LGは2025年版のGramシリーズとして4モデルを発表した。その中心には、Intelの最新プロセッサ「Arrow Lake」と「Lunar Lake」を採用し、軽量かつ薄型設計を維持しながら高解像度画面やハイブリッドAI機能を備えたGram Proモデルがある。
16インチと17インチのディスプレイを搭載するこれらのモデルは、最大輝度400ニットの高性能ディスプレイを採用し、専用GPUを搭載した17インチモデルはeスポーツにも対応可能なスペックを誇る。
一方、エントリーモデルのLG Gram BookはCore i5チップと60Hzディスプレイを採用し、リーズナブルな価格設定で幅広いユーザー層に訴求することを目指している。CES 2025でさらなる詳細が発表される予定で、軽量と高性能を両立した新時代のノートPCとして注目が集まる。
軽量化と高性能を両立するLG Gram Proの設計哲学
LGの新型Gram Proシリーズは、薄型軽量設計と高性能を兼ね備えたノートPCの新たな方向性を示している。16インチモデルでは重量を2.73ポンド(約1,239g)に抑えながらも、Intelの最新プロセッサ「Lunar Lake」を搭載し、日常的な作業から高度な処理までをこなせる性能を実現している。
特に、筐体サイズの縮小と重量の軽減が、持ち運びを前提とする現代のライフスタイルに適応している点が評価される。
この軽量化は単なるスペックの競争にとどまらない。例えば、Gram Pro 2-in-1モデルは標準でスタイラスを付属し、クリエイティブワークにも対応することで、従来のノートPCとは一線を画す汎用性を提供している。このような製品設計は、ハードウェアとユーザーエクスペリエンスの融合を重視するLGの哲学を反映している。今後、薄型軽量の基準はGram Proシリーズによって更新される可能性が高い。
一方で、低輝度の画面性能や限定的な屋外利用といった課題も残る。これらはディスプレイ技術の進化とともに改善が期待される分野であるが、他の競合製品との差別化の鍵となるだろう。LGが今後この点にどのように対応していくかが注目される。
eスポーツからクリエイティブ作業まで広がる活用領域
LG Gram Proの17インチモデルは、Intel Arrow LakeプロセッサとNvidia GeForce RTX 4050を搭載し、高性能GPUを必要とする作業にも対応する設計が特徴的である。これにより、移動中でも古いゲームタイトルからeスポーツ向けの軽量ゲームまで快適にプレイできる環境が整っている。また、最大144HzのVRR(可変リフレッシュレート)対応により、滑らかな映像表現を実現している点も見逃せない。
ただし、Gram Proシリーズは単なるゲーミングラップトップにとどまらない。搭載されたハイブリッドAI機能は、クラウドAIとローカルAIを組み合わせ、データ処理やパフォーマンスの最適化を効率的に行うことが可能である。この機能は、動画編集や画像処理といったクリエイティブワークにも適しており、特に多様なニーズを持つユーザーにとって有力な選択肢となる。
しかし、専用GPUを搭載しないモデルでは、これらの用途において制約があることも事実だ。LGはこの選択肢をエントリーモデルとして提供しており、価格面での競争力を高める戦略をとっていると考えられる。Tom’s Hardwareが報じるように、各モデルの明確な用途と性能の違いが、消費者の選択を明確にするだろう。
エントリーモデルLG Gram Bookの役割と可能性
2025年版LG Gram Bookは、エントリーモデルとしてCore i5チップと固定60Hzディスプレイを採用し、シンプルで実用的な設計を打ち出している。このモデルはGram Proシリーズと異なり、高性能を追求するのではなく、リーズナブルな価格設定と十分な基本性能で幅広いユーザー層をターゲットとしている。
このモデルの狙いは明確である。例えば、学生や初めてノートPCを購入する層にとって、高価なモデルではなく手頃な価格で日常的な使用に適した選択肢を提供することが重要である。特に、ビジネス用途や軽量な作業に特化しており、Gramシリーズのブランド力を広げる戦略としても注目される。
しかし、このモデルは低輝度ディスプレイややや厚めの筐体といった制約を持つ。これがユーザーの期待を下回る可能性もあるが、LGが価格競争力を武器にこれらの弱点を補う戦略を採用することで、新たな市場を切り開くことが期待される。CES 2025でのさらなる情報が待たれる。