい場合には、「Enabled with 8s, 10s, or 12s」のオプションから秒数を指定できる。これはChromeの次期リリースでも引き続き提供されるとされており、ユーザーごとに表示時間を選択できる柔軟な仕組みだ。

しかし、こうした設定変更が一般ユーザーにとって容易ではない点は課題であり、日常的な使い勝手を考えるとUIのデフォルト設計に再検討の余地があるかもしれない。

Chromeの通知機能とMicrosoft Edgeの対比、他ブラウザが目指すユーザー体験

GoogleがトーストアクションUIを通じてユーザー体験を向上させる意図を持つ一方で、Microsoft Edgeはこうした通知ポップアップを採用せず、異なる方針をとっている。Microsoftは、より重要な機能であるアドレスバーの下部配置や拡張機能のサポートといったユーザビリティの向上に焦点を当て、視覚的な通知よりも操作の快適性に重きを置いているようだ。

ユーザーの中には、Microsoft Edgeのように余計な通知が少ないブラウザを好む層もおり、ポップアップに煩わしさを感じるChromeユーザーがEdgeに移行する可能性もある。

通知がユーザー体験にどのように影響するかは、ブラウザ選びの一つの指標となり得る。今後、Chromeがこうした通知をどのように進化させるのか、また他のブラウザがどのように差別化を図るかに注目が集まる。