2026年に登場予定のGoogle Pixel 11シリーズのコードネームが明らかとなり、「熊」をテーマとした命名が採用されることが判明した。Pixel 11は「cubs」、Pixel 11 Proは「grizzly」、折りたたみモデルPixel 11 Pro Foldは「yogi」といった具合に、各モデルごとに異なる熊の名前が付けられている。

また、Pixel 10aにはコスト削減策としてTensor G4が搭載される可能性が報じられ、Googleがミッドレンジモデルに完全カスタムのTensor G5を導入するか否かを検討中との情報も注目されている。この背景には、新チップの製造コストが影響しているとみられる。Aシリーズの価格上昇傾向を踏まえ、今後の価格動向や戦略の詳細が期待される。

Pixel 11シリーズの命名に込められたGoogleの意図とは

GoogleはPixelシリーズの命名テーマを世代ごとに変更してきた。Pixel 6では鳥、Pixel 7では猫、Pixel 8では犬、Pixel 9では爬虫類、そしてPixel 10では馬がテーマとなった。この流れに続くPixel 11では「熊」が選ばれているが、この動きは単なる趣向の変化ではない。

Pixel 11では、より力強く多様な選択肢を提供するという製品哲学が、このテーマに反映されている可能性が高い。特に「cubs」「grizzly」「kodiak」など、各モデルに与えられた名称は、ユーザー層や市場に応じた製品の差別化を象徴していると考えられる。

これらの熊の種類は生息地や大きさが異なり、多様性と力強さを兼ね備えている点が共通している。これは、エントリーモデルから折りたたみモデルまで幅広く展開されるPixel 11シリーズの製品戦略に重なる部分がある。

命名に込められたこうした意図を理解することで、Googleの製品設計やマーケティング戦略をより深く読み解くことができる。

Tensor G4とG5の選択が意味するもの

2026年に向けてGoogleがTensor G4をPixel 10aに搭載する可能性が浮上しているが、ここには重要な戦略的判断が隠されている。Tensor G4はSamsung設計のプロセッサであり、2024年のPixel 9シリーズで初登場した。これを継続して使用することで、製造コストを抑える狙いがあるとされる。

一方、完全カスタムのTensor G5は物理的に大きなチップであり、開発コストが高い点が課題とされている。この技術的な進化がPixel 10やPixel 11の価格にどのような影響を及ぼすのかは依然として不透明であるが、Googleがミッドレンジ市場において価格競争力を保つことを優先している可能性が考えられる。このような選択は、Aシリーズの価格が年々上昇している現状を反映しており、今後の価格設定にも注目が集まるだろう。

Tensor G5の性能向上が予測される中、Googleがどのタイミングでこのプロセッサをミッドレンジモデルに投入するかが、同社の技術革新と市場戦略を測る重要な指標となるだろう。

折りたたみモデルの普及とGoogleの挑戦

Pixel 11シリーズには、折りたたみモデルであるPixel 11 Pro Foldがラインアップに含まれる。これは、Googleが高価格帯市場でAppleやSamsungといった競合他社に対抗するための戦略的な一手といえる。折りたたみスマートフォン市場は急速に成長しており、Googleがこの分野に進出することで、同社のブランド力をさらに高める狙いがあると推測される。

Pixel 11 Pro Foldのコードネーム「yogi」も興味深い。ヨギという名は親しみやすさを想起させる一方で、高性能と革新性を備えたモデルであることを暗示しているようだ。このモデルが単なる実験的製品ではなく、主力モデルの一つとして市場での地位を築けるかが重要な焦点となるだろう。

折りたたみ技術の向上や製造コストの低下が進めば、より多くの消費者に手が届く価格帯での提供が可能となるかもしれない。しかし、Googleが競合製品との差別化をどのように図るのかについては、まだ多くの未知数が残っている。Pixel 11シリーズにおける折りたたみモデルの役割は、同社のイノベーションと市場戦略を示す象徴となるに違いない。

Source:9to5Google