Lenovoの新型ゲーミングデバイス、Legion Go 2とLegion Go Sが注目を集めている。Legion Go SはWindows 11モデルとSteamOSモデルの2種類を展開し、持ち運びやすいデザインと手頃な価格帯が魅力。

一方、CES 2025で披露されたLegion Go 2は8.8インチOLEDディスプレイや取り外し可能なコントローラーを備え、圧倒的な性能を誇るプロトタイプだ。発売が近いLegion Go Sは実用性に優れるが、Legion Go 2はそのスペックからさらなる可能性を秘めている。どちらを選ぶべきかは、用途と購入タイミングが鍵となる。

Legion Go 2が示す未来のポテンシャルと課題

Legion Go 2はCES 2025で公開されたプロトタイプモデルであり、技術革新が際立っている。その中でも特筆すべきは8.8インチのOLEDディスプレイである。144Hzの高リフレッシュレートと広い色域により、これまで以上に没入感のある視覚体験を実現している。

さらに、取り外し可能なコントローラーやスタンドの搭載により、多様なプレイスタイルが可能で、デバイスの柔軟性を大幅に向上させた。一方で、プロトタイプゆえに最終仕様が未確定であり、発売時期が明らかになっていない点は注意が必要である。

特にAMD Ryzen Z2 ExtremeプロセッサとRDNA 3.5グラフィックスの性能は魅力的だが、製品化に向けてコストや供給面の課題が残されている可能性がある。Windows Centralの報告でも、このデバイスが市場に出るまでの期待と不確実性の両方が指摘されている。

これらの特徴から、Legion Go 2はハイエンドモデルとしての位置づけを狙っていると考えられる。しかし、それを受け入れる市場の反応次第で、価格や機能が調整される可能性もあるだろう。


Legion Go Sが生み出す実用性と多様性

Legion Go Sは、Windows 11とSteamOSの2モデルを展開し、使い勝手の幅広さが大きな特徴である。特にSteamOSモデルは、直感的な操作性とゲーム特化のUIを提供する一方で、Windows 11モデルは一般的なアプリケーションや多目的利用にも対応可能だ。価格帯が$499.99からと比較的抑えられている点も、多くのユーザーにとって魅力的である。

また、8インチのLCDディスプレイや120Hzのリフレッシュレートは、十分なパフォーマンスを発揮する仕様である。しかし、取り外し可能なコントローラーやスタンドが非搭載である点は、Legion Go 2と比べて拡張性が制限される。一方で、コンパクトなデザインは携帯性に優れ、日常的に利用しやすいという利点がある。

特に2025年1月から発売予定であり、早期に市場に投入される点は大きなアドバンテージとなる。Lenovoの公式発表によれば、5月にはさらにSteamOSモデルが追加される予定で、ユーザーの選択肢が広がる見通しだ。これにより、即時利用を重視する人々に適した選択肢として注目を集めている。


ディスプレイ技術とユーザー体験の進化

Legion Go 2とLegion Go Sは、それぞれ異なるディスプレイ技術を採用している。Legion Go 2のOLEDディスプレイは、広い色域や高コントラスト、そして真の黒色表現を可能にしており、ゲームだけでなく映像コンテンツにも最適だ。一方、Legion Go SのLCDディスプレイは、コストパフォーマンスに優れ、日常使いに適したバランスの取れた仕様である。

これらの違いは単に性能面の比較にとどまらず、ユーザー体験の方向性にも影響を与えている。OLEDの視覚的なインパクトはゲーム世界への没入感を強化する一方、LCDはシンプルで安定した使用感を提供する。いずれのモデルもVRR(可変リフレッシュレート)をサポートしており、画面の滑らかさを保ちながらフレームレートの変動に適応できるのは、ユーザーにとって大きな利点だ。

最終的にどちらを選ぶかは、価格、用途、そして個々のディスプレイ技術に対する優先順位に依存するだろう。この点について、Windows Centralも「選択肢が広いことがユーザーの多様なニーズに応える」と評価している。